オールシーズンのマストアイテムといっても過言ではないジャケットは、さまざまなシチュエーションに対応するため複数持っておきたいもの。長い歴史を持つだけに、そのバリエーションは幅広く、それぞれの用途や特徴を知っておくと、よりコーディネートが楽しくなります。本記事では定番からトレンドまで、意外と知らないジャケットの種類と豆知識を紹介します。
【目次】
・ジャケットとは
・ライダースやウインドブレーカーもジャケットの一種
・豊富なジャケットの種類
・トレンドのジャケット
ジャケットとは
ジャケットは、そもそも「上着」のことですが、主にフォーマルシーンで用いられるアウターを指す言葉として使われます。上下セットで販売されているものをスーツ、単体で販売されているものをジャケットと区別することも。ちなみにジャケットの語源は、13~15世紀に着られた「ジャック」といわれる兵士の胴衣を小ぶりにしたモノを意味するフランス語の「ジャケット」だと言われています。
ライダースやウインドブレーカーもジャケットの一種
一見フォーマルには見えないライダースジャケットやウインドブレーカーなどもジャケットの一種。ライダースジャケットは、コーディネートにワイルドなテイストを加えるには最適のアイテム。防寒性がそこまで高くないので、冬は中にトレーナーなどを着込み、春や秋はTシャツなどの上に羽織るのがおすすめです。ウインドブレーカーはスポーツやアウトドアを主な用途としていますが、近年はデザイン性に優れた商品が多く見られます。機能性に優れ、防寒の他、撥水加工を施したものも販売されています。
豊富なジャケットの種類
▶テーラードジャケット
スタイリッシュな装いを手軽に演出できるテーラードジャケットは、もともとモーニングコートの裾を切り落として作られたもの。スーツジャケットとは異なり単体での着用が基本とされています。フォーマルな印象ですがカジュアルな場面でも対応OKなため、普段着としても万能。種類はシングル、またはダブルが定番です。すっきりまとめるならシングル、少しドレスアップするならダブルという使い分けがおすすめです。
▶ペプラムジャケット
古代ギリシャで女性たちが着用していたペプロスを現代的にアレンジしたペプラムデザインをジャケットに応用。ウエストを絞り、裾に向けて広がるフレアは、ひだ状の装飾でヒップラインを覆うことでシルエットを魅力的に演出します。1940〜50年代にも流行し、レトロテイストを取り入れたいときに役立つアイテムです。バスクジャケットという呼び名もあります。
▶ノーカラージャケット
ノーカラーという名の通り、襟が付いていないことが特徴。シルエットが固くなりすぎず、それでいてフォーマルにも対応できる使い勝手の良さが魅力です。ビジネスシーンでの用途が主となりますが、二次会などカジュアルなパーティーの場にも適しています。巻きスカートやスラックスなど、さまざまなアイテムと好相性で、多様なコーディネートを楽しむことができます。
▶ジャコット
ジャコットはジャケット+コートの造語。ジャケットのシルエットにコートの防寒性も持ち合わせています。2015年の秋冬に大流行して以降、定番アイテムのひとつとなっています。丈はショート〜膝ぐらいの長さまでバリエーションがあり、季節の変わり目など温度調整が難しい時期に重宝します。フォーマルのエッセンスを少し取り入れたい時に最適です。
▶ブレザー
ジャケットの一種で、スポーティーなデザインや金属製のボタンをあしらっているのが特徴。イギリス海軍で軍艦・ブレザー号の乗組員が着用していたことが語源といわれています。航空会社や学校の制服などによく用いられていますが、アメリカントラッドやアイビーなどのコーディネートとも相性が抜群です。生地は主にツイード、フラノ、コーデュロイなどで仕立てられます。
トレンドのジャケット
▶ツイードジャケット
羊毛を使用したスコットランドの伝統的なジャケット。もともと労働者の作業着や普段着でしたが、上流階級の紳士たちがその機能性に着目し、18世紀中頃にはハンティングや乗馬にも使用されるようになりました。柔らかなフォルムが特徴で、カジュアルなアイテムと合わせるとクラシカルな要素がアクセントとなります。保温性に優れているので冬場のアウターにも最適。
▶グレージャケット
グレーはブラックやネイビーに比べると色味が薄いため、どんなコーディネートにも合わせやすいとされています。流行に左右されない定番色でもあるため、グレージャケットは一着は持っておきたいアイテムといえます。ワンピースやシャツとの組み合わせでビジネスシーンに、フードやデニムと合わせてカジュアルにと、さまざまなシチュエーションに溶け込む汎用性の高さが魅力です。近年では、あえて大きめのサイズを選ぶのがトレンドとされています。
▶ビッグショルダージャケット
80sテイストを想起させるビッグショルダージャケットですが、近年ではインナーやボトムとの組み合わせに幅を持たせることで、最新型のコーディネートを次々と打ち出しています。ジャケット自体がマニッシュな印象を作りやすいので、女性らしさを演出するならキャミソールやタイトスカート、高いヒールのブーツなどでコントラストを強調するのがおすすめです。
▶チェック柄ジャケット
トラッドテイストで大人らしさを演出してくれるチェック柄ジャケットは、秋冬には欠かせないアイテム。ジャケットの存在感が強いので、どのようなアイテムも包括的に受け止められるのが魅力。ボトムと柄を合わせたセットアップ、ロング丈ワンピースやIラインスカートとのエレガントな組み合わせ、メンズの要素を取り入れたボクシーなファルムなど、幅広いコーディネートが楽しめます。
TEXT:伊東孝晃