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ファッション業界ウラ話

売れる販売員に共通する3つのポイントとは?ラグジュアリー人事責任者が語る“トップセールスの条件”

過去にエルメスジャポンやボッテガ・ヴェネタジャパンなど、ラグジュアリーブランドの人事責任者を務め、『人を幸せにするMétier』の著者でもある、リテール人事コンサルタント青栁伸子さんに聞くキャリアのヒント。今回は、多くの販売員を育ててきた青栁さんだからこそわかる、トップセールス販売員に共通する3つのポイントについてお聞きしました。

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接客販売職は必見!トップセールス販売員に共通する3つの条件

青栁さんにお聞きしたポイントは、どれもテクニカルな難しいものではなく、今すぐに意識的に変えられる非常にシンプルなもの。でも、シンプルなこと、ある意味「あたりまえ」なことこそ忘れてしまいがちなのが接客販売職の難しいところです。

接客販売を仕事にしている皆さんは、是非3つのポイントについてご自身の接客をふりかえってみてはいかがでしょう。

CAREER TIPS売れる販売員に共通する3つのポイント

1. 大事なのは、いかに“お客様が話しかけやすい雰囲気を作るか”。

2. 商品知識はなくても売れる!ヒントは“お客様との会話が弾む楽しい接客”。

3. 売れる人は自分のモチベーションを上げる方法を知っている!

Point 1 : 大事なのは、いかに“お客さまが話しかけやすい雰囲気を作るか”。

最初のポイントは接客の前段階についてです。お客様がお店に入るか入らないか、そのブランドで足を止めるかどうかはお店の雰囲気(空気)で決まります。

クールな(冷えた)雰囲気のお店、例えばスタッフは居るけれどお客様に意識が向いていない。きちんと立っているけれど動きがない。何か店内が張り詰めているようなお店では、お客様はちょっと警戒してしまいます。

店内の空気をどう動かしてお客様を引き込むか、まずはブランドや商品に興味を持って、目を留めていただくこと、これも販売スタッフの大事な仕事なのです

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お客さまは楽しそうな、あるいは暖かい雰囲気の中に入ってその輪に加わりたいと思います。外から見て、あるいは百貨店の通路を歩いていて、「何かここは楽しそう」と思えば入店に繋がり足を止めていただくことができます。店内に入って(足を止めて)いただければ、ブランドの世界観をお伝えしたり、商品のご紹介をしたりと、どんどんプラスの方向に進めていくことができます。ここから先はそんなに難しいことではありません。

例えば、ディスプレイがあまりにも整然と美しく並べられすぎていると入りづらく、手にとりにくく感じる場合があります。どうぞ手にとってごらんください、と言われても「こんなに綺麗に畳めないし、迷惑じゃないかしら…」と手にとることをためらってしまうかもしれません。

こんな時には、あえて綺麗に陳列されたものから1点取り出して広げてまた畳み直す、という動きでお客様の眼を引くことも一つのアイデアです

人は動くものに目がいく習性を持っています。ニットのセーターをちょっと広げていたら、それが気になって、見てみようとお店に入って来られるかもしれません。店舗の右側に置いてあるバッグを別の場所に持って行くだけでも人と物に動きが生まれます。ここで気をつけたいのは、お客様の目を意識して「商品に関わるもの」を動かすということ。スタッフがPCや書類に集中していたり、お客様に背を向けて作業に集中してしまっては、店内の空気は一気に冷えてしまいます。

一番重要なのは、いかにお客様が入りやすい、声をかけやすい雰囲気を作るか、ということです。スタッフがニコニコと楽しそうに仕事をしている店であれば、「ちょっとそれを見せてもらえますか?」という声もかけやすいものです

昔は威圧的な雰囲気を醸し出しているブランドもありましたが、今の時代はそうではありません。極端に言えば、「すみません、私たちのブランドお値段は高いんですけれど、綺麗で素敵なものが多いんです。見ているだけでも楽しいので、ぜひお入りください。お財布に優しくてお気に召すものが偶然みつかるかもしれませんし(笑)」というような、楽しいスタンスが大事だと思います。

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Point 2 :商品知識はなくても売れる!ヒントは“お客様との会話が弾む楽しい接客”。

これは良く耳にするコメントなのですが「入社したばかり(販売職についたばかり)で商品知識がないから売れないんです」。私自身はそんなことは無いと確信しています

過去にエルメス銀座店で繁忙期の応援に入ったことがありました。そのときは新作の大小の袋(バッグの本体)が付け替えられるバッグが出たばかりで、私と派遣社員1名はその商品だけを担当して欲しいと店舗から要請されました。商品知識として知っていたことは、そのバッグの素材と価格、色とサイズのバリエーションだけでした。

結果、私達はそのバッグを1日に13点販売することができました。他のスタッフからも「どうやって売ったの?」と聞かれましたし、店舗の売上げに貢献したことで店長にも感謝されたことを覚えています。それだけの点数を販売することができた訳はただ一つ、私達がとにかく楽しかったからです

