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冬のコーディネートの鍵は「タイツ」!? おすすめのコーディネートも紹介

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足元を飾るアイテムとして欠かせないタイツ。その歴史は非常に長く、原型となるショースと呼ばれる衣服が発展し、男性専用だったものがやがて女性のファッションにも取り入れられるなど、紆余曲折を経て現在の形に至っています。今回は、タイツの誕生の経緯からコーディネートに応用したいテクニックまで、さまざまな知識や情報を紹介します。

【目次】
タイツの歴史
タイツとストッキングの違い
デニール数によって変わる見え方
おしゃれに見えるタイツの選び方

タイツの歴史

ルネッサンス期に大流行

タイツは、中世ヨーロッパで使用されていた、男性が乗馬や運動のために使うショース(ホーズ)という股引状の衣服がルネッサンス期に進化したものと考えられています。それまでヨーロッパでは、ゆとりのあるチュニックを下衣として併用していましたが、ルネッサンスでは古代ギリシャ・ローマにならった自然な肉体賛美が叫ばれ、体型を包み隠さず見せる衣服が求められるようになります。こうして現代に見られるタイツの原型が誕生しますが、当時は伸縮性のある素材がなかったため絹や羊毛を用い、毛織物で作られていました。また、下半身全体を覆うタイツは体型に合わせて織り上げる必要があるため、着用できたのは貴族や王族、富豪に限られていました。この時期、上流階級の間では足のラインを美しく見せるため、ふくらはぎに詰め物をすることが流行だったという記録も残されています。下層階級の人々が着用するものは粗末な素材で作られ、左右が縫い合わせられていないものが大半でした。

ズッパレッリとブラゲッタ

ルネッサンス期のタイツは、先の項目で述べたように左右の縫い合わせが行われていないセパレート状のものが大半でした。そのため、タイツを上着やシャツと結ぶための紐が必要で、この紐のことをズッパレッリと呼びます。ズッパレッリは先端に鉛が付いており、左右で5本ずつ付けるのがマナーとされていますが、時代とともに装飾の要素が強まり、次第に先端の鉛の高級化や多くのズッパレッリを垂らすことがブームとなっていきました。

股間部分の露出を防ぐために用いられたのがブラゲッタと呼ばれる布で、もともとは農民が作業中に股間部分を守るために考案されたといわれています。ブラゲッタには小物入れなどの用途もありましたが、こちらも貴族によって装飾性が加味されていき、高価な生地や宝石を用いたものが見られるようになりました。

男性のタイツ

現在では性別に関係なく使用されているタイツですが、ショースの誕生やルネサンス期の流行以来、長らく男性専用の着衣として用いられていました。当時の絵画でもタイツを着用した男性の姿が多く描かれています。15世紀頃には股上の部分をまち布で結合する技術が確立され、現代のようなタイツの形状が容易に作られるように。伸縮性のあるメリヤス生地の登場もあいまって、芸人や俳優の衣裳に用いられるなど、幅広い層に普及していきました。女性のファッションアイテムとして取り入れられるようになったのは19世紀以降、丈の短いスカートが登場してからのことになります。


タイツとストッキングの違い

タイツと同義語のように捉えられるのがストッキング。しかし、両者の間には大きな違いがあります。違いを分ける基準は生地の厚さで、一般的には防寒や保温を主な目的とした25デニール以上のものを「タイツ」、25デニール以下のものを「ストッキング」と呼んでいます。ストッキングは、肌を透けさせ、足をきれいに見せるための役割が重要視されています。また、編み機の針の数によって分けるという判断基準もあり、統一的なルールは明確には決められていません。


デニール数によって変わる見え方

タイツ選びの基準となるデニールは繊維の太さを示す単位で、長さ9,000メートルで重量1グラムとなる糸を「1デニール」とします。デニールの数値が上がると、その分、糸が重く太くなるため、タイツの造りも厚手になっていきます。

20〜30デニール

透け感があり、メーカーによってはストッキングに分類され、防寒には向いていません。素肌が透けて見えるので重苦しくなく、軽やかな印象で履くことができます。

40〜60デニール

適度な透け感に防寒性も加わり、機能性と美脚効果の両方を求めて使用される傾向が多く見られます。最も人気のあるデニール数です。

80デニール

透け感がなくなってマットな質感が強調され、生地が厚くなることで丈夫さも担保。カジュアルでもシックでも使い勝手の良いアイテムとなります。重たい印象になるため、寒さが本格的になる秋終盤に活躍します。

110〜160デニール

防寒性に重点が置かれ、脚のくびれやシルエットはあまり強調されません。感覚的にはレギンスに近く、冬に外で履くのに適しています。


おしゃれに見えるタイツの選び方

黒以外のベーシックカラーを取り入れる

コーディネートにおいても便利なタイツですが、手軽さゆえに色選びや靴との組み合わせを間違えると全体のバランスがチグハグになってしまいます。黒で統一するオールブラックは全体をまとめやすい基本のスタイルで、スタイリッシュな印象に仕上げることができます。ですがその反面、重々しい印象を与えるリスクも。例えば、タイツは黒ではなくグレーやネイビーなど、少し明るさを持った同系色を合わせることで、ほどよい抜け感を演出できます。

ボトムの色から拾う

カラータイツを着用することで個性的なコーディネートを完成させることも可能です。しかし、かけ離れた色のタイツを着用すると脚だけが浮いて見えるおそれも。この場合、ボトムに用いられている色や柄と合わせたカラータイツを選ぶとバランスを崩すことなく足元を飾ることができます。

ボトムと反対色

ボトムとタイツの色を対照的にしてコントラストを生み出す場合にも一定のルールがあります。もっとも手軽なのは、トップスの色とタイツの色を合わせること。色味のアクセントを加えながらバランスを保つことができるので取り入れやすいテクニックといえるでしょう。次に意識したいのが色の相性。ボトムがベージュ・ブラウン系の場合、タイツはアイシーブルーやスモーキーパープルなど、ニュアンスカラーが好相性とされています。ブラック系のボトムにはダークバイオレットやミッドナイトブルーなど、主張の強い色がハマります。グレー系にはダークグレーやチャコールグレーなど、同じグレーをベースにしたタイツを合わせることがおすすめです。

TEXT:伊東孝晃

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