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静電気が起こりやすいコーディネートとは?その仕組みと対策

服を脱ぐ時やドアノブに触れるときなど、日常生活の多くの場面で遭遇する静電気。特に冬場は発生頻度が高まり、ピリッとした痛みを感じたり、衣類がまとわりついたりと、不快な思いをすることも。できることなら発生させずに暮らしたいですよね。今回は、静電気の基礎知識や発生させないためのコツ、さらに静電気の対策として活用したいグッズなども紹介します。

【目次】
静電気はなぜ起こる?
素材のプラスとマイナス
帯電しやすい素材の組み合わせ
静電気が起きたときの対策

静電気はなぜ起こる?

物質がこすれあうと電子の移動が起こり、それぞれが持っているプラスの電気とマイナスの電気のバランスが崩れて偏りが生じます。この状態を帯電といい、物質が触れ合うことで発生する「接触帯電」と、プラスとマイナスの物質同士をこすり合わせることで発生する「摩擦帯電」、重なっていた物質が離れる際に発生する「剥離帯電」の3種類があります。そして、この帯電でたまった電気を静電気といいます。静電気は多くの場合、空気中の水分に放電され、湿気が多い日本では、その存在に気づくこともほとんどありません。しかし、冬の空気が乾燥する水分が少ない時期には体にどんどん静電気がたまり、服を脱ぐときやドアノブなどの金属に触れた際に一気に帯電・放電が起こります。静電気が発生したときのピリッとした痛みの正体は、この放電によって起きるものです。


素材のプラスとマイナス

静電気は素材によってプラスの電気を帯電しやすいもの、マイナスの電気を帯電しやすいものに分かれます。繊維でプラスの電気を帯びやすいのがナイロンやウールで、ポリエステルやアクリルはマイナスの電気が帯電しやすいとされています。綿や麻、絹などの天然素材は吸湿性・吸水性が高く、水分率はポリエステルやナイロンの約3〜17倍にもなります。帯電しにくく、人間の肌と同系統のたんぱく質を含んでいるので着用すると電気を逃がすアースの役割を果たします。


帯電しやすい素材の組み合わせ

静電気は先の項目で述べた通り、プラスとマイナスの電気のバランスが崩れることで発生します。そのため、着る服の素材でもプラスの電気を帯電しやすいものにマイナスの電気を帯電しやすいものを組み合わせると帯電の度合いが強くなります。たとえば冬の時期にウールのアウターとポリウレタンのシャツを組み合わせると乾燥した空気により静電気を多くためこんでしまいます。これにより冬場に服を脱ぐ際、静電気がパチパチと音を鳴らす場面が多く見られます。

こうした状況を避けるには、プラス同士(例:ウールのコート+ナイロンシャツ)、マイナス同士(例:ポリエステルのキルティングジャケット+アクリルのシャツ)など、電気の性質が近い素材でコーディネートを考えるほか、インナーやトップスを帯電しにくい麻・綿・絹などにするといった方法があります。また、レザーも静電気を放電させる素材なのでアウターやバッグなどに使用すると静電気対策となるでしょう。


静電気が起きたときの対策

外出中に困ったとき

静電気は放電時のパチパチという音や軽い痛みのほか、プラスとマイナスの電気が引き合うことで服をまとわりつかせることがあります。せっかく考えたコーディネートが出先で崩れてしまうのは、なんとか避けたいもの。外出中にこのような状況になった時の対策として、スカートの場合は裾を束ねて両手で絞るとたまった静電気を放電させることができます。また、水分は静電気を逃がす役割があるので、濡らしたハンカチやウェットティッシュで衣類の表面を軽くふくだけでも放電の効果が得られます。また、乾燥の季節の必需品であるハンドクリームも出先での静電気対策に役立ちます。ハンドクリームには保湿効果があるため、ハンドクリームを手に塗り、タイツやストッキングを撫でるだけで静電気を抑えることができます(あくまでも一時的な効果。素材によってはしみになる可能性もあるので注意)。

【対策】                                                                    ■ 放電するためにスカートの裾を束ねて両手で絞ったり、近くの壁に触れる                                                              ■ 水気を与えるために濡らしたハンカチなどで衣類の表面をふいたり、ハンドクリームを軽く塗る                                                                                             

事前に予防するには?

日常生活の中にもさまざまな静電気対策があります。静電気は空気が乾いた時期に体のよく動かす部分で多く発生するため、まずは肌を乾燥させないことが重要。普段から脇や関節、首、胸まわりに保湿クリームを塗っておくと帯電が抑えられます。肌の乾燥は細胞の間を埋め、水分を吸着させるセラミドという脂肪や皮脂膜が弱体化と関係しています。お風呂で体を洗う際に肌を強くこすったり熱い湯に浸かりすぎると皮脂膜やセラミドを落としてしまうため、入浴時の行動には気をつけましょう。さらに、睡眠不足や栄養の偏った食事による不摂生も帯電しやすい体質になる要因とされています。普段から睡眠時間や食事の栄養バランスに配慮し、弱アルカリ性の体質を作ることが良さそうです。

また、空気中の水分が多いと静電気が体にたまりにくくなるため、空気が乾燥する時期には部屋に加湿器や水の入ったコップを置いて一定の湿度を保つことも効果的。新しく購入した服やタイツは柔軟剤を入れて一度洗濯をしておくと、素材同士の摩擦が抑えられます。クリーニング店で静電気防止加工をするのもひとつです。

【対策】                                                                    ■ 肌を保湿して乾燥しないように心掛ける                                                              ■ 部屋の乾燥を防ぐため、湿度を管理する                                                            ■ 新しく購入した服やタイツは柔軟剤を入れて洗濯をしたり、クリーニング店で静電気防止加工をする                                                                                             

静電気を防ぐアイテムも

静電気対策として持っておきたいのがお手軽に活用できるアイテムの数々。まず、もっとも使いやすいのがドラッグストアで販売されている静電気防止用のスプレーです。また、アクセサリー感覚で使えるのが静電気を除去するブレスレット。ステンレスの糸を編み込んでいることにより帯電した肌と繊維が触れた際に静電気を放電させる働きがあり、重ねて付けることでより効果が高まります。繊維に静電気防止の加工が施されている衣類もあり、近年では制電効果のある糸を使用したペチコートやスカートが販売されています。

【静電気予防アイテム】                                                                    ■ 静電気防止用のスプレー                                                              ■ 静電気除去ブレスレット、ヘアゴム、吸盤シート                                                            ■ 制電効果のあるペチコートやタイツ、スカート                                                                                             

TEXT:伊東孝晃

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