アパレル・ファッション業界の求人・転職ならFashion HR

記事一覧

実は長いレインブーツの歴史!今っぽいレインブーツの選び方もご紹介

梅雨時期のコーディネートで頭を悩ませるのが靴選び。水濡れに弱いレザーやキャンバス素材はNG、かといって足そのものが濡れるサンダルも不快なもの。そんな時のために、一足は常備しておきたいのがレインブーツです。レインブーツといえば野外の音楽フェスを連想する人も多いかと思いますが、それもそのはず。昨今レインブーツが定番化したのはセレブのフェスルックがあったからこそ。そのせいもあってか、今やセルジオ ロッシやボッテガ・ヴェネタ、メゾン マルジェラなど、錚々たるブランドが新作レインブーツをローンチしています。そこで今回はレインブーツの歴史とともに、人気レインブーツブランドや自分に合った選び方をご紹介します。

【目次】
起源は19世紀の英国人
日本でのレインブーツの始まりは?
昨今のブームの火付け役
ポイントは大きく3つ!レインブーツの選び方
レインブーツの代表的なブランド
日本のブランドにも注目

起源は19世紀の英国人

レインブーツが誕生したのは19世紀初頭のイギリス。騎兵隊が脛を負傷から守る乗馬ブーツが始まりで、それを依頼したのが初代ウェリントン公爵であるアーサー・ウェルズリーという人物でした。そのためイギリスでは今もレインブーツのことをウェリントンブーツと呼んでいます。当初は革製で主に軍靴として世に出たもののいつしか紳士の間で人気が出始め、その後技術が進歩し、より防水性の高いゴム製へと素材が変化。なお、現代のイギリスでウェリントンブーツを愛用しているのは貴族やアッパークラスの人が多いと言われており、それには競馬やハンティング、フライフィッシングといったアウトドアアクティビティーを楽しむ上流階級が多いことに由来しているそう。


日本でのレインブーツの始まりは?

子供の頃に履いた黄色や赤のレインブーツ。もしくは魚河岸や市場で働く人の足元をサポートするゴム長靴。日本で長靴と聞くとそんなイメージがありますが、これも至極当然のこと。国産の長靴は築地(現在は豊洲に移転)の履物店「伊藤ウロコ」から始まったのです。創業は江戸末期。その頃は下駄が主流だったものの、明治時代に入りアメリカでゴムの加硫法が発見されたと知った二代目店主が長靴の開発に取り掛かりました。そして大正時代になって完成したのが黒いゴム長靴。これは現在でも「白底付大長(半長)」として販売されている長靴の第一号で、2017年にはグッドデザイン・ロングライフデザイン賞も受賞しています。しかしこれはあくまでも働く人のための長靴であり、ファッションアイテムとしてのレインブーツが生まれたのは昭和29年以降。当時アメリカの百貨店が発行したカタログに掲載されていた女性用ゴム長靴をヒントに、国内のゴムメーカーがロングブーツスタイルの長靴を発売するようになりました。


昨今のブームの火付け役

毎年開催されるイギリス最大級のロックフェス、グラストンベリーフェスティバル。ここを訪れるケイト・モスやシエナ・ミラーといった英国セレブたちの足元を見れば、皆一様にHUNTERのレインブーツという時代がありました。実はこのフェス、毎年雨に見舞われ足場がぬかるむことでも有名。そのおかげでレインブーツブームが拡大し、今や日本でもフジロックフェスなどの屋外フェスではレインブーツが定番となりました。やはりいつの時代も、ブームの影にはファッションリーダーの存在があるといえるでしょう。


