11月12日(木)、IFIビジネススクール主催のストリートスタイルフォトグラファーシトウレイさんによるセミナー「シトウレイファッションセミナーvol.3」が行なわれました。
シトウさんは、ランウェイだけではない、オフ・ランウェイで起こるリアルトレンドの両方をみることでこれからのファッションが見えてくる、という考えのもと、コレクションに訪れるファッショニスタのスタイルを撮り続けています。
3回目を迎える同セミナーでは、シトウさんの「ファッションスナップを見る時のコツ」から、現地で撮影したスナップショットをもとにした、「2016年春夏コレクションのオフ・ランウェイでは何が起こっていたのか」まで、いくつかキーワードを掲げて説明をしてくれました。
トレンドを見ながら、感性をフル活用する!
2016年春夏トレンド総括では、カラーや柄、アイテム別にさまざまな傾向についてお話がありました。そのなかで被写体となる人々のポージングの傾向に着目した説明もあり、シトウさんならではの視点が披露されました。
講演中、スクリーンに映し出された写真の数々はすべて撮影可能。バイヤーや企画に携わる人々が多く集まった会場では、それぞれの会社やブランドに合いそうな写真が映し出されるたび、スマートフォンのシャッター音が沢山鳴り響いていました。
配布された資料は、70%の完成度になっており、残りの30%はそれぞれの人が感性を働かせながら、シトウさんの講演を自身で取り入れていくことで完成させるという、ワークショップとしての側面もあるセミナーでした。
いまこそ、ファッションの面白さを見つめ直すとき
第2部は、ウェブマガジン「honeyee.com(ハニカム)」編集長の鈴木哲也さんを迎え、今シーズンのランウェイトレンドについてクロストークが行なわれました。
鈴木さんからは、独自の切り口による、今シーズン特に気になったブランドの説明や、欧米と日本でのモードに対する捉え方の違いなどの話がありました。
鈴木さんは、現在ファッションが停滞期であるからこそ、人々は変化を求めており、そして業界は変革期に差し掛かっていると言います。
「今はライフスタイルブームというものが起きているが、そのライフスタイルをひとつのサイクルとして完成させてしまうとそこから出ることのない退屈なものになる。意識的な生活にこだわりすぎると、自らの人生を単調にしてしまうのではないでしょうか。
むしろ、アウトドアブランドにせよハイブランドにせよ、単調にまとめるのではなく、あえて本来の目的とは異なる着方や使い方を自分なりにする、そういったファッションの面白さをもう一度見つめ直す時期なのでは」。
シトウさんもこう指摘します。「自分自身の人生を作っていく上では、壊すことも大切。ニット一枚でもこれまでの自分の趣味とは少し違ったものなどを取り入れることで、テンションを上げることができるはず。これからはもっとそういう流れができてくるのではないでしょうか」。
2人の対談からは、型にはまりすぎず、新しいものにチャレンジしながらファッションをもっと楽しもうという力強いメッセージが込められていました。
今回お伺いした主催団体
IFI ビジネス・スクール
ファッション・ビジネス界で活躍するプロフェッショナルを育てるファッション業界に特化したビジネススクール。ファッション業界を目指す人や業界で働く人々に向け、様々な講演や講座を行う。