アパレル・ファッション業界の求人・転職ならFashion HR

記事一覧

掛け合わせた素材も登場!今さら聞けないファッション・アパレル業界マテリアル用語【麻(リネン)、コットン編】

繊維生地の中でも定番の素材である麻(リネン)やコットン。しかし、身近すぎるあまり、その素材の特徴をよく理解していない人も多いのでないでしょうか。今回は、基礎知識として押さえておきたい麻(リネン)とコットンの特徴や、素材としてのメリット・デメリットついて紹介します。

夏の定番素材、麻(リネン)の特徴とメリットは?

麻は、ザラザラとした、少し硬さのある「シャリ感」が特徴の天然素材です。ヘンプ、ジュート、サイザル、ラミーなど、麻にはいくつか種類がありますが、中でも良質な麻はリネンという種類の麻を用います。

女性の高級下着のことをランジェリーと呼びますが、このランジェリーの“ラン”は、フランス語で「リネン」を意味する言葉なのをご存知ですか?麻(リネン)は私たちの生活において、昔からとても身近な存在なんですね。

さて、その麻(リネン)には、以下のような特色があります。

・通気性、吸水性、吸湿性がいい

通気性、吸水性、吸湿性がよく、汗などをよく吸収して熱を放出してくれるので、とくに夏の衣服に使われます。その吸水性の高さは、綿の約4倍、シルクの約10倍です。天然素材の中でも最も通気性のいい素材といえるでしょう。

・繊維が伸びにくく、丈夫

繊維がしっかりしているので、水などを含んでも一定のハリを保つことができます。そのため、汗をかいても肌に張り付くことなく、サラッと着こなすことができます。丈夫で長持ちするのも利点です。

・カビや雑菌の増殖を抑える

通気性がいい素材なので、カビや雑菌などの繁殖も防ぐことができます。雑菌の繁殖などによる匂いが気になる夏には最適な素材です。

麻(リネン)のデメリットは?

メリットづくしに見える麻(リネン)素材ですが、扱いにくいデメリットもあります。

・洗濯などによってシワがつきやすい

麻(リネン)はシワがつきやすい素材といえます。とくに、繊維に硬さのある新品時ほどシワがつきやすく、デザインによっては毎回のアイロンがけが大変かもしれません。

ただ、それも麻(リネン)の魅力ですので、シワのあるラフさを活かしたデザインのものを選ぶと、この問題は解決します。

・独特の節(ネップ)ができる

麻を指で触ってみると、ところどころブツブツと糸の塊ができているのがわかるはずです。麻素材は、織りの段階でネップと呼ばれる節ができてしまいます。リネンの場合は比較的繊維が細く、しなやかなので、チクチクとした刺激は少ないでしょう。

ただし、このネップは麻ならではの魅力でもあります。この素材感を活かしたデザインなどを取り入れるといいでしょう。

・乾燥に注意

麻(リネン)は乾燥するときに縮みやすいデメリットがあります。洗濯表示に従うのはもちろんですが、乾燥機は使わないようにしてください。脱水もやりすぎるとシワが強く出るので、手洗いをしたあとに軽く水気を切って陰干しするようにしましょう。

身近な天然素材、コットンの特徴とメリットは?

コットン(綿)というと、肌にやさしい素材という印象がありませんか? 日本では歴史が深く、私たちの肌着などにも多く使われている天然素材です。

・通気性がよく、夏は涼しく、冬は温かい

コットンは麻(リネン)と同じく通気性が高いので、直接肌に触れる下着や夏用のシャツなどに多用されています。夏の汗ばむ時期には、コットンがぐんぐんと汗を吸い取って、熱を発散。体温を下げる働きがあります。

一方、寒い冬は、コットンの繊維の一つひとつに空気が入り込み、熱が放出されにくい状態に。夏は快適に、冬は温かく過ごせるのが、コットンのいいところです。

・静電気が起きにくい

コットンは天然素材です。吸水性が高く、素材自体も乾燥しにくいため、静電気が溜まりにくい特徴があります。

・肌触りがいい

細い繊維の集合体であるコットンは、麻(リネン)などに比べると肌触りがいいため、ガーゼ、ヘアメイク用のコットンシート、布団といった肌に直接触れるものに多用されています。デリケートな赤ちゃんの肌などにも使えるほど、肌触りのやさしい素材です。

・生地に強度がある

微細なコットンの繊維は、同時に強度の高さも兼ね備えています。ゴシゴシと洗っても素材は傷みにくいので、長く愛用することができるでしょう。

コットンのデメリットは?

メリットがたくさんあるコットンですが、一方でデメリットも抱えています。

・シワができる

天然素材ということもあり、シワになりやすいのがデメリットです。曲げ伸ばしなどを行なう肘や膝の部分にコットン素材を使うと、圧がかかって伸び切ってしまったり、着用ジワがついてしまったりすることもあります。

ただし、洗濯後の自然なシワは、コットンのいい素材感として捉えられることもあります。あえてアイロンをかけずに着用する前提でデザインされているファッションも、最近では多いです。

・黄ばみやすい

汗を吸収する力の強いコットンは、繊維の中に汗が入りやすく、黄ばみやすいというデメリットがあります。襟元や袖口、脇の部分など、汗をかきやすい部分は重点的に揉み洗いなどをするといいでしょう。また、コットンは染まりやすい性質があるので、漂白剤に浸ければ黄ばみは落とすことができます。

・水分を含みやすく、乾きにくい

一度大量の水分を含んでしまうと、乾きにくいというデメリットがあります。

麻(リネン)とコットンの掛け合わせ“コットンリネン”

最後に麻(リネン)とコットンをかけ合わせた「コットンリネン」についても触れておきましょう。

・肌にやさしい素材に

麻(リネン)のザラザラ感は、ときに肌に刺激となる場合があります。しかし、肌にやさしいコットンと掛け合わせることで、麻(リネン)の風合いも残しながらやさしい肌触りに。通気性の良さはそのままに、麻(リネン)のゴワゴワ感がない、肌なじみのいい素材です。

・汚れにくく、発色がいい

麻(リネン)には「ペクチン」という汚れを弾く成分が含まれています。そのため、色に染まりにくいデメリットがありました。一方で、コットンは色に染まりやすい素材。この2つを掛け合わせることで、汚れにくいのに発色がいい、まさにいいとこ取りの素材が誕生したのです。

 
同じコットンリネンでも、その混合の割合によって、メリットを最大限に引き出したり、デメリットを最小限に抑えたりすることができます。デザインによって混合の割合も変えていくと、より素材感を活かした機能性の高いファッションを実現できるでしょう。
 

アパレル業界特化型転職・求人サイト
Fashion HRはこちらから

 

Fashion HRはファッション・アパレル業界に特化した求人情報サイトです!

FHR_top

ショップスタッフや店長などの販売職から、PR、MD、VMD、営業、総務/経理、秘書、ロジスティックスなどのバックオフィス職まで、外資系ラグジュアリーブランドから国内有名ブランドまで求人情報を多数掲載中。早速、会員登録をして求人をチェック!

   
無料会員登録する

記事一覧