アパレル・ファッション業界の求人・転職ならFashion HR

記事一覧

時代とともに進化する「デニム on デニム」2022年はブームが最高潮に!?

パンツやジャケット、バッグなど、さまざまなアイテムに取り入れられているデニム。2022年もデニムは外せないアイテムですが、中でも「デニム on デニム」のコーディネートに注目が集まっています。世界中の人々の生活に密着したこの生地の歴史、そして、現代的なファッションへの取り入れ方について考察します。

【目次】
デニムの歴史をおさらい
ワークウエアからファッションへ
デニムとジーンズの違い
「デニム on デニム」とは?
今っぽく取り入れるコツ

デニムの歴史をおさらい

デニムの誕生地として伝えられているのは、17世紀のフランス南部のニーム地方。織物産業で栄えていたこの街で、帆船や幌馬車に使用するコットン生地が生産されるようになり、耐久性の高いこの生地は、やがて「セルジュ・ドゥ・ニーム(serge de Nimes/ニーム地方で作られた丈夫な生地)」の名で呼ばれるようになりました。これが、現在まで続く「デニム」の語源と言われています。

18世紀に入ると輸出品として海外に送り出され、特にイタリア・ジェノバでの需要が急増。エプロンや作業着に使用され、労働者や市井の人々の間でデニムが広まっていきました。

1853年には、ドイツから移民としてアメリカに渡ったリーバイ・ストラウスが、リーバイ・ストラウス社の前身となる雑貨店を開業。金鉱の労働者が使用するキャンバス地のワークパンツを開発し、その生地がデニムに変更して耐久性を高めるためのリベット打ちを施したことでリーバイスジーンズの原型が出来上がりました。


ワークウエアからファッションへ

その後も作業着としての需要が一般的だったジーンズですが、1930年代に流行したカウボーイ映画で彼らの履くパンツが注目を集め、アパレルメーカーも広告を展開。しかし、当時は、まだデュードランチと呼ばれる牧場観光で着るコスプレ衣装のような捉えられ方で、一般層への浸透には至りませんでした。

ジーンズやデニムウェアがファッションとして脚光を浴びるようになったのは、第二次世界大戦以後。ワークウェアがカジュアルなものとしてトレンドとなり、マリリンモンローをはじめとするハリウッドの映画スターたちがこぞって着用するようになります。マーロン・ブランドやジェームス・ディーンなどが不良役の衣装として履いていたことから、ジーンズ=不良、反社会的の象徴となり、一気に若者の人気を獲得。後のモッズやヒッピー、パンクといったカウンターカルチャーとも親和性が高く、多くのミュージシャンが衣装、私服問わずジーンズを愛用するようになりました。

1970年代後半からはデザイナーたちが自身のコレクションにデニム素材を取り入れ、ファッション化を加速させました。


デニムとジーンズの違い

現在では同義語のように捉えられている「デニム」と「ジーンズ」ですが、デニムは生地、ジーンズはパンツを指す言葉と考えるのが定説です。しかし、歴史を深く遡ると、実はジーンズは、デニムよりも30年ほど前にイタリア・ジェノバで生み出された生地「ジーン」に端を発することが分かっており、織り方も異なります。

両者の細かな違いについては、2019年に掲載されたFashion HRの記事をご覧ください。

今さら聞けないファッション・アパレル業界マテリアル用語【デニムとジーンズの違いって?】


「デニム on デニム」とは?

ボトムとトップスを共にデニムで揃える「デニム on デニム」のコーディネートは、もともと「カナディアン・タキシード」という名で呼ばれていました。その語源は1950年代、歌手のビング・クロスビーが上下デニムのセットアップでホテルにチェックインしようとしたところ、ホテル側が入館を拒否。それを聞いたリーバイ・ストラウス社が後日、彼にデニム製のタキシードを贈呈したというエピソードが元になっています。

その後もデニム on デニムは映画スターやミュージシャンに好まれ、時代の移り変わりの中でブラッシュアップ。現在も海外のスーパーモデルやセレブたちが鮮やかなインディゴに身を包む姿が、たびたび見られます。

ファッション業界では2022年が空前のデニムブームの年になると言われており、COACHやMSGM、BOTTEGA VENETAなどビッグネームのブランドが、ノスタルジックかつ斬新なアプローチでデニム on デニムの新機軸を提示しています。


今っぽく取り入れるコツ

着こなしが難しいと思われがちなデニム。しかし、素材感や色合いで統一感を持たせやすいというメリットがあり、ポイントを掴んで少し工夫すれば、汎用性の高いコーディネートが可能です。

女性の着こなしの場合、ジャケットなどのアウターはゆったりしたもの選び、インナーにハイネックのニットなどを合わせることで落ち着きのある雰囲気を演出。配色も重要なポイントで、同じブルー系のデニムでもインディゴならビビッド、色落ちやヴィンテージ感のあるものならナチュラル系なトップスを合わせることでアクセントや調和を生み出します。また、パールやゴールドなど、多少主張の強いアクセサリーでもバランスを崩さず、コーディネートの品を高めるのもデニムならではの特徴です。

年齢や体形を問わず、機能性も抜群なデニファッション。普遍性に加え、最先端を貪欲に吸収する順応性を持ち、今後もさらに革新的なスタイルの登場が期待されます。

TEXT:伊東孝晃

Fashion HRはファッション・アパレル業界に特化した求人情報サイトです!

FHR_top

ショップスタッフや店長などの販売職から、PR、MD、VMD、営業、総務/経理、秘書、ロジスティックスなどのバックオフィス職まで、外資系ラグジュアリーブランドから国内有名ブランドまで求人情報を多数掲載中。早速、会員登録をして求人をチェック!

   
無料会員登録する

記事一覧