アパレル・ファッション業界の求人・転職ならFashion HR

記事一覧

リサイクル素材使用、自然由来100%など続々登場 サステナブル × スニーカーに注目

最近、耳にする機会が増えた「サステナブル(Sustainable)」。ファッション業界においても業界全体で取り組むべき課題として、リサイクル、アップサイクルといった「廃棄物の再利用」や、環境負担を軽減するための「システム改革」など、様々な取り組みが行われています。Tシャツやジャケット、バッグなど多くのアイテムが発売されていますが、中でも注目なのは各メーカーから続々と発表されているサステナブルスニーカー。リサイクル素材を使用したものはもちろん、自然由来100%など「素材開発」においても様々なアプローチが登場しています。

 

【目次】
サステナブルについておさらい
リサイクルとアップサイクルの違いとは
サステナブルスニーカーが続々登場
これからのサステナブルは「素材開発」が鍵に!?

 

サステナブルについておさらい

サステナブルは「sustain(持続する)」と「able(〜できる)」から成る言葉で、ファッション業界におけるサステナブルとは、“持続可能なファッション”のこと。ファッションの生産、流通において自然環境や社会に配慮した、世界共通の取り組みのことを差します。例えばアパレル業界全体として、「動物の皮、毛を使用しない」「再生利用でできた素材を使用する」「オーガニックコットンを使用する」などの取り組みが上げられます。
具体的には、“持続可能なファッション”にいち早く着目したステラ・マッカートニーが、レザーや毛皮といった動物由来の素材は使わず、レディースウェアの50%以上でリサイクル素材を使用。グッチはリアルファーの使用を2017年に廃止し、2018年には地球の保護とサステナビリティの向上を目指したポータルサイト「Gucci Equilibrium」を開設するなど、多くのブランドが動き出しています。

 

「アパレル業界におけるサステナブルな取り組みについて」は こちら

.

リサイクルとアップサイクルの違いとは

ステラ・マッカートニーがリサイクル素材を使用していることを紹介しましたが、「リサイクル」「アップサイクル」の違いはご存知でしょうか。「リサイクル」とは、再生利用を意味します。例えば、ペットボトルから化学繊維をつくって衣類にするなど、廃棄物を資源の状態に戻してから再生する取り組みのことです。
「アップサイクル」も再生利用を差しますが、資源の状態に戻すのではなく、廃棄物や不要になったものに新しい価値を付加して需要を生み出す循環システムのことを意味します。例えば、廃棄されたタイヤチューブでバッグを制作したり、着物や古着、ヴィンテージの布地を新たなアイテムに生まれ変わらせる取り組みのことです。
ちなみに、Tシャツなどを雑巾として活用する場合は「ダウンサイクル」と表現します。元よりも価値が上がるのが「アップサイクル」、価値が下がるのが「ダウンサイクル」と考えるとよいでしょう。

.

サステナブルスニーカーが続々登場

“持続可能なファッション”を目指してアパレル業界全体で様々な取り組みが進められ、多くのアイテムが登場していますが、話題となっているのがサステナブルスニーカーです。本来、スニーカーはクッション性や安定の面から、石油由来の素材でできており、分解性の低い製品であることが大きな課題と言われています。近年、各メーカーから発表されているサステナブルスニーカーには、植物繊維や天然ゴム、リサイクル素材が使用されており、「脱・石油」を目指す上で、大きな注目を集めています。各メーカーがどのようなサステナブルスニーカーを発表しているのか、いくつか紹介していきます。

 


MERRELL【MERRELL CLOUD MOAB(左)、 MERRELL CLOUD SPRINT(右)】
メレルブランドの不朽の名作「MOAB(モアブ)」と「SPRINT(スプリント)」シリーズが、”ECOで快適な履き心地”のスニーカーにコンバート。インソールいらずのシューズ構造を実現する超軽量でクッション性のある「FLOAT ECO」ミッドソールは、リユースしやすいTPE(サーモプラスチックエラストマー)が原材料で、特殊な製造工程により廃材を出しません。その他、ライニングにはリサイクルメッシュを、アウトソールには30%のリサイクル素材を用いたラバーアウトソールが採用されています。

