フェイスブックCOOであり、女性の社会進出をサポートするウェブサイト「LEAN IN」(http://leanin.org/)を主宰するシェリル・サンドバーグ。2013年彼女の初の著書『LEAN IN:女性、仕事、リーダーへの意欲』では女性が社会で活躍するための意識について語り、現在も全米ベストセラーに名を連ねています。
そして最新刊『OPTION B』(2017年)では、家族の不幸という自身にふりかかった辛い体験をもとに、逆境から立ち直る術について考察しています。
性別に関係なく平等な機会が与えられる社会になるためには? 家族を愛する働く女性がすべきこととは?世界一有名なキャリアウーマン、シェリル・サンドバーグの名著2冊をもとに、少し立ち止まり、キャリアについて考えてみませんか?
シェリル・サンドバーグってどんな女性?
シェリル・サンドバーグは、ハーバード大学経済学部を首席で卒業後、ビジネススクールへ進み卒業後、マッキンゼー・アンド・カンパニーで1年間経営コンサルタントを務めます。その後財務長官ラリー・サマーズのもとで職員として働き、2001年にGoogleに移籍。グローバルオンラインセールス&オペレーションズの副社長として、顧客向け製品販売とグーグルブック検索の責任者で、広告と出版製品のオンラインセールスの責任者として手腕をふるいました。
Facebookには、2008年にマーク・ザッカーバーグからのオファーによって、COOとして迎え入れられました。彼女が参加したことによってFacebookは利益の出る事業へと発展していきました。また、「なぜ女性のリーダーはあまりにも少ないのか?」と題したスピーチをTEDで行う(2010年)など、女性の平等な雇用機会獲得のために、これまで様々な活動を行ってきました。
ベストセラー『LEAN IN』で伝えた 女性が勇気を持って一歩踏み出す大切さ
世界的にみても日本は女性リーダーが生まれにくい現状であるのは特に顕著ですが、アメリカでも男女に平等な雇用機会が与えられていないのは同じです。『LEAN IN』ではまず、我々日本人がなかなか知り得ないアメリカ国内にも潜在的な性差別意識が根強くあるという事実に驚かされます。
そうした土壌がいまだにあることに加え、どんなに優秀でバリバリ働いているとしても、多くの女性は自身を過小評価してしまう傾向があると指摘します。しかしそうした女性ならではの特性も受け止めた上で、その人ならではのリーダー像を作り上げていくことが大切なのだとシェリル。
女性だからといって、会社や組織のトップに立つことを検討すらしないのはもったいない。もっと多くの女性が一歩踏み出す勇気を持てば、現状に変化をもたらす大きな力になるはずと訴えます。
家族を愛するキャリアウーマンが突然夫を失ったら……?
『OPTION B』は、逆境から立ち直るためどのようにレジリエンス(回復力)を得ていったのか自らの体験を通して描いた作品です。
多くの反響を呼んだ『LEAN IN』を出版したわずか2年後、シェリルは突然の不幸に見舞われます。最愛の夫、デイブ・ゴールドバーグが休暇先のメキシコで心臓発作を起こし、そのまま帰らぬ人となってしまったのです。『LEAN IN』にも何度となく登場し感謝の意を述べていたことからも、彼のサポートなしに彼女が輝かしいキャリアに邁進しながら、幼い子ども2人を持つ幸せな家庭を築くことはできなかったことでしょう。
その夫を亡くしたシェリルがどれだけ悲嘆にくれたかは容易に想像ができます。悲しみのどん底から、一体どのように再生の道へとたどり着いたのでしょうか。シェリルが教わったのは、友人で心理学者のアダム・グラントから、人生を打ち砕く経験から回復するための具体的なステップでした。
シェリルのように最愛の人の死だけでなく、誰もが病気や離婚、仕事上でのさまざまな挫折や困難に直面することがあるでしょう。シェリルは最良の選択肢であるオプションAを選べなくなったとしても、オプションBという次善の選択肢をとって自ら前進できるのだと説きます。
多くのヒントを私たちに与えてくれる彼女の著書、まだ読んでいないという方はぜひ一読してみてはいかがでしょう。
『LEAN IN 女性、仕事、リーダーへの意欲』
シェリル・サンドバーグ/著
『OPTION B 逆境、レジリエンス、そして喜び』
シェリル・サンドバーグ、アダム・グラント/著
(日本経済新聞出版社)
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