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平成もついに「レトロ」の仲間入り!昭和レトロと平成レトロの違い

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ここ数年、20代の若者層を中心にブームとなっているのが「レトロ」。「昭和レトロ」という言葉がもてはやされ、どこかノスタルジックな当時の服や雑貨、喫茶店などが注目を浴びています。しかし昨今、ファッションにおいて話題になっているのは「平成レトロ」。世代によっては、もはや平成までがレトロで括られる時代なのかと衝撃を受けますが外せないキーワードです。思えば2000年代ファッショントレンドが再燃した「Y2K」はじめ、若い世代のレトロ好きは加速する一方。そのブームの背景と、時代によるレトロの違いについて解説します。

【目次】
世代で異なるノスタルジーの感覚
レトロブームの背景にある要因
昭和レトロ
平成レトロ

世代で異なるノスタルジーの感覚

レトロとは懐古趣味のことで、古さやノスタルジーを感じさせるものに対し好意的に使われる言葉。今のようにレトロがブームになる以前も、古いものを取り入れるスタイルは存在し、その代表格が古着です。ヴィンテージデニムなどを除き、いわゆる祖父母世代が着ていたような古着を好んで選ぶファッション好きは一定数いて、古着屋が軒を連ねるエリアに行けばそんな人たちをたくさん見ることができます。では現代のレトロはどうかというと、過去のレトロと大きく異なるのは「時代の古さ」。以前のレトロが祖父母世代以前、つまり2世代からそれ以上前のファッションを愛好していたのに対し、昨今のレトロは父母世代のトレンドに注目しています。例えば「Y2K」も現在10代から20代前半の層の親世代が若い頃に流行ったスタイルで、若い子にとっては新鮮でも親世代にとってはそんなに古い気がしないはずです。

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レトロブームの背景にある要因

「Y2K」ブームのきっかけはハイブランドがコレクションで2000年代風のスタイルをローンチしたことだと言われていますが、実際にそのトレンドを取り入れている若い世代が直接影響を受けたのは、欧米のヤングセレブの装いやK-POPグループの衣装から。時を同じくしてシティポップや懐かしのキャラクター、純喫茶のメニューなども人気を呼び、SNSにはこういったレトロなあれこれを「映える」ものや場所として盛んにアップするのが流行りました。今の時代には珍しいポップかつファンシーな色使いや、アナログタッチなデザインに惹かれたのも一因でしょう。これに加え、フリマアプリの普及で状態の良い古着を家にいながら格安で購入でき、昔のように何店舗も古着屋を巡って自分に似合う一着を探す手間は不要に。現在のレトロブームは親世代のトレンドだと書きましたが、フリマアプリには当時のトレンドを実体験した世代が多数その頃の服を出品しています。さらに、今はファストファッションブランドが多く、トレンドを反映させた服がすぐ店頭に並びます。そんな時代背景もこのブームを後押ししているのではないでしょうか。


昭和レトロ

1926年から1989年まで63年間続いた昭和は、日本が大きく変わる転換期でした。洋装文化の普及や高度経済成長を背景に活気付く日本はファッションにおいても大きな変革期を迎え、昭和初期にはモダンボーイやモダンガールと呼ばれたハイカラな若者がトレンドをリード。現代の昭和レトロは主に昭和中期から高度経済成長期までのノスタルジックなテイストを指しますが、ミニスカートやプリントワンピースなど、例えるならばバービー人形が着ていたようなお洋服が中心でした。

「昭和レトロ」コーディネートの特徴

モデルのツイッギーがミニスカートを流行らせ、70年代には花柄シャツにブーツカットデニムのようなヒッピーファッションが人気に。同時にKENZOやイッセイ・ミヤケといった後に海外で活躍するデザイナーが多数誕生しました。また、この時代に日本に入ってきたのがアメリカのサブカルチャー文化。トラッドなスタイルを日本的に味付けした横浜発祥の「ニュートラ」がブームになりました。

キーアイテム

昭和レトロを代表するアイテムは多数ありますが、いくつか絞るのであればプリントワンピースやミニスカート。サイズはジャストフィットで、今のようなオーバーサイズではありません。ミニスカートにロングブーツを合わせるのも流行りましたが、これは現代のトレンドともリンクしていますね。この時代のものは縫製も良く、当時のモダンさを残しながらも現代にとてもマッチする服が多いのもポイントです。


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平成レトロ

平成は1989年から2019年の4月30日まで。昭和に比べると30年と短いものの、平成は多くの変化がありました。バブル景気とバブル崩壊、アメリカの同時多発テロ、阪神淡路大震災など、昭和の頃は上り調子だった日本経済が大きく転換したのも平成です。ファッションのブームではバブルファッションを経て渋カジが爆発的に流行し、その後スーパーモデルブームが起きた後にギャルブームへと移行。平成初期はアニエスb.やラルフローレンが流行り、その後平成12年以降、浜崎あゆみの登場でギャルブームが本格的に到来します。この頃若者の聖地となったのは渋谷109。そこで働くスタッフがカリスマ店員としてメディアに取り上げられることも多く、ファッションのロールモデルとなる憧れの存在も、スーパーモデルから実際に会える人に変化していきます。読者モデルが人気となったのも平成の大きな特徴と言えるでしょう。

「平成レトロ」コーディネートの特徴

今でいう「平成レトロ」は、そのまま「Y2K」と定義しても良さそうです。ルーズソックスや原色のポップなアイテム、ヘソ出しルックやロゴプリントなどは平成ギャルがこぞって愛用したものばかり。ただ少し異なるのは、やはりサイズ感でしょうか。かつてのギャルがボディラインを強調するアイテムを上下共に身につけていたのに対し、現代はオーバーサイズ&タイトなコーデが主流。そこにストリート感もプラスしてブラッシュアップされたのが「Y2K」なので、実のところ当時のアイテムをそのまま着回せるかというと少し難しいかもしれません。サイズ感などに微妙な時代差があるため。平成レトロを楽しみたいなら、アクセや小物で当時のものを取り入れ、洋服自体は今のものから選ぶのが失敗しない方法です。

キーアイテム

平成レトロを語る上で外せないのが、海外セレブのオフショットです。ブリトニー・スピアーズやクリスティーナ・アギレラたちディーバをはじめ、パリス・ヒルトンやニコール・リッチーといったパーティーガールの装いは当時雑誌で多数特集され、ベロア素材のタイトなジャージセットアップが人気を呼んだりもしました。今このファッションを取り入れるならグランジスタイルの要素をプラスし、そこに原色を加えること。ピンクやイエローといったネオンカラーをはじめ、アイキャッチで目を惹く色使いが欠かせません。厚底ブーツにローライズのデニムなど、当時を象徴するアイテムを1点取り入れてみてはいかがでしょう。

TEXT:横田愛子

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