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大切なのは「目的」「ターゲット」+奥行き!ファンを生むSNSやブログの発信アイデアのつくり方

ファッションブランドにとって、いまや欠かせない宣伝ツールとなったSNSやブログ。しかし、かんたんに始められるハードルの低さに対し、思ったほどリアクションが戻ってこないと悩んでいる広報・宣伝担当者も多いようです。

ありがちなのが、なんとなく新作が届いた順に「新作アイテム到着!」と写真をアップする。そういう紹介方法に興味を持ってもらえることは、残念ながらほとんどありません。今回は、ブランドやお店にファンがつく助けとなる、SNSやブログの発信テーマのアイデアをいくつかご紹介します。

発信を始める前に、「目的」と「ターゲット」を決めるのが大切

自分の意思で購入する雑誌と違い、無料でなんとなく読めるオンラインの情報は、だらだらと暇つぶしに眺めるだけで終わってしまいがち。ブランドに心を留めて、ファンになってもらうには、そこで見られる情報に対して「私に関係ある」「私に役に立つ」「共感できる」と感じてもらうことが最も重要です。その前段階の準備として、大切なのが「目的」と「ターゲット像」を設定することです。

「目的」が、ブランドのイメージ向上なのであれば、ブランドの世界観が伝わる情報を中心に発信すべきですし、売上げアップなのであれば、そのアイテムがほしくなるような、物そのもののストーリーを発信することになります。しかし、その情報をどう書き、どんなアイテムを選ぶべきかについて、相手の心に届く表現をするためには「ターゲット像」を明確にする必要があります。ブランドにとってイメージする顧客が「30代の都会に住む働く女性」なのか「40代のゆとりある暮らしをする専業主婦」なのかでは、求める世界観もほしいアイテムも異なるからです。

「目的やターゲットを絞り込むことで、絞り込んだ外にある他の可能性を逃してしまうのでは?」という不安になることもあるでしょう。しかし「30代の都会に住む働く女性」に向けた情報を発信することで、そういう暮らしに憧れる20代の女性が購入する……など、必ずしもターゲット像だけが購買するわけではない、という点を意識しましょう。

それよりも怖いのは「目的」×「ターゲット像」を絞り込まないまま、「いろんな人にウケる情報を」という方針で発信することで、結局、誰の心にも届かないぼんやりとした内容に終わってしまうことです。

どういう人たちが記事を見ているのか、追跡できるのもウェブサービスのメリットですから、いったん「目的」と「ターゲット像」を設定し、数か月ごとに反応をチェックしながら、必要に応じて徐々に変えていき、最もリアクションの取れるゾーンを確立していくのが効果的な運用です。

「新作の紹介」は、目的を明確に

定番の発信内容である「新作紹介」ですが、これも単に「入荷しました!」というだけでは、「ふうん」で終わってしまうコンテンツです。とはいえ、ブランドにとって入荷情報は必ず伝えたい情報のひとつ。発信するときは、「目的」と「ターゲット」を考えながら、奥行きを加えるようにしましょう。

たとえばブランドの世界観を浸透させるのが目的なのであれば、デザイナーがそのアイテムにどんな思いを込めているのか、きちんと説明する。また、生産者がどんな人たちであるのか、どのような技術で作られているのかを紹介するのもよいでしょう。

30代の働く女性の心を捉えたいなら、たとえば「プレゼンなど、ここぞのシーンで魅力的な印象を与えられる」とか、「リーズナブルで自宅で洗濯できるのに、見た目には高級感がある」とか、そのアイテムを身につけると仕事の現場でどう生きるのか、を表現しておくとプラスになります。もしくは、オフの日に着ることで心地よくリラックスできる、など心が癒される休日のシーンを想起させるのも方法になります。

