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バレエシューズにノーボトム・ルックまで…2024年大注目トレンド「バレエコア」に迫る

もともとは韓国のZ世代ガールズの間でブームとなっていた「バレエコア」。有名メゾンのコレクションがきっかけでついに世界的トレンドとなりました。バレエとファッションは古くから繋がりが深く、バレエコアが注目されるずっと以前から密接な関係。今回はバレエコアとは何か、ファッションとどのように関わってきたのか、その取り入れ方までご紹介します。

【目次】
バレエコアとは
ブームを決定づけた2ブランド
ランウェイで注目を集めた「ノーボトム・ルック」
ファッションとバレエの蜜月関係
身近なバレエコアアイテム
大人がバレエコアを取り入れるには?

バレエコアとは

バレエコアはバレリーナの練習着や衣装にインスピレーションを得たスタイルのことで、ノームコアやバービーコアのように、「バレエ」と「コア」を組み合わせた造語。バレエ衣装を思わせるチュールやサテン生地を取り入れたり、レッグウォーマーとバレエシューズを組み合わせた着こなしなど、バレリーナの装いを取り入れるのが特徴です。上品で可憐、可愛さのあるバレエコアですが、韓国でブームになりZ世代に流行したのはガーリーなテイストのバレエコア。しかし2024年にバレエコアはより洗練され、大人をも夢中にさせるトレンドとしてモード界から熱い視線を浴びています。


ブームを決定づけた2ブランド

当初はZ世代女性の間のブームだったバレエコアが世界的トレンドになりつつある背景に、ディオールとシャネルの2大ブランドがあります。それは、ともに2024年1月に開催されたパリでのコレクションでのこと。ディオールはメンズコレクションで、シャネルはオートクチュールコレクションでそれぞれバレエにインスピレーションを受けたルックを発表しました。ディオール メンズのクリエイティブディレクターを務めるキム・ジョーンズの叔父はバレエダンサーであり、シャネルは長年パリ・オペラ座バレエ団の主要な後援者。バレエとの関わりが深いこの両ブランドは、バレエコアのトレンドをよりモードに、かつ洗練されたものへと昇華したのです。これを受け、ティーンから火がついたブームが世界のトップトレンドに躍り出たのは間違いないでしょう。


ランウェイで注目を集めた「ノーボトム・ルック」

昨今ファッション界隈を騒がせているトレンドのひとつに「ノーボトム・ルック」があります。これは文字通りボトムスを履いていないようなスタイリングのことで、セレブやモデルがこぞって挑戦し、その奇抜さで大きな話題を呼んでいます。ノーボトム・ルックの発端はミュウミュウの2022年春夏コレクションですが、このコレクションでバレエにインスパイアされたルックを発表し、レオタードを彷彿とさせるノーボトムな着こなしを提案。ミュウミュウの場合は絢爛豪華なバレエ衣装ではなく、ダンサーたちのレッスンウエアをインスピレーションソースに取り入れていました。


Heorshe – stock.adobe.com

ファッションとバレエの蜜月関係

優雅な動きを際立てる華やかな衣装。ふわふわのチュチュにサテンリボンのついたポワントシューズ。クラシックバレエの舞台に欠かせないのが、世界観を作り上げる衣装です。振り返ればこれまで、ココ・シャネルやカール・ラガーフェルド、クリスチャン・ラクロワにリカルド・ティッシ、クリスチャン・ルブタンまで、錚々たるトップデザイナーがバレエ団のコスチュームを手掛けてきました。欧米には各国を代表する名門バレエ団がありますが、バレエのみならずコスチュームも大きな見どころなのです。


身近なバレエコアアイテム

私たちにとって最も身近なバレエアイテムといえば、バレエシューズではないでしょうか。実はバレエシューズがファッションとして登場したのは1941年で、第二次世界大戦中に遡ります。ファッションエディターのダイアナ・ヴリーランドが戦時中の統制化でも靴購入権なしで買えたバレエシューズに着目し、タウン用にアレンジしたのが最初だそう。バレエシューズが人気の仏ブランドrepetto(レペット)によると、1956年にブリジット・バルドーがローズ・レペットにダンスシューズと同じくらい履き心地がよく、フェミニンなタウンシューズが欲しいとオーダーして誕生したのが伝説的モデルの「サンドリオン」です。バルドーが映画「素直な悪女」でこの靴を着用したことで、世界的にバレエシューズが人気を得ました。バレエシューズ自体はシンプルなものが多いため、1足持っているとコーディネートの幅が広がります。

ところでバレエシューズですが、ダンサーが舞台で履く爪先立ちの靴はトウシューズまたはポワント(先端という意味で、バレエでは爪先で立つことを指します)と呼び、バレエシューズとは別物です。トウシューズには同色のサテンリボンがついていますが、あのリボンは編み上げるのではなく、靴が脱げないよう足首にぐるぐると巻き付けて固定するためもの。最近はバレエコアアイテムとしてトウシューズも人気で、サテンリボンを足首に巻くことでよりガーリーでドレッシーな装いを可能にしてくれます。


大人がバレエコアを取り入れるには?

甘くガーリーな世界観もバレエの持ち味ですが、それはあくまでも舞台の上での話。実際のバレエダンサーたちはレッスン中は動きやすさを重視しつつ、どこかにバレエのエッセンスが漂う着こなしをしています。もし大人が真似するのであれば、舞台よりもレッスンウエアのニュアンスを取り入れるのが成功への鍵。たとえば足首を冷やさないためのレッグウォーマーや、肩周りを冷やさないために着用するショート丈のカシュクールニット。いずれもタイツやレオタードに重ねて着用するもので、ポイントはレイヤードスタイル、そしてサイズ感です。

ダンサーたちは体のシルエットを確認するため、ウォーミングアップ中を除いてはオーバーサイズは着用しません。例えばタイトなハイネックニットにジャスとサイズのカシュクールニットを重ね、髪はバレリーナのようなアップに。そして足元をバレエシューズにすれば、それだけでかなりバレエ風になります。大人の場合、ボトムスはあえてデニムやカーゴパンツで辛口に仕上げ、全体の色をモノトーンに、足元にのみ淡いピンクやブルーなどの甘い色を差し色にしても素敵です。ぜひバレリーナのように背筋と首筋が伸び、指先まで意識が届いた美しい姿勢で、大人のバレエコアスタイルに挑戦してみてください。

TEXT:横田愛子

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