 


Allbirds【Wool Dasher Mizzle(コタレナイト/左、メテオライト/右)】
ZQ認証のメリノウールを使用したアッパーから、FSC(森林管理協議会)認証の天然ゴムを使用したアウトソールに至るまで、自然由来の素材を使用したランニングシューズ。2020年春にリリースされた「Tree Dasher」をアップデートした新モデルで、ウールのアッパーを水からガードするフッ素化合物を使用しないバイオベースの撥水加工が特徴。環境や人体への影響にまで配慮した撥水加工です。

<クレジット> アイテム:Wool Dasher Mizzle(ウールダッシャーミズル) 価格:¥17,500(税込) ブランド:Allbirds(オールバーズ)
問い合わせ先名称:Allbirds(オールバーズ) 問い合わせ先URL:allbirds.jp / TEL:0800 080 4054

 


Timberland【トゥルークラウド™ EK+ ニット チャッカ & ブーツ】
持続可能に管理された森林から調達されたウールとナイロン素材を50%ずつ配合した素材のアッパーは低刺激性。ライニング(内側全体)には、再生可能なユーカリ素材を70%、従来より少ない水使用量で製造したリサイクルコットンを30%配合したファブリックを採用しており、高い透湿性を実現しています。

 


adidas【STAN SMITH(FX5522/左、FX5502/右)】
誕生以来、半世紀に渡り愛され続けてきたアディダスのベストセラーシューズ「スタンスミス」がリサイクル素材を使用したサステナブル仕様に。アッパーにはレザーと同じ外観と手触りの日本製のプレミアムPUコーティングを施したリサイクルポリエステルを採用。アウトソールには、天然ラバーやリサイクルラバーが使用されています。


Reebok【CL Legacy(FZ0812/左、FY7443/右)】
リーボックのアイコニックなモデルである「AZTEC(アズテック)」と「CL LTHR(クラシック レザー)」を組み合わせた、サステナブルシューズの新モデル。一部アッパーの30%以上にリサイクル素材を使用することで環境にも配慮された製品となっています。

.

これからのサステナブルは「素材開発」が鍵に!?

新たなリサイクルシステムを整えたり、生産工程における環境負荷を軽減するなど、各メーカーが様々な取り組みを行っていますが、近年注目されるのが「素材開発」。環境への配慮はもちろん、使用する際の快適さも追求した素材が、独自の技術によって新たに開発されています。意外な原料から作られる商品に注目です。

 


Reebok【FOREVER FLOATRIDE GROW】
植物由来素材を原料とするブランド初の高機能ランニングシューズは、2018年に発表された100%すべてがリサイクル可能なトウモロコシでできたスニーカー 「Cotton+Corn」に続く新アイテム。ユーカリ由来の素材を使用したアッパーや、新たに開発された唐胡麻(キャスタービーン、ひまし)などの天然素材を原料としたミッドソールなどが特徴です。

 


EUYEN【EU001-ICHI】
不燃ゴミとなるEVA(ビニル系)素材ではなく、独自技術で開発した「天然ゴム発泡ソール」と呼ばれる生分解性の高いソールで作られた“地球に還る”スニーカー。染色や接着剤には天然由来の素材が、アッパー(スニーカー全体)にはオーガニックコットンの生分解性の高い糸が使われるなど、有害物質は一切使用されていません。ブランドタグ、シューズBOXにはFSC認証の紙を使用しており、細部までサスティナブル精神の感じられる1足。

 

 

Fashion HRはファッション・アパレル業界に特化した求人情報サイトです!

FHR_top

ショップスタッフや店長などの販売職から、PR、MD、VMD、営業、総務/経理、秘書、ロジスティックスなどのバックオフィス職まで、外資系ラグジュアリーブランドから国内有名ブランドまで求人情報を多数掲載中。早速、会員登録をして求人をチェック!

   
無料会員登録する

記事一覧