ポイントは大きく3つ!レインブーツの選び方

レインブーツを選ぶ際に注意すべきポイントは3つ。まずは丈。ロングにミドル、ショートの3丈が定番ですが、好みはもちろんのこと、どんなシーンで履くかにより使い分けるべき。例えば定番のロングはカジュアルな印象になるため、スーツなどオンタイムの装いには不向きです。通勤で使うのなら一見するとレインシューズに見えないショート丈が最も合わせやすく、収納時も嵩張りにくいのが利点。一方で大雨やアウトドアには、ふくらはぎまでをしっかりと覆うロングタイプが適しています。ちなみに海外ブランドのロングブーツは身長の低い人にとっては長すぎる場合もあるので、購入時は必ず試着を。次に素材。最近はラバー以外にも合成皮革やPVCがあり、これらはデザイン性が高いのが魅力。しかし耐久性や滑りやすさ、防水性はラバーほどないため、どの程度の機能を求めるかで素材を選ぶのが良さそう。そして最後はサイズですが、レインブーツは防水性と素材ゆえに蒸れやすいです。そのため汗を吸う綿素材のソックスなどを履くのが定番なので、ワンサイズ大きめのものを選び、着脱がしやすいサイズを選びましょう。


レインブーツの代表的なブランド

レインブーツを発表しているブランドの中でも、歴史と知名度、そして圧倒的人気を誇る3大ブランドが存在します。その3ブランドを詳しく見ていきましょう。

AIGLE(エーグル)

1853年にフランス・ロワール地方で誕生し、創業当時からハンドメイドで作り続けている天然ゴム製のラバーブーツが有名。アイコニックなモデルである「シャンタベル」は特に女性に人気で、シルエットの美しさはさすがフランスブランド。2022年からはパリを拠点にファッションや出版などを手掛けるEtudesをアーティスティックディレクターに迎え、ブランド初のフルコレクションを展開しています。

HUNTER(ハンター)

1856年にスコットランドで生まれたゴム製ブーツブランド。フェスでセレブがこぞって着用したことから一気に世界的に人気とりましたが、以前から英国王室御用達として知られる存在。「オリジナルトールブーツ」は1956年の発売以来変わらないデザインと機能を誇り、男性の愛用者も多数。2014年にはハンタージャパン株式会社が設立され、2016年には世界でも2店舗目となる旗艦店を東急プラザ銀座にオープン。

Barbour(バブアー)

1894年にイングランド北東部のサウスシールズにオープンした衣料品店が始まり。AIGLEやHUNTERがラバーブーツからスタートしたのとは異なり、Barbourは漁師や漁港で働く人のためのオイルドクロスジャケットが原点です。その後狩猟や乗馬などのアクティビティにも重用されるようになり、アウトドアライフスタイルブランドとして英国王室御用達となりました。こちらのレインブーツ「ビード」はグリップ力の高い靴底で滑りにくく、ライニングにはタータンチェック柄があしらわれているのが特徴です。


日本のブランドにも注目

欧州のアウトドアブランドが優勢のレインブーツですが、実は国産ブランドも負けてはいません。高い機能やデザインで支持を集める日本発のブランドがこちらです。

MOONSTAR

ゴム産業で栄えた福岡の久留米発、1873年創業の誰もが知るブランド。キャンバススニーカーが有名ながらも、子供靴から介護シューズまでの幅広い靴を手がける老舗です。中でも昨今ファッションにこだわりを持つ人の間で注目されているのが、「810s」というプロダクトラインのレインブーツ「マルケ」。ロングではなくタウンユースに適したミッドカットとシンプルなモノトーンで、デイリーコーデに気軽に取り入れやすいデザインです。

DAIICHI Rubber

1935年に北海道の小樽市で創業し、雪深い北国の足元を支え続けてきた長靴とレインブーツの名門。アウトドアから作業用、防寒タイプなどの多彩なラバーブーツを発売していますが、完売サイズが出るほど人気を博しているのが「ラカ」と名付けられたモデルです。国内では唯一、直接加硫のヴァルカナイズ製法を用いているため非常に高い耐久性を持ち、シンプルかつ上品なデザインが持ち味。有名セレクトショップとのコラボなど、ファッション界からも熱い視線が注がれています。

TEXT:横田愛子

Fashion HRはファッション・アパレル業界に特化した求人情報サイトです!

FHR_top

ショップスタッフや店長などの販売職から、PR、MD、VMD、営業、総務/経理、秘書、ロジスティックスなどのバックオフィス職まで、外資系ラグジュアリーブランドから国内有名ブランドまで求人情報を多数掲載中。早速、会員登録をして求人をチェック!

   
無料会員登録する

記事一覧