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アパレル転職アドバイザー新谷昌美が教える「アパレル転職の心得」【前編】

大阪文化服装学院を卒業後、アパレル企業の販売職に就職。メインの仕事に勤めながら休日を使って様々なブランドでポップアップショップの販売スタッフを務めるようになった新谷昌美さん。現在はフリーランスとして独立し、アパレル転職アドバイザーとして転職支援の仕事もされています。二足の草鞋ならぬ何足もの草鞋を履いてアパレル業界を生きる新谷さんにお話を伺いました。前編はご自身のキャリアについてのお話です。

――ファッションの目覚めは?

高校では家庭科学科で被服と保育と料理を学んでいました。3つの科目を学んでいくうちに、ファッションが一番好きだなと思ったんです。在学中に神戸ファッション専門学校が主催する「高校生ファッションデザインコンテスト」で佳作を受賞。自分がデザインした服を実際に縫って作り上げて、神戸で開催されたファッションショーに参加したことで、将来はファッションの道に進みたいと思うようになりました。この頃は手あたり次第コンクールに応募していたので、料理コンクールで賞をいただいたこともありました

――なぜたくさんのコンクールに応募を?

「何かを形に残したい」という想いが強かったんです。良くも悪くも自我がないので、何かしら形にすることで自分が何が好きなのか、その経験を通して何を感じたのかを理解したくて。通っていた高校も色々な資格取得ができる学校だったので、資格をとりながらコンクールに応募して…と、形に残すことにこだわっていたような気がします。

――自己理解を深めるための行動だったんですね。

続かないことは本当に続かないんです、運動とか。だからずっと続けてこられたファッションは本当に好きなんだろうなと。高校卒業後は大阪文化服装学院のファッションビジネス学科に進みました。高校生の頃はファッションといえばデザイン!と思っていたのですが、元々、人と関わる仕事がしたかったこともあり、販売などについて学べる学科へ。「なぜこのアイテムはこの形なんだろう?どんな人に似合うだろう?」と考えたり、似合う人におすすめしたりするのが好きなんです。卒業後はアパレル企業に販売員として就職しました。右も左もわからない中でしたが、小さい会社だったので、気づけば店舗運営の全てに関わる業務を経験。それはもうメキメキと鍛えられましたね(笑)。厳しくも多くのことを学ばせてくれる会社だったのですが、倒産してしまって。

――倒産!そこからどうされたんですか?

あるアパレルブランドが半年という長期間でポップアップをしていたので、そこの販売スタッフとして働くようになりました。場所がラフォーレ原宿だったんですが、なんと同じく出店していた別のブランドのスタッフとして、倒産した一社目の社員が働いていたんです。そこで、「うちで働かないか」と声をかけていただきました。それがアッシュ・ペー・フランス株式会社でした。実は一社目の時も、そのブランドの店舗にたまたま社長がいらっしゃって、就職活動中であることを話したら、「じゃあうちに来たらいいじゃん」と(笑)。人に生かされて生きているって感じですね。

――販売スタッフをしていて大変だったことはありますか?

意外と力仕事が多かったことですね。お店がオープンする1時間前くらいから商品が何十個ものパッキンで届いて、それを検品しながらどんどん捌いていくので、体力勝負です。あとは常に数字を意識しなければならない、というのも実際に販売員として働いてわかったことでした。好きなものを好きなようにすすめるのではなく、お客様の予算を把握したうえで、会社として売りたい商品をどのように売っていくかを考えなければなりません。でも、「思っていたのと違った!」というよりは、「じゃあどうやって適応していこうかな」と切り替えて対応していました。

――フリーランスとして独立したきっかけは?

アッシュ・ペー・フランス株式会社では週5日勤務、週休2日制という働き方をしていたのですが、知り合いからポップアップスタッフを頼まれたのをきっかけに休日を使って副業をするようになりました。そうするうちにポップアップ先で合同出店していたデザイナーさんに「うちでも働いてほしい」とお声をかけていただくことが続いて、フリーランスになって挑戦してみたいと思うように。アッシュ・ペー・フランス株式会社の契約形態を変更してもらい、月の半分をフリーランスとして色々なブランドの販売スタッフをするという働き方にチェンジしました。フリーランスの方のお仕事が増えたタイミングで完全にフリーランスになりました。

――すごいハードワークですね。周囲の理解は得られましたか?

自分のやりたいことが、販売職をやりながらいろいろなブランドさんと関わっていくことだったので、チャレンジしてスキルアップしたいという想いを会社に伝え、応援していただくことができました。一緒に現場で働く同僚については、「助かる!」と言ってもらえることが多かったです。ただ、常駐ではなくヘルプとして短時間勤務になったので、限られた時間の中でどう売り上げを作るかは常に考えていました。たまにしか入らないから、商品知識がゼロの状態で店頭に立たなければならない時もあるんですよ。「この商品はなぜこういうデザインなんだろう、ここはたぶんこうだな」とか、「あのスタッフは今こうしてほしいと思っているだろうから、こうやって動こう」とか、とにかく自分にできることを考え、集中しながら結果を残していく、という感じでした。

――まるでアスリートのよう!体力は大丈夫でしたか?

好きなことを仕事にしているので、極端な話、毎日が休みみたいな感じで…。「働かなきゃいけないのかあ」じゃなくて、「働きたい!」なんですよね。ただ、私は朝がとにかく苦手で。「遅めの出勤なら何連勤でもするので、早番は避けたいです!」と交渉していました(笑)。朝が早いとどうしても「やりたくないこと」になってしまうので、いかにそういう思考にもっていかないか、苦手なことを排除するか。そのために何なら妥協できるのかというバランスが大切ですね。誰かとご飯に行く、旅行に行く、そういう予定がある時は全力で休みを作る。そしてそれ以外は全部仕事をしています。


新谷 昌美 にいや・まさみ

大阪文化服装学院のファッションビジネス学科を卒業後、某アパレル企業に販売職で就職。
会社が倒産し、某アパレルブランドのポップアップのアルバイトスタッフを経験。
その後、アッシュ・ペー・フランス株式会社に就職・販売職を務め、
現在はフリーランスとして様々なブランドの販売スタッフ、ディレクション、展示会運営、SNS運用など幅広く手掛けながら、株式会社フォーピープルで転職アドバイザーとしても活躍している。


TEXT:鷲野恭子(ヴエロ)

PHOTO:大久保啓二

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