単なる色やシルエット、流行などのスペック情報に留まらず、そのアイテムを手に入れることによって得られる満足感や喜びが思い浮かぶような紹介を心がけましょう。

コーディネートの発信も、ターゲットを意識して

世の中には価格帯もデザインもさまざまな、魅力的な商品があふれています。ブランド側が発信したいコーディネートをそのまま掲載しても、読み手にとってはそれが自分にどうメリットを与えるのか、パッとは理解できませんし、自ら理解しようとも思っていないことが多いものです。

スタッフが着用するコーディネート写真を紹介するような場合は特に「その人が着ているから素敵だけど、私にはどうだろう」と足踏みしてしまうことも。単なる「スタッフが着ているおしゃれなコーディネート」ではなく、「ターゲットの代表として、今回はスタッフがサンプルになっています」という見え方にする。そのためには、素敵な写真だけではなく、説明が重要です。

どんなシーンに合うコーディネートなのか、どんなふうに着まわせるのか、どのような魅力を引き出せるのか、どのような点をカバーするのか。そしてどんなときに役立ってくれるのか、触れていくように意識しましょう。

自分たちだから知っていること、に目を向けよう

ここまで紹介した内容は、基本的な内容が中心。他のアパレルブランドと差別化するには少々コンテンツとして弱いと言えます。更新を楽しみにしてくれるファンをつけるには、「自分たちだから知っていること」を発信することが非常に重要です。

たとえば、シャツを得意としているブランドなのであれば、「シャツをいつまでも白く、いい状態で着るためには何を意識すればいいか」「着痩せするシャツ選び」「衿の形と顔の形との相性について」「今年の冬に必ず手に入れたいトレンドのシャツ」「シワが目立たない収納方法」など、シャツのことならこのSNSやブログを見ればおもしろい情報が得られる、と思わせる。そうすることで、日常的にシャツを愛用する働く女性が見てくれる可能性が上がるうえ、シャツを検索するときに上位に表示される可能性が高まります。また、雑誌やメディアでシャツを取り上げる際、候補に選ばれる可能性も増えることになります。

洋服の特徴だけではありません。デザイナーの魅力を前に出すのであれば「デザイナーのインタビュー」「デザイナーが教える、自分らしいコーディネートの見つけ方」「デザイナーが答える、コーディネートのお悩み相談」のように、デザイナーの頭の中を表に出すことでブランドの世界観を伝える、という方法もあります。

縫製や生地選びなど、物の作りの良さに定評があるならば、作り手の姿勢や物づくりの背景などを紹介していくと、より安心感を持って買っていただけます。

「目的」と「ターゲット」を念頭に置きながら、「自分たちだからこそ発信できることはなんだろう」という気持ちでコンテンツを展開する。このことが、ブランドのSNSやブログの固定ファンを作るために最も大切な要素となります。

ひとひねりした、面白コンテンツがあってもいい

あえて、ファッションとは関係ないコンテンツでファンを作っていく方法もあります。たとえば人気のセレクトショップに勤務するスタッフの住んでいる自宅を紹介したインテリアの本があるように、ブランドに関わる人たちの「センス」をコンテンツにしてしまう、というのも独自性のある内容となります。

たとえば、SNSの「目的」がブランドの世界観を発信することで、訴えたい世界観がナチュラルなライフスタイルだとしたら、デザイナーやスタッフによる愛用のナチュラルコスメを紹介する。そうすることで「そういうライフスタイルを送りたい」と憧れる人が、洋服に愛着を持つようになります。

アクティブなライフスタイルを発信するブランドなら、スタッフの愛用の自転車やアウトドアグッズを紹介したり、休日どのようにアクティブに過ごしているかレポートするのもよいでしょう。洋服だけでなく、世界観や考え方まで発信することができる、ウェブのメリットを活かすことのできるコンテンツです。
 
考えるコツさえつかめば、コンテンツのネタはあちこちに転がっているもの。以前ご紹介した「もっとフォロワーを増やすには?今さら聞けない3大SNSの特性と活用法」とも合わせて、SNSやブログを生きた発信ツールとして活用してみてください!
 

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