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ファーフリー宣言をしたファッションブランド

海外セレブや著名人が「リアルファーをファッションに取り入れない」ことを明言したことで、その動きがブランドにも広まった、ファーフリー宣言。昨年末には、全世界で45エディションを展開するファッションメディア「エル(ELLE)」が、2023年1月までに紙媒体・デジタル・SNSなどのコンテンツにおいてアニマルファーを扱うことを廃止する方針を発表し、大きな話題となりました。また、グッチ、サンローラン、ボッテガ・ヴェネタ、バレンシアガなど名だたるブランドを擁しているグローバル・ラグジュアリー・グループのケリングが、2022年フォールコレクション以降、同グループのすべてのブランドにおいて毛皮の使用を停止することを表明。ファーフリーの流れはますます加速していると言えるでしょう。そこで今回は、ファーフリーの条件や問題点、エコファーについて、そしてファーフリーを決断しているブランドもいくつか紹介していきます。

【目次】
ファーフリー宣言とは?
何が問題なの?
フェイクファーとエコファーの違い
ファーフリー宣言をしたファッションブランド

ファーフリー宣言とは?

10年以上前から問題視されてきた毛皮の使用。近年、エシカルサステナブルがより強く求められるようになっている流れもあり、ファッション業界でもファストファッションからラグジュアリーまで多くのブランドがリアルファーを使用しないことを発表しています。「ファーフリー宣言」とは、各ブランドが「ファッションにリアルファーを使用しない」と宣言することを意味しており、800以上のブランドがそれを決断。「ファーフリー宣言」をしたブランドは決められた条件を満たすことで、国際連盟であるFur Free Alliance(FFA)に“FUR FREEブランド”として承認されます。

「FUR FREEブランド」の条件                                                                    ブランドすべてのアイテム(アクセサリーも含む)で、リアルファーを使用した製品を 製造・販売しない、注文しない。                                                                ブランドすべてのアイテム(アクセサリーも含む)で、人工のファーを使用・販売するときは、製品製造者にリアルファーではない確認をとる。

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何が問題なの?

アイテムに使われているリアルファーの主な動物は、ミンク、ラビット、フォックス、チンチラなどです。まず第一に、これらの動物の命が毛皮のために犠牲となることから動物愛護の問題が上げられます。動物から毛皮を剥ぐ様子や過程がSNSやYouTubeで広まり、問題視する声があがるようにようになりました。企業はもちろん、消費者にもファーフリーという考え方が広まっていることで加速したと言えるでしょう。ウールや牛革、馬皮などは条件に含まれていませんが、それらも使用しないと徹底しているブランドもあります。                                           また、もう一つ上げられるのは「エコファー」の普及。ほぼリアルファーと区別がつかない品質のアイテムも多く、手入れも簡単で手に入れやすいのが特徴で、多くのブランドが取り入れています。


フェイクファーとエコファーの違い

本物の毛皮を使用しているリアルファーに対し、合成繊維を使用して本物のファーのように見せているのがフェイクファーです。近年ではエコファーという言葉もよく耳にしますが、こちらも合成繊維を使用して自然の毛皮に似せて作られている素材です。つまり、どちらも同じものを指す言葉。フェイクには“偽物”というネガティブな印象があるため、環境によいというプラスな印象のあるエコという表現に変化してきています。エコファーの製造技術は日々進歩しており、原料に再生ポリエステルを含むリサイクル可能な素材も登場しています。


ファーフリー宣言をしているブランド

最後に、ファーフリー宣言をしたラグジュアリーブランドをいくつか紹介します。

「ステラ マッカートニー」                                                                  ファーフリーの先駆者ともいえるのがステラ マッカートニー。ブランドの創立当初の2001年からクルーエルティフリー(動物を犠牲にしない/動物由来のものを使用しない)のブランド精神を貫き、毛皮はもちろん本革も扱っていません。最近では2020年に植物由来原料を用いたサステナブルなバイオファーフリー素材を採用しています。

「ラルフローレン」                                            アメリカントラッドの代名詞的ブランド・ラルフローレンは、2006年にファーフリーへ移行しました。それと同時に、1200ものファーアイテムを国際救済イニシアチブに寄付しています。

「アルマーニ グループ」                                         ジョルジオ・アルマーニは、2016年秋冬コレクション以降、自身が手掛けるブランド全ての製品において天然毛皮の使用を廃止することを発表。「今まで人間が動物に対して行ってきた不必要で残虐な行為を、長年にわたる技術の進歩のおかげで、他の方法に替えることができるようになりました」とコメントしています。

「グッチ」                                                            2018年の春夏コレクションからリアルファーを使用しないと宣言。FFAに加入しました。これまでに発表された毛皮を使用したアイテムは、すべてチャリティオークションに出品し、集まったお金は動物愛護団体に寄付されています。

「ヴェルサーチ」                                                         2018年にデザイナーのドナテラ・ヴェルサーチがリアルファーの使用廃止を明言。経済誌1843のインタビューで「ファッションのために動物を殺したくない。それが正しいと思えない」と語り、2019年のコレクションから使用されなくなりました。

「メゾン マルジェラ」                                                         同ブランドのクリエイティブディレクター ジョン・ガリアーノがファーフリー宣言を行ったのは2018年。ファッション雑誌「エル・フランス」に掲載の動物愛護団体PETAの副社長ダン・マシューズとの合同インタビューでそれを表明しました。

「コーチ」                                                                       コーチは、2019年秋コレクションからブランド全ての製品においてリアルファーの使用を廃止。ジョシュア・シュルマン社長兼CEOは、「この決断は、ブランドにとって非常に有意義で画期的な出来事である」とコメントしています。

「ジャン=ポール・ゴルチエ」                                                            2018年にフランスの生放送TV番組で、ジャン=ポール本人が、「温かくある方法は他にもある」と、自身の名を冠したブランドから動物の毛皮使用を廃止することを語り、ファーフリーを宣言しました。

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