新卒・若手社員の早期退職はファッション・アパレル業界のみならず労働人口減少時代の今、様々な業界で問題視されています。新入社員が早期退職をしてしまう理由はどこにあるのか？社員が辞めない職場づくりとは？新入・若手社員を迎える立場のマネージャーや、勤続２～３年目の先輩社員、人事、教育など経営に関わる人の疑問を解消するため、アパレル・ファッションの求人・転職・派遣をサポートするファインズ東京が、「ファッション業界のための新入社員早期退職防止」セミナーを開催しました。

このセミナーでは、全日空のスチュワーデスとしてフライト後、株式会社インターナショナルエアアカデミーを設立し、多くのCAを世界に羽ばたかせてきた代表取締役永江静加さんが、社員が辞めない魅力ある職場づくりの秘訣を語ってくださいました。

“好きかどうか？”が新入・若手社員には大切

永江さんはまず、新入・若手社員が必要としているのは“好きかどうか？”ということをお話されました。「新入社員の皆さんは、自分の会社の先輩・上司が楽しそうに仕事をしているかどうか？この仕事に強い誇りを持っているか？ということを、すごく見ています。先輩社員や上司がこの仕事が『天職です！』と思って働いているかが重要で、それがあれば辞めません」、と指摘します。

例えば、入社したばかりの社員の前で先輩社員が会社の不平不満を話したり、休憩時間に会社の愚痴を話したり…意外にも日常でこういったことは起こります。憧れや希望を抱いて入社した社員は、こうした言動をよく見ているのです。

様々な業種の中でもCA職は、離職率が低いと言われています。この理由について永江さんは、「先輩社員が憧れられているからです。1人の社員に後輩、お客様のファンがついているから社員が辞めないのです。ファンというのは、言葉を変えればその人の「信者」になるということ、この「信者」という言葉は縮めると「儲かる」という字になります。ファンをつくることは、離職を防ぐために大切なことなのです」と話しました。

否定しない、知らないことは当たり前

永江さんは、29歳の時にインターナショナルエアアカデミーを設立し、福岡で女性起業家の第1号となりました。女性の進む道がまだ結婚・出産という当時、周りにはロールモデルとなる人が一人もいなかったと話します。それでも当時6名しかいなかった生徒は現在では1000人を超え、合格者を出し続ける同アカデミーではこれまでに辞めた学生は一人もいなかったそうです。

「取材などでよく、当時と比べて『今の若者は変わりましたか？』と聞かれることがとても多いですが、“若者”は変わっていません。変わったのは“大人”なのです。私は、何もせずにただ褒めているだけです。褒めればその分いろいろなことを吸収してくれます。若者を否定することは絶対にしません。

例えば憧れや希望を持って入ってきた若者に、『ファッション業界を目指してるのにそんなことも知らないの？』など知らないことをバカにしたり、否定すると誰もついてきません。皆さんが“若者”だったときにそれを知っていたかどうか？知らなかったことも多いはずなのです」

こう語る永江さん流の辞めさせない環境づくりは、いともシンプルに「否定しない」「褒める」。こうしたことが新入社員が長く働ける環境をつくる上で非常に大切なことのようです。

魅力あるリーダーとは？

永江さんはセミナーの後半で「魅力あるリーダーが持つ特徴」について例を挙げてくださいました。その中で印象に残った内容を一部抜粋します。

最後までパワフルで力強く、たくさんの熱いメッセージを届けてくださった永江さんの講義は、受講していたアパレル企業の方々の心に強く響きました。辞める人を増やさない、魅力ある職場をつくるためには、自分たちがまず変わることがとても重要だと身にしみてわかるセミナーでした。

今回お伺いした主催団体

ファインズ東京

www.fines-net.com

ファッション・アパレル業界の発展に向け、「求人企業の業績向上」と「求職者の自己実現」を両立させることを目的に、人材紹介（正社員・契約社員・業務委託契約）、人材派遣（一般派遣・紹介予定派遣・正社員型派遣）、店舗運営受託、各種コンサルテーション等のサービスをワンストップで提供できる体制を整えたファッション・アパレル業界に特化した人材サービス会社。

]