何をしていたかといえば、バッグのパーツの付け替えを実演しながら、大小二つのサイズのバッグ本体がついているので、用途やファッションに合わせて使い分けができることや、思っているよりも簡単に付け替えができること、そんな商品の良さや便利さをご紹介していただけです。お客様からは「付け替えができるのは知っていたけどどうやるのか分からなかった」「二つのバッグパーツがついているとは聞いていたが、その意味がわからなかった」などという声もありました。

お客様は店頭で実際に商品を見たとしても、気軽に「バッグを付け替えてみせてください」とはなかなか言えないもの。それを楽しそうに簡単そうに見せていたことで、次から次へとお客様が足を止めてくださったのです。まるでデパ地下の実演コーナーのようだとは思いましたが、何より実演がお客様への最大のアピールになり、購買意欲が高まったことは言うまでもありませんでした。

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私もペアを組んでいた派遣社員の方も、商品知識といえるものはほとんどありませんでしたが、そのバッグが好きでしたし、自分でも欲しいなと思っていました。派遣社員の方は20代だったので、同年代のお客様やギフトでご検討されているお客様から「あなたならこのバッグ欲しいですか?」とか「これをプレゼントされたら嬉しいですか?」などと聞かれていたのを覚えています。

その商品の良さを熱心に語れるスタッフからお客様も買いたいはずです。お手入れの方法や注意点があるとすれば、お会計の時にお伝えすれば済むことで、事実その日も店舗のスタッフがその点のフォローしてくれました。その商品が好きで、そのブランドが好きで、使ってみた良さ(他のお客様の感想でも、自分の感想でも)をお伝えできる、そんな接客がお客様の心を動かすものなのです

Point 3 : 売れる販売員は自分のモチベーションを上げる方法を知っている!

接客販売の仕事は、残念ながら打率10割(接客した方全員にお買上げいただけること)はありえませんので、「また今度」「今日は時間がないので…」「検討します」というようなお断りの言葉を聞くことになります。運が悪いと朝からずっと接客をしても、売上げに繋がらないという日もありえます。当然気持ちが落ちることも多いでしょう。

そんな中で私が見てきたトップセールスの方々は、落ち込んだときにどうすれば“自分の気持ちを上げられるか”、“笑顔になれるか”を知っていました

例えば、お店のなかで自分が一番好きな商品、欲しいアイテム、見るだけで楽しくなるものを手にとってみる。人によっては自分が笑顔になれる写真やメッセージをバックヤードに置いていたり、お気に入りの楽曲や動画をスマホに登録していたり。何でも良いのです。

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自分がめげそうな時にきちんと気持ちを保てる“セーフティーネットのようなもの”をつくっておくことが大切です。今日は打率0だったという日には、お気に入りのスイーツで厄落とし(?)するんですよ、と言っていたスタッフもいました。

たとえ三振が続いていても、自分の気持ちを上げて笑顔で楽しそうにしていれば不思議と突然ホームランが打てたり、ヒットを打てたりするのです。お客様は楽しそうな場所、楽しそうな人が大好きですから…。

また、お客様が来てくださったことに「ありがとうございます」という感謝の気持ちを持ち続けていることも大切です。感謝の気持ちを持って、来てくださったお客様に楽しんでいただくためにも「めげている場合じゃないわ」と気持ちを切り替えて現場に戻る。そういう意識を持った方がトップセールスになっているのです。

結局、接客販売の仕事は、その人の“人間力”がとっても大事な職業なのです

“接客販売”を一生できる楽しい仕事に!

いかがでしたか?青栁さんが挙げるポイントは販売員の皆さんにとって、今すぐ実践したいエッセンスが凝縮しているのではないでしょうか。

販売職は楽しくて一生できる仕事。だからこそ販売職の地位向上を目指したいと、青柳さんは今後もさまざまな活動を行っていくと抱負を語ってくれました。

青栁 伸子さん

東京都生まれ。人事・総務・ITを専門分野とするコンサルタント。日系企業、日系ベンチャー企業での人事経験を経て、1999年にラグジュアリー・リテール業界へ転身。
エルメスジャポン、ボッテガ・ヴェネタジャパン、フォリフォリジャパンの各社で人事・総務部門の責任者として、人材育成・組織開発・制度設計などにあたる。同時にビジネスパートナーとして、経営陣に対して人事的な側面からのサポートを行い、会社の業績向上にも寄与。
特に接客販売職の「専門職」としての地位確立、処遇の改善、女性が無理なく永く働ける環境づくりなどに注力。2015年にコンサルタントとして独立。青栁さんのインタビュー記事はこちら

青栁 伸子さんの著書

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『人を幸せにするMétier お客さまを虜にする最強の接客サービス』
エルメスやボッテガ・ヴェネタなど、憧れのラグジュアリーブランド。それぞれのブランドでスタッフ育成を手がけた人事コンサルタントが、顧客の心をつかむコツを伝授する。人事のプロが贈る接客販売職への賛歌。

 

 

 

 

 

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