今年ももうすぐやってくる本格的な夏、快適に過ごすために夏素材の服を取り入れるようになってきたのではないでしょうか?
本記事では、そんな夏素材にフォーカスして、生地の特徴やお手入れ方法などをご紹介していきます。アパレル店員をされている方であれば、きっとどこかで役立てられるはずですよ!
代表的な夏の素材、どんなものがある?
通気性がよかったり、速乾性が高かったりと、夏にぴったりな素材がいくつかあります。それぞれの特徴をご紹介するので、アパレル業界で働いている、目指している方はぜひ自分の引き出しを増やすために参考にしてみてくださいね。
リネン
夏の素材と言えば、まず「リネン」を思い浮かべる人も多いのではないでしょうか? 素材特有のドライなシャリ感や自然な光沢感が楽しめ、しなやかなシルエットになるため大人の女性から人気の素材でもあります。
夏素材として広く取り入れられている理由としては、その速乾性と通気性の良さにあります。また、汗をかいても吸水性がよく発散もしてくれるので、まさに夏にぴったりの素材です。更に、リネン繊維に含まれているペクチンという成分の効果で、汚れにくいという嬉しい特徴もあるのです。
コットン
天然繊維の中でも、リネンと並んで夏に人気なのが「コットン」。チクチクしたりザラザラするという不快さがなく、肌触りが心地よいというのが人気の理由の一つです。
コットンは、高い吸水性を備えていることと風通しが良いために、夏に着ることによって快適さを叶えてくれます。また、水に強いため洗濯をしてもよれにくいというのが特徴になります。
レーヨン
ご紹介したリネンやコットンの天然繊維とは異なり「レーヨン」は化学繊維となります。リネンやコットンのようにコシがなく、とろんとしたなめらかな質感で上品な印象に導いてくれます。
夏に適する理由としては、触れるとひんやり感じるために暑さを和らげてくれます。また、レーヨンの繊維は性質が弱酸性のため、アンモニア臭といったアルカリ性の成分を中和してくれるので「汗の匂いが気になる」なんて人にもおすすめですよ。
ポリエステル
「ポリエステル」もレーヨンと同じく化学繊維で、とろんとした触り心地や光沢感が特徴となります。
ポリエステルは速乾性に優れているので、汗をかく夏には快適に過ごすことができます。この特徴があるからこそ、スポーツウェアとしても広く取り入れられているのです。また、シワになりにくいという利点もあるため、アイロンがけがほぼいらないというのは時短にもなり嬉しいですよね。
それぞれの素材、洗濯やお手入れ方法で気をつける点は?
次に、ご紹介したリネン、コットン、レーヨン、ポリエステルの洗濯やお手入れで気をつけるべき点をお届けします。ご紹介する注意点はもちろんですが、洗濯する際には必ず洗濯表示に従ってくださいね。
リネンの場合
【1】シワ問題について
リネンはそのシワ感も魅力と捉えることができますが、非常にシワのつきやすい素材です。そのため、しわくちゃのまま放置しておくとシワがくっきりと残ってしまうので注意しましょう。アイロンで伸ばす場合、リネンは丈夫な天然繊維のため、リネン100%であれば高温でかけても問題ありません。
【2】縮みやすさはどう対処する?
リネンは縮みやすいというデメリットがあります。洗濯をしてそのまま乾燥までしたら縮んでしまった……! という経験のある人も多いのではないでしょうか。縮みを防ぐために、ネットに入れること、脱水はしない、するとしたら10秒ほどでとどめておきましょう。リネンはもともと乾きやすい素材なので、脱水せずともすぐに乾いてくれます。
コットンの場合
快適に過ごせるコットンではありますが、毛羽立ちやすいという難点があります。せっかくのお洋服も、毛羽立ちがあると安っぽかったり着古した印象になってしまうのがもったいないですよね。この毛羽立ちは摩擦によるものなので、抑えるためには洗濯する際に裏返してネットに入れるようにしましょう。
毛羽立ちが気になる場合には、当て布をしてからスチームアイロンをかけると毛羽立った繊維が目立たなくなるのでぜひ試してみてください。
レーヨンの場合
実はレーヨンは、水に弱く繊細な素材です。そのため、表記に「水洗い不可」が書いてある場合はクリーニングに出すようにします。
自宅で洗濯できる場合には、洗濯ネットに裏返しで入れ「手洗いコース」などの負担のかかりづらいコースで優しく洗いましょう。また、脱水による傷みも懸念されるので、脱水を10秒ほどしたら取り出します。
手洗いをする場合には、ごしごしと洗うと負担がかかってしまうため、30度以下の水かぬるま湯で優しく押し洗いします。
ポリエステルの場合
ポリエステルはシワになりにくい上に、強度が強く型崩れしにくいという利点があります。ただし、毛玉ができやすいという点があるために、洗濯をする際には裏返してネットに入れるようにしましょう。また、汚れを吸着しやすい特徴もあるため、他の汚れのひどい洗濯物とは混ぜないように気をつけます。
以上が、ご紹介した夏のおすすめ素材のお手入れ、洗濯方法となります。
では次に、夏小物に多く使われている素材のお手入れ方法をご紹介します。
ラフィアやラタン…… 夏小物で使われている素材のお手入れ方法は?
夏になると、かごバッグやサマーハットなど季節感のある小物を取り入れることが多くなりますよね。これらの素材のお手入れ方法はどうしたら良いでしょうか?
ラフィア
サマーハットなどに用いられる「ラフィア」とは、ラフィア椰子から採られる天然繊維のことです。使うほどにしなやかになり、変化を楽しめることでも知られていますよね。
ラフィアは湿気に弱いため、湿気のたまりやすいところや水分がついたまま放置するとカビが生えてしまう可能性があるので、密閉しないような状態で保管するようにしましょう。
ラタン
夏に人気のかごバッグに主に使用されるラタンは、ヤシ科のツルである籐(とう)のこと。丈夫で強度が高いのが魅力です。隙間にホコリが溜まるので、乾拭きかブラシでお手入れしましょう。
ストロー
帽子やバッグに使われているストローは、藁が原料となります。お手入れする際には固く絞った布巾で優しく拭き取りましょう。その後乾拭きし、よく乾かします。濡れたままにして放置するとカビが生える原因になってしまったり、傷んでしまうので注意します。
ジュート
ジュートとは麻の一種である綱麻(ツナソ)という植物から採れた天然繊維のことです。夏では、ジュートサンダルやエスパドリーユなどに使用されています。
たとえ汚れがついてしまったとしても、ジュートは水に弱いため丸洗いはNG! 洗濯用のブラシに水をつけ、優しくブラッシングしましょう。汚れが強い場合には中性洗剤をつけてブラッシングし、その後固く絞った布巾で拭き、洗剤が残らないようにします。
夏におすすめの素材やお手入れ方法についていかがでしたか?
アパレル店員であれば、素材の特徴やお手入れ方法を知っておくことで、自分のためになるだけでなくお客様に相談された時も困ることなく解答することができるのでぜひ参考にしてみてくださいね。


















