華やかな印象が強いアパレル業界にもさまざまな職種があります。販売やPRなど表に立つ職種とは違う、ものづくりを支えるための生産系の職種は意外と実態が知られていないもの。
今回は、生産管理にフォーカスし、どのような業務で、どんなスキルが求められるのか、アパレル業界に特化した転職エージェント、エーバルーンコンサルティング シニアコンサルタントの宮之内尚志さんにお聞きしました。
■生産管理の基本的な業務とは?
企画された商品を、品質コントロールしながら倉庫または店頭に納めるということが大きな流れになります。そのなかで交渉しなければならないことや、トラブルがあったら回避するための策をとるといった業務が発生します。コスト管理、品質管理、スケジュール管理といった、商品に関するさまざまな事柄をマネジメントするという役割です。
■アパレル業界未経験から、生産管理職になるには?
パタンナーや商品企画といった洋服を作る経験に携わってきた人であれば、その経験を生かすことができます。アパレル商材を扱っていて、かつ作られている内容への知識、理解がある方ならばより品質管理に関する業務をスムーズに行うことができると思います。
例えば、販売職の経験がある、ファッション系大学で繊維、被服を学んだ経験があるなどの人にとってはキャリアチェンジとしてチャンスがあります。
■違う職種から生産管理に転職した成功事例
例えばですが、販売職を経て、OEMの企業で営業職に転職し、のちに生産管理の職に就いた人もいます。
またアパレル企業で営業をしていたのちに、生産管理の職に進んだ人もいます。
特にこの仕事でなければということはありませんが、アパレル業界での経験があり、ものを作るということに興味・関心がある人に向いていると思います。
■生産管理に求められるスキルとは?
企画内容を理解しながら、物流を管理し、輸出輸入にも対応するということで、対人コミュニケーション能力が問われます。商品の品質を担保するため、どんな仕様、縫製、テクニックがいいのかなど、工場の人に伝えられるような豊富な知識も必要となります。また、滞りなく商品が店頭に並ぶよう、スケジュールをコントロールしたり、トラブル回避をするため、事前に打てる手は打つなど危機管理能力も求められますね。一つの業務に特化するというより、商品の流れを管理するという、かなり幅広い業務を行うことになりますので、ジェネラリストとしての資質が問われます。仲間や取引先からの信頼を得られるような人柄も大切なのではないでしょうか。
■生産管理から始まるキャリアパス
生産管理の職を経ると、その後、企画のチームに入って、企画生産の部を見ていくマネジメント職でしたり、商社 OEM部門の営業、そして営業部のマネジメントへと進んでいくといったケースもあります。また最近では海外に事務所を置くアパレル企業も多いので、現地に駐在し海外の工場を見て回るラウンダーという道もあります。
企画した製品が海外の工場で縫製、加工され、倉庫に届き、そして店頭に並び、お客様の元に届くという、流れのなかで、さまざまなドラマが起きると宮之内さん。時にはハプニングもありますが、それを乗り越え、お客さまに喜んでもらえる商品を届けられたときの達成感はひとしおでしょう。
生産管理職に求められる責務はかなり大きなものですが、自身の可能性を広げたい人にとっては素晴らしいチャレンジになるのではないでしょうか。
今回お話を聞かせてくれた転職コンサルタント
エーバルーンコンサルティング
シニアコンサルタント 宮之内 尚志さん


■生産管理の基本的な業務とは?







