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バッグの種類とシーン別の選び方 vol.1

バッグを持つこと、それは女性の装いにとって靴を履くのと同様に欠かせないもの。時にはコーデのアクセントとなり、また主役ともなり得る存在です。さらに流行のバッグを「It Bag」と表現するよう、バッグはその時々のトレンドを映す鏡でもあり、シーズンごとにスタイルやサイズが大幅に入れ替わる流行の象徴的存在。今やバッグを発売していないブランドは皆無と言って良いほど大手メゾンはバッグを手がけていますが、そもそもバッグにはどれだけの種類があり、どういった歴史を経て現在に繋がっているのでしょうか。そんなバッグについて、全2回にわたって詳しく紹介していきます。

【目次】
バッグの歴史
日本におけるバッグの普及
時代を彩ったバッグたち
こんなにある!バッグの種類

バッグの歴史

バッグを最初に持ち始めたのは、いつ頃だと思いますか?実はなんと紀元前9世紀頃の古代アッシリアにまで遡ります。古代アッシリアとは、現在のイラクに位置するメソポタミア北部地域。この時代の有翼神像が現在のハンドバッグと非常に良く似たものを持っており、歴史的にはそれがバッグの始まりだと言われています。

その後、中世に入るとお金を入れて腰に吊り下げる紐付きのポシェットが登場しましたが、これはまだ洋服にポケットが付いていなかったため。ルネッサンス期に入ると男性の服にポケットが付属するようになり、バッグを持ち歩くのは女性が中心となりました。ただしこの時点ではまだポケットがわりの袋感覚だったバッグですが、フランス革命後、それまでの装飾的な装いからシンプルな服装へと移行したと同時にポケットを排した服が増え、バッグが定着。19世紀には装飾品としての役割も持つ婦人用バッグが登場しました。なお、この頃のヨーロッパ貴族たちは旅行をする際の旅行用カバンにもこだわり、当時、旅行用カバンブランドとして創業したのがルイ・ヴィトンです。


日本におけるバッグの普及

海外ではルネッサンス期に花開いたバッグ文化ですが、日本にバッグが登場したのは幕末から明治維新頃だとされています。鎖国を解き開国したと同時に海外からさまざまな品が入ってきましたが、その中にバッグもありました。もちろんそれ以前にも財物を入れる袋は使われていましたが、今で言うバッグが普及したのは洋装が盛んになった大正12年以降のこと。女性の社会進出と同時に広く普及し、装飾的な実用品の地位を確立していきます。


時代を彩ったバッグたち

トレンドを象徴する存在=バッグだと冒頭で書きましたが、事実その時代ごとに群を抜いて流行ったバッグがあります。ハイブランドからカジュアルブランドまでと世代によって流行はさまざまですが、例えば90年代ならプラダのナイロンリュックやルイ・ヴィトンのモノグラム。ヴィトンは今なお大人気ですが、90年代は巾着型の「ノエ」が人気で、その後「ネヴァーフル」などに流行が移行。同様にシャネルのチェーンバッグも定番ながら、2010年代には「ボーイ シャネル」が登場と同時に爆発的人気を獲得しました。他にもフェンディの「バゲット」やダイアナ妃が愛したディオールの「レディ ディオール」、ジバンシーの「ナイチンゲール」など、ハイブランドには必ずと言っていいほど一斉を風靡したバッグがあります。同じくストリートでも吉田カバンのポーターやセイルクロス素材のJIB、レスポートサックなどが人気に。多くはその時々のセレブやファッションアイコンが愛用していたことで人気に火がつき、同じバッグを買い求める人が多かったため時代の象徴的バッグとなりました。これらのバッグは今もリモデルしながらそのブランドのアイコンバッグとなり、シーズンごとに装いを新たに登場し続けています。


こんなにある!バッグの種類

バッグとひと口に言っても、サイズも形も多種多様。近年はスマホ決済の普及もあってお財布が入らないくらいのミニサイズバッグが人気ですが、バッグには代表的なものだけでこんなにもたくさんの種類があります。主なバッグを簡単に説明していきましょう。

