ショップで試着をして購入するのが当たり前というアパレル業界の常識を大きく変えたファッションテックの影響で、ファッションの専門知識だけでは活躍が難しくなっているアパレル業界。新型コロナウイルスの拡大により、IT技術の活用が今まで以上に重要視されているのが現状です。
では、販売員の経験のみでECサイトを担当することはできるのか、これからEC担当を目指すには何を学べばいいのか、疑問に思ったことはありませんか。そこで今回は、「今、話題のファッションECに迫る」と題して、アパレル業界におけるECとは（Vol.1）、ECの仕事内容とどのようなスキルが求められるのか（Vol.2）、さらに注目のD2Cについて（Vol.3）もご紹介したいと思います。
【目次】
・ファッションテックについておさらい
・ファッションECとは
・アパレル業界のBtoC向けECは大きく3つ
・ちょっと脱線、BtoCって？
ファッションテックについておさらい
ファッションとテクノロジーを掛け合わせた造語“ファッションテック”。ファッションアイテムの開発やサービス、物流システムなどの分野にテクノロジーを活用することで、ファッション業界を活性化させようという動き全体のことを差します。
具体的には、月額制で好きなだけ衣服のレンタルができるクロージングサブスクリプションや、各メーカーによるスマートフォンのアプリ、試着ができないというネットショッピングの課題を解決するバーチャルフィッティング、ECサイト、さらにはスマートウォッチなどのウェアラブル端末などがあります。
中でもファッションECはアパレル業界で重要な職種となっており、大注目の分野です。
ファッションECとは
「EC」とは、エレクトロニック・コマース（electronic commerce）の略称。Eコマースとも言われます。日本語にすると電子取引となり、いわゆる「ネット通販」「オンラインショップ」「ネットショップ」といわれるサービスと内容は同じです。アパレル業界に関するECのことを、ファッションECやアパレルECと表現します。
ではなぜ、そんなに多くの名称があるのでしょうか。それは利用者による違いです。
「ECサイト」「Eコマース」「ネットショップ」という名称は、どちらかというと企業側が使用する名称。「オンラインショップ」「ネット通販」は、消費者側が使用する場合が多いと言えるでしょう。
アパレル業界のBtoC向けECは大きく3つ
アパレルメーカーが運営しているECサイトは年々盛り上がりを見せており、コロナ禍でますます注目が集まっています。アパレル業界のECは、大きく3つのタイプに分類することができ、これらのビジネスモデルはBtoC（B2C）と言われています。
メーカー・ブランド独自運営型
実店舗を構えるメーカーやブランドによるECサイトのこと。
例）ユニクロ、BAYCREW’S、BEAMS、SHIPS など
モール型
様々なブランドを掲載しているショッピングモールのようなECサイトのこと。
例）Amazon、楽天市場、ZOZOTOWN など
個人経営型
個人で経営しているアパレルショップのサイトのこと。
ちょっと脱線、BtoCって？
ちょっと脱線、BtoCって？BtoC（B2C）とは、誰（B＝企業）と、誰（C＝消費者）で成り立つビジネスなのかを表したビジネス用語で、企業が一般消費者（個人）に対して提供するビジネスのことを差します。
ちなみに、BtoB（B2B）は企業が企業に対して行うビジネスのことで、会計ソフトや流通サービス、人材派遣サービスなどが当てはまります。CtoC（C2C）は、ネットオークション（ヤフオクなど）やフリマアプリ（メルカリなど）で、消費者同士が売買を行うビジネスモデルのことを差します。
スマートフォンの普及もあり、ここ数年でCtoCが盛り上がりを見せています。衣服などの購入手段に選択肢が増えたことで、BtoC市場にも影響を与えています。しかし、古い服を売った売上金で新しい服を買うという流れもあるため、一概にマイナスばかりとは言い切れません。今後、BtoC市場はCtoCとどのように向き合っていくかも重要となりそうです。
さて、「Vol.1」でアパレル業界におけるECの種類と特徴について説明してきました。次回は「Vol.2 ～ECの仕事内容と身につけておきたいスキル」と題してお送りします。
