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注目の「SDGs」、アパレル業界との関係性とは?

近年「SDGs」という言葉をよく見聞きするようになりました。アパレル業界でも同様で、「SDGs」に掲げられている17の目標は個別のようでひとつの大きな目標としてまとまっているため、すべてが様々な角度からアパレル業界にも関係していると言われており、多くのブランドが「SDGs」に取り組んでいます。今回は「SDGs」の17の目標とアパレル業界との関係性、注目される理由に加え、ブランドが取り組む事例も紹介していきます。

 

【目次】
SDGsとは?
注目が高まる理由
アパレル業界とSDGsの関係性
具体的な事例

 

SDGsとは?

「SDGs(エスディージーズ)」とはSustainable Development Goalsの略称で、「MDGs(エムディージーズ)」に代わる新たな目標として2015年に国連加盟193の国が掲げた、国際社会共通の“2030年までに達成すべき17の目標”です。
2000年から15年間掲げられていた「MDGs」は、「極度の貧困と飢餓の撲滅」「初等教育の完全普及の達成」なども織り込まれており、先進国による途上国の支援が中心の内容で、先進国が定めることで地域の偏りが生まれるなどの問題が指摘されていました。
新たに策定された「SDGs」は、地球上の“誰ひとり取り残さない(Ieave no one behind)”ことを理念に、17の大きな目標と、それを達成するための具体的な169のターゲットで構成されています。

17の目標

1. 貧困をなくそう
2. 飢餓をゼロに
3. すべての人に健康と福祉を
4. 質の高い教育をみんなに
5. ジェンダー平等を実現しよう
6. 安全な水とトイレを世界中に
7. エネルギーをみんなにそしてクリーンに
8. 働きがいも経済成長も
9. 産業と技術革新の基盤をつくろう
10. 人や国の不平等をなくそう
11. 住み続けられるまちづくりを
12. つくる責任つかう責任
13. 気候変動に具体的な対策を
14. 海の豊かさを守ろう
15. 陸の豊かさも守ろう
16. 平和と公正をすべての人に
17. パートナーシップで目標を達成しよう

「1~6」は基本的人権や生活水準に関する内容、「7~12」は経済的・社会的な豊かさに関する内容、「13~15」は地球環境に対する内容で、「16、17」はすべての目標を達成するために欠かせない目標となっています。

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注目が高まる理由

「SDGs」は2015年に採択されましたが、その注目度は年々上がっています。その理由として考えられるのは、CO2排出量の増加による温暖化、異常気象、森林の砂漠化など、世界全体で取り組まなければならない問題への危機意識の高まりや、「MDGs」に比べると分かりやすく、先進国・途上国が揃って課題を解決できる枠組みになっていることが上げられます。また、ビジネスチャンスとしての重要性が認知されたことも大きいでしょう。経営やマーケティングなどの視点から、企業にとっても無視できない指針のひとつとなっています。
さらにアパレル業界では、影響力のあるモデルやタレント、インスタグラマーなどが、自らの言葉で「SDGs」を発信しており、ファッションに関心の高い20~40代の女性を中心に注目が高まっていることも理由のひとつと言えるでしょう。

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アパレル業界とSDGsの関係性

様々な業界で多くの取り組みが進められていますが、アパレル業界でもその動きは活発です。では具体的に、ファッションと「SDGs」がどのように結びつくのでしょうか。大きく3つに分けて解説します。

環境問題
服の素材の綿花栽培に使われる大量の農薬(化学物資)や、廃棄する際の焼却処分で排出されるCO2による環境問題は深刻です。その課題に取り組むべく、アパレル業界では無農薬の綿花栽培(オーガニックコットン)を使用したり、リサイクルや環境に配慮した素材開発に取り組む企業が増えてきています。この問題は、「13~15」の地球環境に対する内容に当てはまります。

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労働問題
多くのアパレル企業が途上国への仕事提供に貢献していますが、労働コストを削減することで安価な服の販売を実現しているため、労働問題が深刻化しています。近年では労働環境や長時間労働など、労働者の基本的な人権が守られることも重要視されており、多くのブランドが、労働者や環境に配慮した生産様式に移行しています。この問題は、人権問題や「7~12」の経済的・社会的な豊かさに関する内容まで広く当てはまります。

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大量生産・大量消費
アパレル業界は、大量生産・大量消費を行う企業が多く、日本だけでも1年間で10億着を軽く超える衣服が廃棄されている余剰在庫が問題視されています。近年では企業や消費者の「SDGs」への理解の高まりで、生産量のコントロールやリサイクル、オフプライスストアが注目されるなど、様々な取り組みがなされており、今後の目標達成に期待されています。この問題は、「12」のつくる責任つかう責任はもちろん、先に上げた、生産過程における「環境問題」「労働問題」にも関係すると言えるでしょう。

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具体的な事例

「SDGs」についてや、アパレル業界とSDGsの関係性を紐解いてきましたが、実際に各ブランドは「SDGs」にどのように取り組んでいるのでしょうか。例えば『Gucci』は2019年に温室効果ガスの排出を年次ベースで完全に相殺することに成功し、人と地球のために積極的な変化を生み出す「Gucci Equilibrium」プロジェクトも立ち上げています。『PRADA』はブランドの象徴ともいえるナイロンアイテムを2021年末までに無限に再生できるリサイクルナイロンへと移行することを目標に掲げています。『Louis Vuitton』は2025年までに100%責任を持った原材料の調達を、2030年までに使い捨てプラスチックの使用率を0%にすることを目標としています。
また各ブランドだけではなく、世界的ファッション誌『ELLE』『VOGUE』などを筆頭に、日本のファッション誌『FRaU』や『VERY』でも「SDGs」や「サステナブル」について大きく取り上げられ話題になりました。このことから、アパレル業界に限らず、消費者側の人たちにも「SDGs」への理解が深まっていることが考えられます。「12」のつくる責任つかう責任をしっかりと理解した上で、「SDGs」「サステナブル」といった取り組みが、新たなトレンドを生み出しているとも言えるかもしれません。

 

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