クラッチバッグ

握る・つかむ、と言う意味のクラッチを名前に冠した、ハンドルや肩紐がついておらず手で抱えるタイプのバッグ。以前はパーティーなどのフォーマルなシーンで女性が愛用する装飾的なものが中心でしたが、近年はサイズも多様化し男性の間でも定番に。

ハンドバッグ

ハンドル(手提げ)が付いたバッグのことですが、ハンドバッグの場合は主に化粧品やお財布、ハンカチといった身の回りの品が入るサイズの女性用バッグのこと。大きなものはトートバッグなどと別の名称に区別されるので、一般的にはコンパクトなサイズのものを指します。

ショルダーバッグ

肩から下げるショルダーストラップが付いたバッグで、人気のメッセンジャーバッグなどもこれに含まれます。ショルダーは斜め掛けできる長さや長さ調節ができるものが多く、サイズはさまざま。ビジネスバッグの多くはハンドル以外にショルダーが付属しているタイプが主流に。

ブリーフケース

通常はビジネスバッグのことをブリーフケースと呼び、主に書類を持ち歩くためのカバンのこと。A4サイズ以上の薄い角形で、素材もナイロンからレザーと多彩。男性のビジネススタイルには必須のアイテムでもあり、レザーやアルミニウム素材のものを指してアタッシュ(アタッシェ)ケースと呼ぶことも。

ボストンバッグ

樽のような形状をした手提げバッグのことで、短い日数の旅行に対応できる程度の荷物が入るバッグのこと。元々はアメリカのボストン大学の学生が使っていたバッグを指すものの、ボストンバッグそのものは日本独自の名称。なお、同様のバッグを欧米ではクラブバッグと呼びます。

ボディバッグ

ショルダーバッグが肩から掛けるのに対し、同様に肩から斜め掛けするものの体にフィットするように設計された小さめのバッグ。スポーティーなデザインのものが多く、アウトドアやランニングといったアクティブなシーンで愛用する人も多数。

トートバッグ

運ぶ、と言う意味のトートの名がつけられた、その名も物を運ぶためのバッグ。主に帆布など丈夫な布製で開口部が大きく、肩にも掛けられる長さのハンドルがついたものが主流。元々はアメリカのアウトドアブランドL.L.Beanが氷を運ぶためのバッグとして開発し、今なお同ブランドの人気商品です。

エコバッグ

買い物をする際に購入品を入れるために持ち歩くバッグで、形状はトートバッグとほぼ同様。コンパクトに折り畳んで持ち歩くことが中心ゆえに、素材は薄手の布製かナイロン素材がメイン。近年はレジ袋が有料化したこともあって持ち歩く人が増えたことから、多くのファッションブランドがエコバッグを発売するように。

ミニバッグ

必要最低限のものだけが入る小さなサイズのバッグのことで、女性の間で近年大流行に。素材もデザインも多彩で、クラッチからハンドバッグ、ショルダーとさまざまなタイプがあります。ミニバッグよりも小さなものをマイクロバッグと呼び、こちらはバッグというよりもアクセサリー感覚で使う人が多数。

お財布ポシェット

その名の通りバッグと財布が一体化したバッグで、多くは長財布に肩から掛けられるショルダーストラップが付いたようなデザイン。必要なものをコンパクトに持ち歩け、すぐにカードやお金を取り出せる便利さが人気です。同様にスマホやカード類が入るタイプのスマホショルダーも数多く発売されています。

ヴァニティバッグ(ケース)

バニティと略して呼ばれることも多く、化粧品などを入れるためのハンドル付きポーチのこと。シャネルやルイ・ヴィトンといったハイブランドでもラインナップしており、過去にはヴァニティケースをバッグとして持ち歩くのが流行りました。そして近年再びヴァニティバッグ(ケース)が注目されており、その背景にはミニバッグの流行があります。

今回紹介したもの以外にも、背中に背負うリュック(バックパック)やトランク(旅行用スーツケース)など、バッグはその形状やサイズも多種多様。バッグはライフスタイルはもちろん、オケージョンに合わせて選ぶ必要がある装いの一部。だからこそこれだけの種類があるのですね。次回はシーン別のバッグ選びなどを紹介します。

TEXT:横田愛子

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