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“なりたい自分になれる売り場”であることが大切。VMDコンサルタントが説く、売れる店舗に変える場づくりの秘訣とは?


10月22日〜24日の3日間、東京ビックサイトにて、国内最大のファッションイベント「ファッションワールド東京 2018」が開催されました。今回は、その中の特別セミナー「VMDが店舗を変える!今すぐ売上がアップするVMD成功の法則」の内容をリポートします。

登壇したのは、株式会社ヌマタデザインアソシエイツの代表取締役の沼田明美さん。ビジュアル・マーチャンダイジング(VMD)のプロとして、店舗運営やVMDコンサルテーションを多数手がけています。「関わった店舗は必ず売れる」と評判の沼田さんが語る、VMD成功の法則とは?

 

VMDの10フェーズで考えるVMDの役割と効果

大学で講師をされている沼田さん。学生へのアンケートで、「自分が好きなお店と、そのお店を好きな理由」を聞き、その結果を分析したところ、ほとんどの生徒が『服が好き』ではなく、そのお店の『ディスプレイや雰囲気が好き』と答えたのだそう。

ここから見えてくるのは、多くの人が服だけを理由にお店選びをしているのではなく、「理想の自分」になれるお店を求めていること。

 

「まずベクトルをどこに向けるのかを見定めたうえでVMDを実施しないと効果は出ない」

 

そう沼田さんは話します。

さらに、新規と既存というそれぞれの顧客に対するアプローチ方法を見定めていくことも、とても大切だといいます。特に、新規の顧客の入店率を上げるという部分で考えれば、VMDはとても効果的なのだそう。

具体的にVMDを考える時に参考にしたいのが、下記の10フェーズです。縦軸は商品生産や商品化計画のことを表したマーチャンダイジング(MD)。営業計画や販売計画がこれにあたります。横軸がマーチャンダイジングプレゼンテーション(MDP)で、実際に見える化するまでのプロセスになります。これが一気貫通し、VMDの仕組みになっています。

(ヌマタデザインアソシエイツ公式HPより)

 

展開分類と動線計画が魅力的な売り場を作る

10フェーズまであるVMDですが、今回沼田さんは、10フェーズの中でも特に重要な「展開分類」と「導線・ゾーニング」についてくわしくお話くださいました。

まず、「展開分類」とは売り場の分類のことであり、言葉を変えると売り場を編集すること。カテゴリー別・色別・サイズ別・価格別のように、大きな分類から顧客がその時に最も重要と思えるものを順位づけして決めていきます。

沼田さんは、実際に展開分類を変えて成功した島根にあるパワーストーン店の例をお話くださいました。最初はネックレスやブレスレットなど、アイテム別で商品を分けていましたが、出雲大社が近いこと、そして“パワーストーン”という点を重視して、恋愛運や健康運のように運気別でアイテムを分類したところ、売上が大幅に上がったそうです。大切なのは、顧客にとっての価値や、そのお店に何を求めているのかということなのですね。

そして次に、「導線・ゾーニング」について。ゾーニングとは商品を区画してまとめること。展開分類で分類分けしたものを、今度は、どこに何を配置するのかを一つずつ当てはめていきます。ゾーニングを考えるときに大切にしたいのが、お客様導線。道の幅や長さなど、そのお店に合った導線をじっくり考えます。アパレルのお店では曲線導線が主ですが、コンビニのような直線導線のお店もあります。

 

「自分のお店をどのように歩いてもらいたいかを、スタッフ全員で考えてみましょう。大切なのは売り方と見せ方の両方。お店のVMDだけ変えるのではなく、接客のVMDも一緒に考えていかないと数字は上がりません」

お金をかけなくても売上は変わる

経済産業省で商店街活性化の仕事をされている沼田さん。続いて、商店街にある小さなお店を例に、入店率のお話をされました。

 

「店長とスタッフ1人の合計2人でお店をされていましたが、なかなかお客様が入りませんでした。たいていお店に1人しか人がいないので、奥のレジで待機していることが多いんです。お店に入るとレジから入り口が一直線なので、お客様からすると、常に見られているようで、とても入りにくいお店でした」

 

そこで沼田さんが行ったのは、レジの位置を壁際に変え、今まで壁際にあった大きめのラックをお店の真ん中に設置したこと。回遊を増やし、逃げ場を作ったことでお客様が増えたそうです。

 

「変えたのは、導線を増やしたことと、レジの位置を変えたことの2つしかありません。でも、お金をかけなくても売上は変わるんです。VMDを変える時に大切なのは、必ず1回、数字で置き換えることです。数字に表すことでPDCAが回しやすくなりますし、目標数値を作ることでより具体的にVMDを考えられます」

2020年に向けて、リアル店舗ならではの魅力を

マズローの法則に、下から「基本価値」「機能的価値」「情緒的価値」「自己表現価値」があります。基本価値が主であった戦後から、現代は自己表現価値が重要視される時代へと変化。これはまさに「なりたい自分」が重要視されてきているということです。

 

「今までは、どちらかというとテクニックや技術的な面が強かったVMDですが、現在は、お客様にとってなりたい自分になれるような売り場になっていますか?という面がとても大きくなってきています。ここは最初に突き詰めておかないと、一生懸命やっても空回りで終わってしまいます」

 

最後に沼田さんは、これからの時代、店舗が意識するべき大事な3つの点をお話くださいました。

 

「1つ目は『時間』。お店に来てくださっている時間の中で、どのような時間を過ごしてもらいたいか。そして、どのように歩いてもらいたいか。時間消費の考え方です。2つ目に『価値』。それぞれのお客様にとっての価値観が違う中で、そこの気づきを持てるかどうか。そして3つ目に『発見』。日々の接客の中で出てくる新しい発見を大切にすること。この3点を意識しVMDに活かして欲しい」

 

と話を締めました。

顧客のニーズを誰よりも理解しているのは、現場にいる販売員です。それを視覚化しVMDに生かすことは、リアル店舗でしかできないオリジナルの売り場を作ることに繋がるのではないでしょうか。2020年に向けて、これからのリアル店舗を考えるきっかけとなる貴重なセミナーでした。

Interview&Text:Tomoka nakano(RhythBiz)

 

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