アパレル・ファッション業界の求人・転職ならFashion HR

記事一覧

ライブコマースとは? 市場の現状と注目されるワケ

最近よく耳にするライブコマース。元々は中国で登場し、日本ではこれからの更なる展開が期待されているビジネスモデルですが、ファッションアイテムとの相性が良いため、アパレル業界でも注目度の高い話題と言えます。今回は、ライブコマースの基本的な知識から、市場の現状、メリット・デメリット、実際に参入している企業やブランドもいくつか紹介していきます。

 

【目次】

ライブコマースとは?

「1対N」と「1対1」の違い 

市場の現状と注目されるワケ

メリット&デメリット

ライブコマースの実例

 

ライブコマースとは?

ライブコマース(Live Commerce)とは、「ライブ=生配信」+「コマース=eコマース(ネットショップ)」のことで、ライブ配信をしながら商品やサービスを売る販売手法です。配信者はユーザーからの質問コメントにリアルタイムで回答することができるなど、双方向のコミュニケーションを取りながら商品を紹介することが可能です。

つまり、画像と紹介文だけの商品購入では少し不安なネットショッピングを、店舗で接客を受けているような感覚ですることができる、「店舗型ビジネス」と「eコマース」、2つのビジネスモデルを上手く掛け合わせた新しいビジネスモデルと言えるでしょう。


「1対N」と「1対1」の違い

ライブコマースの接客方法は、大きく2種類に分けることができます。1回で複数のユーザーにリーチする「1対N」のライブ配信型と、より接客に特化してコミュニケーションを図る「1対1」の方法です。「1対N」は一気に多くのユーザーに対して配信することが可能なので、より効率的に接客が行えますが、配信者側の集客力やトーク力、ユーザーを惹きつけるためのエンタテインメント性など、コンテンツとしての魅力も重要視されます。一方「1対1」はリアル店舗での接客に近く、1人ひとりのニーズに合わせた提案が可能です。1対1での丁寧な対応が求められますが顧客満足度は高く、購入率や顧客単価が高くなる傾向があるようです。


市場の現状と注目されるワケ

そもそもライブコマースは中国から始まった販売手法で、中国のインターネット人口の半数以上が、ライブコマースでの購入経験があると言われています。ここまで普及している理由としては、偽物流通の多さや商品への信頼性の低さから、信頼できる配信者から安心して購入したいと感じているユーザーが多いことが上げられます。一方、日本では2017年頃から複数のサービスがスタートしましたが、普及はあまり進んでいませんでした。しかし2020年頃から再び注目を集め、取り組む企業が増えてきています。

その背景として一番に上げられるのは、新型コロナウイルス感染拡大の影響です。人の移動に制限がかかり日常生活が一変したことで、店舗型ビジネスをはじめとする接客業ではニューノーマルに適応する新しいビジネスの形が求められ、eコマースの市場規模は拡大しました。また、今後は5G(第5世代移動通信システム)の登場で4Gよりも高速かつ大容量、低遅延と同時接続数の増加が期待できるため、ライブ配信のビジネス利用がさらに加速すると考えられています。


メリット&デメリット

コロナ禍での需要の広がりや5Gの後押しもあり、今後さらなる拡大が予想されるライブコマース。活用次第でブランドの認知度をUPさせることも可能かと思われますが、メリットとデメリットにはどのような事が上げられるのでしょうか。そのいくつかをまとめます。

【メリット】

・画像や文字では伝えきれない多くの情報を伝えることができる
・コミュニケーションを取りながらリアルタイムで商品をアピールできる
・単なる商品購入ではなく、体験も含めて提供できる
・購入するまでの導線がスムーズなので、瞬間的な購買意欲のまま購入してもらいやすい

【デメリット】

・配信準備や、オンライン上での告知・集客の仕組みを作らなければならない
・時間制約が発生するので、リアルタイムで時間を共有してもらうための工夫が必要
・ユーザー数が多いとコミュニケーション不足になる可能性も


ライブコマースの実例

ファッションアイテムは、画像や文章だけではイメージが沸かないこともあり、動画との相性がよいと言われています。ライブコマースでは活発なカテゴリーとなるため、近年、日本のアパレル業界でも大手のブランドや百貨店が参入しています。実際にライブコマースを活用している企業やブランドをいくつか紹介します。

・UNITED ARROWS

ライブ配信を見ながら、自社で運営する通販サイト「ユナイテッドアローズオンラインストア」で買い物ができるライブコマース「STYLING GUIDE」を2020年にスタート。ライブ配信を見ながらクリックひとつでUAオンラインストアの該当商品ページに移行できるので、ライブ配信の閲覧から紹介商品の確認・購入までの流れがスムーズ。

・三越伊勢丹

販売員とビデオ通話やチャットなどで接客を受けられ、そのままリモート決済まで利用できるアプリ「三越伊勢丹リモートショッピング」を開発。また、ECサイトでのライブコマースでは、よしもと芸人をナビゲーターにしたエンタメ×ショッピングを実施するなど、趣向を凝らした配信で話題。

・ユニクロ/ジーユー

ユニクロが「UNIQLO LIVE STATION」、ジーユーが「GU LIVE STATION」という名称で、ECサイトとアプリでライブコマースを開始。スタイリストやファッションモデルが最新アイテムやコーディネイトのポイントなどをライブで解説。ECサイトやアプリ内で直接購入できる。

・ベイクルーズ

2020年5月からライブコマース「LIVE STYLING」を開始。店頭でファッションアドバイザーとして活躍しているスタッフや、商品の知識があるバイヤーやプレスなどを中心に出演することで、スタイリングの提案も交えつつアイテムの紹介を行っている。

・sweet LIVE SHOPPING

読者の嗜好やニーズを押さえた、宝島社の全11誌の女性ファッション雑誌編集者がプロデュースするライブコマースのコンテンツ。ファッション雑誌がプロデュースするライブコマースによるサービスは業界初のため話題となっている。

Fashion HRはファッション・アパレル業界に特化した求人情報サイトです!

FHR_top

ショップスタッフや店長などの販売職から、PR、MD、VMD、営業、総務/経理、秘書、ロジスティックスなどのバックオフィス職まで、外資系ラグジュアリーブランドから国内有名ブランドまで求人情報を多数掲載中。早速、会員登録をして求人をチェック!

   
無料会員登録する

記事一覧