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オリンピックを彩った 日本のブランド振り返り

2021年7月23日~9月5日にかけて開催された「東京2020オリンピック・パラリンピック」。「東京オリンピック」には205の国と地域に加え、難民選手団からおよそ1万1000人が、「東京パラリンピック」には161の国と地域に加え、難民選手団からおよそ4400人の選手が参加。熱戦につぐ熱戦で多くの感動を与えてくれました。そんな中で、選手団やスタッフ、パフォーマーたちが身につけたユニフォームや衣装は、多くの人々の目を楽しませたのではないでしょうか? 今回は「オリンピックを彩った 日本のブランド振り返り」と題し、大会を華やかに盛り上げた日本ブランドの衣装をいくつか紹介していきます。

【目次】
「スズキタカユキ(suzuki takayuki)」
「AOKI」
「マメクロゴウチ(Mame Kurogouchi)」
「飯嶋久美子(Kumiko Iijima)」
「ISSEI MIYAKE」

「スズキタカユキ(suzuki takayuki)」

“時間と調和”をコンセプトに繊細で緊張感のある服を作り続けている「スズキタカユキ(suzuki takayuki)」。東京造形大学在学中に開催した展示会をきっかけに、映画への衣装提供や、MISIA、Mr.Children、中島美嘉などのミュージシャンの衣装を手掛けるように。2007年にファッションブランド「スズキタカユキ(suzuki takayuki)」として東京コレクションに参加しています。

今回話題となったのは、俳優・ダンサーの森山未來が東京オリンピック開会式でのパフォーマンス時に着用した衣装です。新型コロナウイルスによる犠牲者に加え、1972年のミュンヘン五輪で武装集団に殺害された選手らへの追悼の意を込めたパフォーマンスを、全身白ずくめの印象的な白装束をまとって披露。魂のこもったパフォーマンスはもちろん、パフォーマンスに奥行きを与えた衣装も多くの人々を惹きつけました。また、「スズキタカユキ(suzuki takayuki)」は開会式冒頭のパフォーマンスでダンサーが着用した衣装のデザインも手掛けています。


「AOKI」

1976年に紳士服及び服飾品を販売するアオキFashion販売としてスタート。最近ではスーツ専門店の強みを活かした立体縫製で、着映えと快適な着心地を追求した「アクティブワークスーツ®」を発表するなど、ニーズに応じた多彩な商品展開をしている「AOKI」。

その「AOKI」が手掛けたのが、東京2020オリンピック・パラリンピックで日本代表選手団が着用した公式服装(開会式用・式典用)です。「ニッポンを纏う」というコンセプトをもとに、細部に至るまで素材や色柄にこだわり、「東京2020大会の価値の発信」「歴史と伝統の継承」「国民との一体感」を表現。また、オリンピック・パラリンピックの「共生」をテーマに、統一デザインにて作製されました。猛暑での開催となるため、吸汗速乾性、快適性はもちろん、脱いで手に持ってもシワになりにくい素材を採用するなど、多くのこだわりが詰まっており、各選手の体型に合う1着を用意すべく、パーソナルオーダーで完成させたと言います。

「AOKI」が手掛けた日本代表選手団公式服装(開会式用・式典用)の展示は

AOKI横浜港北総本店・AOKI銀座本店で、2021年12月26日まで


「マメクロゴウチ(Mame Kurogouchi)」

2010年「マメ」としてスタート。立体的な刺繍など日本の技術を生かした、繊細さと力強さを感じさせるデザインが特徴の、黒河内真衣子がデザインを手掛ける「マメクロゴウチ(Mame Kurogouchi)」。2018年にはパリコレクションにも参加しています。黒河内真衣子は元々、株式会社三宅デザイン事務所に所属し、「イッセイミヤケ」のパリコレクションの企画、デザインなどを担当していました。 そんな「マメクロゴウチ(Mame Kurogouchi)」のアイテムが登場したのは東京オリンピック閉会式。女優・大竹しのぶが、杉並児童合唱団の子どもたちと宮沢賢治の「星巡りの歌」を合唱した場面で、大竹しのぶが着用していた衣装が「マメクロゴウチ(Mame Kurogouchi)」の2021年秋冬コレクション「Nocturnal Window」です。トップスとスカートに緩やかなカーブを描いた、目を引く綺麗なプリーツがあしらわれており、放送時にはSNSでも大きな反響がありました。


「飯嶋久美子(Kumiko Iijima)」

文化服装学院アパレル技術科卒業後、スタイリストおよびVOGUE NIPPONでのアシスタントを経て、2000年にスタイリストとして独立。スタイリスト・衣装デザイナーとして国内外で活動している「飯嶋久美子」。きゃりーぱみゅぱみゅや椎名林檎などアーティストの衣装制作をおこなっていることでも有名です。

そんな彼女が手掛けた衣装は、東京オリンピック閉会式で登場しました。MAN WITH A MISSIONや米津玄師などのアーティストのMVにも出演しているダンサー・アオイヤマダが、灯籠を持ったキャストたちが周囲を囲んだフィールド上で、ソロパフォーマンスを披露したシーンです。大地に根を張る樹木をイメージした衣装は、追悼の演目において、大きな意味合いを感じさせました。


「ISSEI MIYAKE」

デザイナーの三宅一生が立ち上げた日本を代表するファッションブランドで、1971年にニューヨークで始めてコレクションを発表。衣服を「トレンド」としてではなく、普遍的な「デザイン」としてとらえる独自の視点を発表し大きな反響を呼びました。単品大量生産が主流だった1970年代に生まれた御三家と呼ばれるブランドのひとつで、その後の日本のファッション業界に与えた影響は計り知れません。

そんな「ISSEI MIYAKE」の2021-22年秋冬コレクションで発表されたハンドプリーツを施した「CHOCHIN DRESS」を着用したのは、パラリンピック閉会式での小池百合子都知事です。強撚のポリエステル素材を使用した“提灯”がイメージのダイナミックなドレスで、ウエスト部分の内側にボタンが付いており、ブラウジングして着用することもできるそう。次回2024年大会の開催地であるパリ市のアンヌ・イダルゴ市長へとパラリンピック旗が手渡される場面を華やかに彩りました。

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また、大阪農林会館を特集した『大阪農林会館のショップオーナーが語る「足を運んで買うということ」vol.2』に登場した「日本極東貿易」も、東京パラリンピック閉会式でのパフォーマー衣装を提供しています。個性的な「NIPPONのタータンシリーズ」でパフォーマンスを盛り上げました。

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