2000名から選ばれたプロの販売員が語る「接客のコツ」と「販売員の価値向上に必要なこと」｜ファッションワールド東京セミナーレポート

11月7日（月）から3日間、日本最大のファッション展示会「ファッションワールド東京2016【秋】」が開催され、期間中、店長・販売員向けのためのセミナーが行われました。売り上げアップに繋がる多くのノウハウを持つ講師陣のなかで、今回はベイクルーズグループ株式会社ルドーム「Le Dome EDIFICE」ルミネ横浜店の販売員山田慎平さんによるセミナー内容をレポートします。

山田さんはファッションアドバイザーのスペシャリストを認定するベイクルーズの「BAY☆FA」制度の一期生として、約2000名の販売員の中から選出された敏腕販売員。実際に行っている接客スキルや、これから必要とされる販売員になるための極意について語ってくださいました。

お客様の懐に入る最高のおもてなしと販売員の価値向上に向けた取り組み

山田さんは大学在学中からLe Dome EDIFICE名古屋店のアルバイトを経験し、卒業後は正社員として渋谷店、銀座店、そして現在配属中のルミネ横浜店で活躍する生粋のエディフィスマン。「BAY☆FA」の第1期生として、日々販売員の価値向上に奮闘されています。

始めに、山田さんは販売員の役割について、

「ここ数年でECの発展などによって、ファッション業界ではますます店舗でものが売れにくい時代になってきました。商品によってはネットで購入したほうが安いというものもありますが、それでも実際に店舗に行き商品を購入するお客様がいるというのは、商品を実際に見たい、販売員の方に相談したいという気持ちがあるからだと思います。お客様と直接店頭で会話をして接客サービスができるというのは、販売職の強みです。そういう観点でも、販売員の接客力向上は今後より一層求められていくと言えます」。

また、人工知能の発達などによって近い将来さまざまな職業がなくなるかもしれないという予測から、ただ商品を販売しているだけでは、必要とされなくなってくるかもしれないと、ファッション業界全体としての危機について触れました。

2000名から選ばれた販売員、山田流・おもてなしのポイントとは？

山田さんが考える“最高の販売員”とは、お客様の悩みを解消して感動を与えることができる販売員。それを日々念頭に置いて最高のおもてなしができるよう努める山田さんが接客で大切にしていることとは？

「山田流のおもてなしは、『スキル』『マインド』『知識・マナー』の3つで成り立っています。『スキル』や『知識、マナー』は研修や書籍、ホテルやレストランでホスピタリティーを体験するなどで学びます。『マインド』は、“とにかくパーソナルに”をモットーにしています。パーソナルでいるために大切にしているのは、まず自分自身が接客を楽しむこと。お客様の心の奥底にある想いを汲み取り寄り添うこと、自分の言葉でシンプルに伝えることです。

そして、全ての大前提にある最も重要なポイントは、『お客様に興味を持つこと』です。販売員の中には、自然に人に興味を持てる人と持てない人がいますが、興味を持てない人は“人に興味を持つスキル”＝“興味を持っていると相手に感じさせるスキル”を磨くことが重要です」。

さらに、山田さんが心がけていること、“お客様の期待を上回る一工夫”について、

「どのお店でも体験できる接客では、お客様に感動を与えることはできません。感動を与えられなければ顧客にもなっていただけないですし、利益を増やすことも難しいです。私はなるべく全てのシーンで一工夫をして感動を与えられるよう心がけています」と、顧客づくりの秘訣を披露しました。