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派遣法改正の前に知っておきたいこと。ファインズ東京主催「よくわかるファッション業界のための改正労働派遣法セミナー」レポート

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派遣法が1985年に成立して35年が経過しました。当時の派遣会社を規制する目的で制定されたため、現代の労働環境に適していない箇所もあります。そこで、より分かりやすく、現代の就労状況に合った制度に変更しようという動きがあります。アパレル・ファッションの求人・転職・派遣をサポートするファインズ東京主催の「よくわかるファッション業界のための改正労働派遣法セミナー」では、社会保険労務士法人ユアサイド代表社員で社会保険労務士の中宮伸二郎氏が、ファッション業界で派遣社員として働くために知っておきたい基本的な派遣法の知識、また派遣法改正で何が変わるのか、重要なポイントをわかりやすく解説してくださいました。

深刻な人材不足が問題となっているファッション業界。その打開策とは?

今回セミナーを主催したファインズ東京は、ファッション業界の深刻な人材不足を解決するためにさまざまな施策を取り入れています。セミナーのオープニングでは、ファインズ東京社長・原田智也氏から、この施策についての紹介がありました。

原田さん:今後、無期派遣雇用のニーズが高まることを予測して、高卒の新卒社員を採用し、企業へと派遣をする正社員型派遣を導入しました。2016年には80名(見込み)の高校新卒を採用し、販売スタッフの人材不足を抱えるファッション企業へ派遣をするサービスを提供していく予定です。さらに新卒社員のサポート体制の充実を図り、接客などを指導する配属前研修やフォローアップ研修、家具・家電付きのシェアハウスを提供します。さらに匿名で24時間365日相談が可能な「24時間なんでも相談室」を設けるなど、地方から上京した新卒社員が安心して働ける環境配備にも徹底して力を入れていきます。

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派遣法改正でこれからの労働環境はどう変わる?

人材派遣会社における社員研修や派遣先企業での派遣法関連セミナーなどの講演実績も多く、難解な労働法や派遣法をユニークでわかりやすく説明することで人気の中宮伸二郎氏。現在、派遣法に最も精通した社労士の1人です。中宮氏に派遣法改正で変わるポイントを教えていただきます。

ポイント1: 派遣元が免許を取得できず、派遣先で働けなくなる?

中宮さん(以下敬省略):現在、派遣には一般派遣と特定派遣と2種類あります。一般派遣は派遣法改正後も問題なく運営できるのですが、派遣法改正後、特定派遣事業者は3年以内に一般派遣許可の免許を取得する義務が課せられます。

特定派遣とは、派遣会社が正社員雇用し、企業へ派遣をすること。正社員型派遣もしくは常用型派遣と呼ばれています。現在は特定派遣の届出で事業を行えますが、改正後は届出制から許可制へと変わるため、特定派遣を行う場合でも一般派遣免許の取得が必須となります。

一般派遣許可免許の取得には、資産、預金、個人情報の取り扱い規則など厳しい条件が課せされており、免許を取得できなければ人材派遣を行うことができなくなります。現在の派遣元が特定派遣の届け出で事業を行っている場合、法律改正後は免許を取得しているかどうか、必ず確認しましょう。

ポイント2:派遣社員として同じ業務で働けるのは3年!

中宮:従来の派遣法では秘書など専門26業務は無期限に派遣が許可されるなど、職種によって派遣期間が決められていました。しかし改正後は、労働者単位で派遣期間が定められることになり、すべての職種において、同じ職場で最長3年という雇用期間の上限が設けられます。これは有期雇用派遣と呼ばれ、3年を迎えると派遣先での直接雇用に切り替えるか、もしくは次の派遣先へと職場を変えることが求められます。ただし、有期雇用派遣でも課が変われば3年以上勤務ができます。ファッション企業で例えると、横浜店と川崎店が別々の課に属している場合、横浜店のメンズ担当として3年、川崎店のメンズ担当として新たに3年と別の課に移動することで、3年以上同じ会社に勤めることができます。

そのほかの例外として、前述した正社員型派遣(派遣会社が正社員雇用し企業へ派遣をする)は期間制限のない派遣が認められます。これは無期雇用派遣と呼ばれます。また有期、無期など派遣の種類に関わらず60歳以上であれば、期間制限は設けられていません。

ポイント3:知っておきたい労働契約法改正

中宮:派遣社員から正社員になりたいと考えている方は、労働契約法の改正についても知っておく必要があります。新たに定められた法律では、2018年以降、有期雇用5年を過ぎると期間の定めの取得が可能になったため、無期雇用(正社員)に変更ができるようになります。つまり派遣社員として5年間働くと、正社員(派遣元の社員になる、もしくは派遣先の社員となる)に変更ができるのです。よって前述した有期雇用派遣として横浜店で3年、川崎店で3年の計6年働くことはできず、6年目以降は正社員へと変更することが必要となります。

ファッション業界で働きやすくなる?

派遣法改正によって、派遣元の免許取得状況の確認の必要性や、雇用期間が変わってくることが明らかになりました。派遣法の改正案は未だ可決しておらず、2015年9月30日の施行に向けて現在審議が続いている状況です(2015年8月31日セミナー開催時)。可決される際には、もう一度改正案をチェックし、今後の労働条件についての参考にすることをおすすめします。

さらに、派遣法改正後は、派遣元に計画的な教育訓練でキャリアアップにつながる措置を施すことや、派遣労働者の待遇を派遣先の社員と均衝させる配慮を推進する動きもあるようです。ファッション業界の人材不足が叫ばれている中、より働きやすい環境が整うことで、多くの人が業界に興味を抱くきっかけになるかもしれません。

 

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