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ファッション業界を目指すなら覚えておきたい!スタイリングとコーディネートの違い

アパレル業界の中で混同されがちなコーディネートとスタイリング。両者は共通点がありながらも本質的には異なる仕事で、違いを知っておくことでキャリアチェンジやステップアップにも役立ちます。今回はコーディネートとスタイリングの違いについて、具体例を挙げながら紹介します。

【目次】
コーディネートとは
スタイリングとは
コーディネートの基本ルールって?
スタイリングのポイント
スタイリストの仕事内容

コーディネートとは

コーディネートという言葉には「物事をまとめ、整える」という意味があります。ビジネスの場面では、目標を達成するために部署や立場を越えて必要な人材を集め、調整する仕事となります。コーディネートの仕事は幅広い分野で重要な役割を担い、求人業界では人材コーディネーター、通信業界ではITコーディネーター、飲食業界ではフードコーディネーターなど、それぞれの業務を円滑に行う専門のコーディネーターが活躍しています。

アパレル業界におけるコーディネーターはファッションコーディネーターと呼ばれ、主にブランドを展開する企業に所属しています。ファッションコーディネーターは顧客の要望に沿ってジャケットやパンツ、アクセサリーなどを手配し、バランスよく組み合わせることが主な仕事。働く場所や部門によって少しずつ仕事内容が異なり、企画やマーケティングの部門に所属している場合は、販売戦略として自社商品で販売ラインナップやコーディネートを提案します。百貨店や商業施設に勤める場合は顧客に着こなしの提案やアドバイスを行うなど、販売員に近いことを行います。


スタイリングとは

スタイリングはアパレル・ファッション業界に特化した用語で、コーディネートされたアイテムを使って着る人の魅力を引き立てるような「見せ方」を考える作業となります。つまり、どんなアイテムを着用するかを決めるのがコーディネート、アイテムをどのように着こなすかを考えるのがスタイリングです。

同じファッションでも着る人によって身長や好みに違いがあり、見せ方を工夫することで、その人に合ったスタイリングが完成します。一例として、脚を長く見せたい場合にはパンツの裾をロールアップする、身長の低い人が少しでも背を高く見せるためにトップスをボトムに収めるといったテクニックがあります。


コーディネートの基本ルールって?

コーディネートには基本とされるルールがあり、プロのコーディネーターとして仕事をする上で身に付けておくことが望まれますが、販売員としても知っておくと便利です。ここではいくつかのポイントを紹介します。

3色コーデは7:2:1

コーディネート全体の色数を3種でまとめる「3色コーデ」はおしゃれの基本ともいわれており、見た目の印象を華やかにする効果があります。3色の内容は全体の印象を作るベースカラー、ベースカラーを引き立てるアソートカラー、メリハリを付けるアクセントカラーに分けられ、青と水色などの同系統は1色としてカウントします。それぞれの配分は「ベースカラー7:アソートカラー2:アクセントカラー1」で考えるのが一般的で、定番の2色+アクセントの1色という組み合わせが、もっとも多く使われています。トップス、ボトム、バッグやアクセサリーなどアイテム全体で色分けを考え、組み合わせに悩む場合は小物にアクセントカラーを割り当てると他の2色を導きやすくなります。

TPOへの配慮

TPOへの配慮も重要なルールのひとつです。その場に合った服を着ることは大人としてのマナーであり、これを守れない場合、自分だけでなく周囲の人も非難されるおそれがあります。特に意識したいのが結婚式。白は花嫁が着る色とされているため、平服で良いという案内があっても白、もしくはそれに近いベージュなどを着るのはNGとなります。高級な飲食店での食事もTPOへの配慮が必要な場面です。ドレスコードがない場合でもカジュアルに寄りすぎず、きれいめのコーディネートでほんのり大人らしさを演出するのが良いでしょう。

シルエットは◯◯ライン

シルエットに関する知識も必要とされ、上半身と下半身のボリュームを同程度に抑える「Iライン」、上半身のボリュームを強調する「Vライン」、下半身にボリュームを持たせて女性らしい印象を作る「Aライン」は必須の基礎知識とされています。コーディネートを行う際は組み合わせた後のシルエットにも気を配る必要があります。


スタイリングのポイント

着る人に合った服を選び、組み合わせるコーディネートに対し、スタイリングはどのようにして似合わせるかが重要なポイントです。魅力的な着こなしを演出する方法の中でも、色やシルエットに関するテクニックはスタイリストが身に付けておくべき基本となります。

身体にフィットした服を選ぶ

スタイリングの大前提として意識しておきたいのが、身体に合った服を選ぶこと。明確な意図がなく大きすぎる、もしくは小さすぎる服を着ていると野暮ったい印象が強調されてしまいます。適正なフィット感を打ち出すには、サイズに加え肩幅を合わせることが重要なポイント。ウエストの位置が分かるように見せるのも、すっきりとした印象やおしゃれ感を演出するテクニックです。ワンピースを着た際にベルトを締める、トップスをボトムに収める、ハイウエストのボトムを選ぶといった工夫でウエストのシルエットを示しやすくなります。

配色に気を付ける

コーディネートにおける配色については、前項で3色コーデの考え方や割合を紹介ました。スタイリングにおける配色は、3色コーデの基本をふまえた上で着る人の体型・趣味嗜好などを意識し、個性や魅力を引き立たせます。似合わない色の服を選ぶと肌がくすんで見えることがあり、配色はアイテム選びと同様にスタイリングの要点となってきます。

自分に似合う色が分からない場合はパーソナルカラー診断を行うのもおすすめです。パーソナルカラーとは肌・髪・目・瞳など、その人が生まれ持った色に調和する色で、春・夏・秋・冬の季節ごとに分類されます。パーソナルカラーを知っておくと似合う服を導きやすくなり、見た目の印象が明るく、華やかになるといった効果もあります。


スタイリストの仕事内容

スタイリングを専門とするスタイリストは、テレビや映画、雑誌などのメディアで活躍するものと、百貨店や商業施設でお客様のスタイリングを行うパーソナルスタイリストに分類されます。本項ではメディア向けスタイリストの仕事内容について紹介します。

スタイリストはメディアの担当者と事前打ち合わせを行い、被写体となるモデルやアーティストの情報を収集します。撮影に必要なアイテムはブランドやメーカーの広報担当者とリース交渉をして手配するため、コーディネートも作業に含まれます。

撮影当日は、現場にアイロンや裁縫セットも持ち込み、アイテムをきれいな状態に整えたりサイズ調整を行います。借りたときと同じ状態で返却できるよう、撮影中もシワやホコリ、破損などに気を配って都度メンテナンスを行います。

スタイリストになるには、大学や専門学校でスタイリングを学んだ後、スタイリスト専門の事務所にアシスタントとして所属、もしくは有名スタイリストに弟子入してキャリアを積みます。求人メディアで募集がかかることもありますが、特殊な技能職であるため、人からの紹介で仕事をつなげていくのが定番となっています。

仕事を続けていくには、ファッションセンスはもちろん、トレンドを察知する情報収集能力、どのような要望にも対応できる柔軟性などの資質が求められます。また、現場の進行を円滑にするため、コミュニケーション能力やフットワークの軽さも必要となってきます。スタイリストになるための資格は特にありませんが、パーソナルスタイリスト(R)やパーソナルカラリスト検定、ファッションビジネス能力検定などを習得していると仕事に活かすことができるでしょう。

TEXT:伊東孝晃

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