今回お話を聞かせてくれた転職コンサルタント
エーバルーンコンサルティング
代表取締役 池松 孝志さん
昨今「ブラック企業」という言葉をよく耳にするようになりました。
企業と求職者をマッチングする、私たち転職エージェントや人材紹介会社としては、みなさんが長期的かつ安定的に活躍できる場所(企業)に出会っていただくこと、そして就業先の企業にとって有益な活躍をしていただくことが望みです。ブラック企業と呼ばれるような企業に就職し、短期で辞めてしまった、という声は非常に残念でありません。
では、ブラック企業を見極めるすべはあるのでしょうか。ブラック企業の定義、そういった企業と求職者のミスマッチをどうすれば防ぐことができるのか、紐解いていきましょう。
法令順守とは真逆に位置するブラック企業
まず、どのような企業をブラック企業と呼ぶのでしょうか。明確な定義はありませんが、定められている法律などを無視、または悪用して労働者を酷使・選別し、使い捨てにするような企業のことを指します。
具体的には、
- 法律に反するサービスや不正行為を行っている
パワハラ・セクハラ、洗脳まがいの研修、不正経理の横行、会社の私物化 など - 労働に関する定められた法律を無視して、劣悪な労働を強制する
長時間労働、休日が少ない、タイムカードが無い、残業代が支払われない など
こういった企業では、必然的に離職率が高くなり、勤続数ヶ月〜数年程の短期間での離職が非常に多くなります。そのため、頻繁に求人が出されていることも特徴となります。
その会社は本当にブラック企業?会社に対して譲れる部分・譲れない部分を洗い出して、ミスマッチを防ごう
このような企業の存在は許されたものではありませんが、一方でブラック企業という言葉が一般的に使われようになり、その言葉が過度に使用されしまっているのでは?という状況もあるように感じることがあります。人それぞれ、仕事内容や会社に求めるポイントは異なるのと同様に、「この企業はブラックである」と感じる定義も異なります。極端に言えば、勤務先をブラック企業だ!と仰る方もいれば、一方その会社での仕事を天職だ!と感じている方もいるでしょう。
(もちろん、法令を守れていないような卑劣な状況は別として)毎日のように長時間の残業を強いられる、お給料が極端に安い、職務範囲が広すぎるなど、お世辞にも”良い環境”とはいえないような仕事や会社でも、職業や職種、各々の捉え方によっては、「スキルを習得するための修業期間」「広い業務範囲をこなすことができるようになればマルチタスクな人材になれる」など、ポジティブな見解をすることもできるかもしれませんね。
こういった、仕事に対する価値観は各々が求めるライフスタイルやキャリア志向によっても異なります。就職先とのミスマッチングを防ぐ為にも、就職活動をする前に自分が会社や仕事内容に対して「譲れる部分」「譲れない部分」を分析してみてみることをおすすめします。
書類の書き方や、面接対策、志望動機などは、企業側に短い時間であなたを知ってもらうための重要な要素。しかし、採用される側としては、面接や求人の内容だけでは、企業の内情や雰囲気、企業風土は掴みづらいもの。業界の知人やOB/OG、人材紹介会社を通してヒアリングをし、就職先として選ぼうとしている企業について、あなたも十分な知識を得ておきましょう!