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ポイントは“AとI” オシャレ度がアップする「ジレ」の着こなし

過去に何度も注目され、再び昨年春頃からトレンドに浮上しているアイテムのひとつ「ジレ」。ジレはスリーブレスの羽織もので、春先や秋には1枚で、冬はコートのインナーにと着回しが利き、複数のシーズンに渡り活躍するのが最大の魅力。思えばかつての「ジレ」ブームの際はベストとの違いに戸惑う人が続出し、袖のない羽織もののコーディネートに悩む人の多さから難易度が高い上級者向けアイテムというイメージが定着しました。ですが最近は、ジレの認知度が上がったこと、さらにはデザインの幅が広がったことで一気に流行し、今や手軽におしゃれな着こなしが叶うマストハブな1着となっています。

【目次】
「ジレ」とは
ジレとベストに違いはある?
ジレの歴史
人気の理由は3つ
着こなしのポイントは“AとI”

「ジレ」とは

ジレは【gilet】と表記するフランス語。コートやジャケットなどの下に着る袖のない胴着のことで、ベストとほぼ同じ意味です。とはいえフランスではカーディガンや肌着なども含めた中衣を総称してジレと呼ぶため、本来はベストより広義的な意味合いで使われている言葉。なお日本で人気なのはミドル丈やロング丈のタイプで、ベストというよりはアウターの変化球のような位置付けに。そのためデザインも幅広く、トレンチコートから袖だけを取り去ったようなものからコージーなニット素材、ボリュームのあるエコファーやカジュアル色の強いキルティングまで多種多様。最近は、ショート丈よりもミドル〜ロング丈に人気が集まっており、ジレをインナーではなくあえてアウターの上に重ねるスタイリングも注目を集めました。


ジレとベストに違いはある?

本来はほぼ同じ意味合いを持つジレとベストですが、多くの人がこの違いを自分の中でなんとなく定義しているのではないでしょうか。ジレと聞いて思い浮かぶのは袖のないアウター。一方でベストと言われ発想するのは、例えばスリーピーススーツのベストや、ニット素材のチョッキのようなもの、という人が多いでしょう。しかしこれは国によって異なり、実のところ日本では、「ベストというよりジレと称した方がおしゃれな感じがする」という印象の部分が強いようです。では海外での定義ですが、フランスでベストというとアウターとして着る袖なしの服という意味が強く、背面にも装飾を施したり上質な生地を使ったものを指します。そして英国ではアウターとして着られる袖なしの服(フランスで言うところのベスト)をウェストコートと呼び、ベストは袖なしの肌着という意味で使っています。そのため違いを明確にするならば、背面の素材や装飾にもこだわったものがベスト、あくまで中衣であるため背面にこだわらないものをジレと呼ぶ、といった使い分けでしょう。ただ、日本では袖のない前開きの胴着はジレでありベストでもあるため、明確な違いはありません。


ジレの歴史

ジレと言う呼び名が日本で浸透したのが割と最近のことなので、比較的新しいアイテムだと思っている方も多いのではないでしょうか。しかしジレの歴史は古く、15世紀のヨーロッパにまで遡ります。当時は「ダブレット」と言う名称で呼ばれ、男性用上着として着用されていました。その後時代を経て少しずつシルエットに変化が見られるようになり、その過程で袖丈や着丈が短く、身幅が狭くなり、上着から中衣へ。17世紀には上着の前を開けてジレを覗かせる着こなしが流行し、その頃からジレに刺繍などの装飾的な要素がプラスされ始めます。やがて18世紀には袖が完全に無くなり、より細身なデザインとなって現在のジレが誕生するのですが、それがちょうどルイ15世の時代。この頃は男性用の衣類であり、女性もジレを着るようになったのはもっと後のことで、ジレが誕生した時代のヨーロッパの女性衣服といえばドレスが主流。女性が社会進出をし、スーツやユニフォームを身につけるようになってから女性用のジレが浸透しました。


人気の理由は3つ

ざっとジレの基礎知識を紹介しましたが、今これほどまでにジレがトレンドになっている理由はどこにあるのでしょう。幅広いデザインや、手の届きやすい価格帯のものを多くのブランドが展開していることはもちろんですが、ここまで人気を得たのには3つのポイントがあります。まず1つ目は、簡単におしゃれに見せることができる点。ジレ自体が個性的なシルエットのアイテムであるため、シンプルなTシャツ&パンツに羽織るだけでこなれ感を演出し、スタイリングに新鮮さをもたらしてくれます。そして2つ目はコーディネート幅の広さ。何に羽織るかでガラリと印象が変わるので、フェミニンにもカジュアルにも着こなせるのが強みです。ロングスカートやワンピースに羽織ってキレイめに着こなすこともでき、春や秋は1枚で、冬はインナーにと、4シーズンのうち3シーズンで着回しが可能。この汎用性の高さがコスパの良さを求める若い層にも刺さり、今のような人気を得ている側面もあります。3つ目は、体型カバーができること。スタイルを気にする女性は多いですが、ジレはヒップやウエスト、背中や太ももなどをすっぽりと隠してくれます。物理的に気になる部分を覆い、さらに縦のシルエットが強調されるので視覚的にもスッキリ見える。この効果によって大人の女性からの支持も集めました。ジレのデザインや丈は様々ですが、レディースのジレでミドル〜ロング丈がよく売れているのには体型カバーの機能を求める人が多いと言う理由もあるようです。


着こなしのポイントは“AとI”

実際にジレを取り入れるなら、吟味すべきはシルエットと着丈です。ジレの魅力に体型カバーができるというのがありますが、これは肩から膝にかけて縦のシルエットを強調することでスラリとバランス良く見せてくれるため。ノースリーブゆえに厚手の素材でも袖部分の幅や厚みがなく、太って見えがちだと敬遠するようなボアやダウン素材でもコートと比較しかなりシャープに着こなせます。まず着丈ですが、丈が長いほど縦ラインの強調効果があります。しかし膝下のロング丈を着こなすにはある程度身長が必要で、小柄な方はバランスがとれません。そのため小柄さんはヒップが隠れるショート丈か膝上のミドル丈を選び、下半身を軽く仕上げるのが鍵。一方で長身の人は短い丈だとチュニックのような雰囲気になりジレの良さを活かしにくいため、膝下やロング丈がお似合いです。

次にシルエットですが、インナーの服や目指すテイストに合わせて「Aライン」か「Iライン」から選ぶべき。裾に向けて広がるAラインはフェミニンな要素が強く、ボックス型のようにストンと落ちるIラインはマニッシュな印象になります。そのためふわりと広がるスカートやワンピースにはAラインをチョイスしてボトムスの広がりを殺さず、女性らしさを印象付けて。逆にカッコよく見せたいならIラインが最適で、人気のジレ×ワイドパンツのコーデにもモダンに決まります。ジレはプラスワンでコーデに差がつくアイテムですが、シルエットや丈でかなり印象が変わるもの。そのため自分に似合うデザインをしっかり試着をして選んでくださいね。

簡単にトレンドコーデが作れるジレですが、今から購入するならスモーキーなピンクやグリーン、クリームイエローといった明るい色がおすすめです。冬場はコートのインナーとして差し色になり、アウターとして着る春にはちょうど季節にあった華やかな印象を演出できます。

TEXT:橫田愛子

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