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『マリー・クワント展』

 10代、20代のZ世代を中心に、再び流行しているミニスカート。そのミニスカートやタイツなど、今や当たり前になっているアイテムを広く浸透させたことで知られるイギリスの革新的ファッションデザイナー、マリー・クワントの業績をたどる日本初の回顧展『マリー・クワント展』が11月26日(土)から2023年1月29日(日)まで、東京のBunkamura ザ・ミュージアムで開催されます。

 “マリー・クワント”といえば、日本ではデイジーマークのコスメブランドの印象が強いと思いますが、若い女性のための革新的なファッションを打ち出し、1960年代イギリス発の若者文化「スウィンギング・ロンドン」を牽引。西洋の伝統や階級文化に縛られた旧来的な価値観とは異なる、若々しさや躍動感にあふれるデザインを世に送り出したイギリスで最も親しまれるファッションデザイナーです。彼女は25歳の時に若者向けブティック「バザー」を開店。自分自身が着たいと思うアイテムを自らデザインし販売したところ爆発的な人気になり、ジョン・レノンら有名人もこぞって来店するほど注目を集めました。また、バザーを発信源として生み出した若者のためのファッションは世界に広がり、世界中でミニスカートブームを生んだことで『ミニの女王』とも称されています。

 衣服から化粧品、インテリアまでのライフスタイル全般に及んだクリエーションもさることながら、時代を先導した起業家としてのビジネスの先見性、自らファッションアイコンになるなど広報戦略にも長けていた彼女。ブランドロゴの先駆けとなるデイジーマークの商標登録、現地企業に生産・販売を任せるライセンス契約を採用し、より多くの女性が手に入れられる既製服として量産体制を確立。女性にはふさわしくないとされていたパンツやジーンズをラインナップに加え、男性用スーツや軍服で用いられる生地を女性のカジュアルウェアに仕立て、ジェンダーや階級意識などのステレオタイプに果敢に立ち向かうなど、それまでの女性像を一新。現代に通じる輝きを放つ、新しい女性のロールモデルになりました。

 本展では、マリー・クワントのコスメが日本に上陸した1971年以前のファッションアイテムを多数展示。ヴィクトリア・アンド・アルバート博物館(V&A)より来日する約100点の衣服を中心に、小物や写真資料、映像などで1955年~75年にかけてのデザイナーとしての業績と、時代を切り開いた起業家としての歩みをたどることができます。

 『バザー以前 ―ブランドの構築』では、彼女が生み出した初期のデザインと、夫のアレキサンダーと友人で実業家のアーチー・マクネアと開いたブティック「バザー」にまつわる資料などを紹介。『成功への扉 ―ジンジャー・グループの立ち上げ』では、1963年に立ち上げられた、それまでよりも低価格で若々しいライン「ジンジャー・グループ」について知ることができます。流行色とはかけ離れたジンジャー(オレンジ・ブラウン)やマスタード・イエローなどの色彩と、トータルコーディネートのしやすさが特徴で、イギリス国内での75店舗のほか、欧米やオーストラリアでも展開された「ジンジャー・グループ」。当時のアイテムや映像、資料などから、大量生産時代にいち早く反応し、アメリカなど各国に広がっていったデザインを目にすることができます。『グローバル化 ―デイジーマークの商標登録』では、現在に至るまで生産・販売のライセンス契約の要となっているデイジーマークの商標登録、新素材を最大限に活用し、消費者の選択肢を広げた彼女の先見性や斬新なビジネス手法に注目。雨に濡れても平気なファッションというコンセプトでPVC(ポリ塩化ビニール)を使い大反響を起こした1963年発表の「ウェット・コレクション」、その2年後に老舗の「アリゲーター・レインウェア」社と協業し発表した新しいレインウェアシリーズ、ウールのジャージー素材を使ったミニドレスやルームウェア、下着などについて知ることができます。そして、『ファッションの解放 ―ファッションをすべての人に』では、「誰にでも手が届くおしゃれな服を作ること、それがファッションの使命」(マリー・クワント、1966年)という言葉どおり、旧態依然とした性別の役割や社会階層にとらわれない、上質で手頃な価格という、若い女性のためのデザインの発信に情熱を注いできた彼女の業績を浮き彫りにします。

 出身地であるイギリスでは、約40万人が訪れたという注目の世界巡回展。『自由に 自分らしく』1960年代のストリートカルチャーを牽引し、世界にセンセーションを巻き起こしたマリー・クワントの仕事をぜひご覧ください。

TEXT:金子裕希


【INFORMATION】

『マリー・クワント展』

会場:Bunkamura ザ・ミュージアム

会期:2022年11月26日(土)~2023年1月29日(日) ※休館日:12月6日(火)、1月1日(日・祝)

時間:10:00~18:00 毎週金・土曜日は21:00まで ※最終入館は、閉館時間の30分前まで

お問い合わせ:050-5541-8600(ハローダイヤル)

※本展は会期中すべての日程で【オンラインによる事前予約】が可能です。
ご予約なしでもご入場いただけますが、混雑時にはお待ちいただく場合がございます。
ご予約方法等の詳細は展覧会HPにてご確認ください。

公式サイト:https://www.bunkamura.co.jp/museum/exhibition/22_maryquant/

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