皆さんは、不要になったファッションアイテムをどうしていますか?
ファッション業界で働く人たちが抱える衣服や靴などのファッションアイテムが増え、クローゼットの整理ができないという悩み。この悩みが解消でき、なおかつ社会の役に立てたとしたら、こんなに素敵なことはありません。
そこで注目したいのは、いま大手企業を中心に取り組まれている「CSR活動」。ファッション業界では、一体どんな取り組みが行われているのか?そして、私たちにできることはどんなことか?今回は、“ファッション”というカテゴリーにおける「社会貢献」について考えていきたいと思います。
今さら聞けない!近頃よく耳にする「CSR」とは?
「CSR」とは“corporate social responsibility”の略称で、日本語で表すと“企業の社会的責任”のこと。企業が活動をするうえで、自社の利益を追求するだけでなく、社会へ与える影響に責任をもって行動をとることを意味しています。
消費者、投資家、従業員、取引先、地域社会などといったあらゆる「ステークホルダー(利害関係者)」を対象にし、社会的ルールや環境への配慮を取り込んでいることがポイントです。
簡単にいえば、“社会全体において信頼される企業であろう”という考え方のこと。その取り組み全般を「CSR活動」と呼び、企業にはその説明責任が課せられ、近年では多くの企業が自主的にCSR活動について詳細を公表しています。
アパレル企業が取り組むCSR活動
ファッション業界においても、さまざまなCSR活動により社会貢献が行われています。
「ユニクロ」「ジーユー」を運営するファーストリテイリングでは、「全商品リサイクル活動」を展開し、店内の回収ボックスで商品を集め、再利用したり難民・避難民への寄贈を実施。また、緊急災害支援や障がい者雇用、環境への負荷を低減する取り組みにも力を入れています。
H&Mでもまた、店頭で衣類回収のサービスを取り入れたり、皮革をとるためだけの動物のレザーは販売しない、使用する化学製品の規制、オーガニックコットンの使用など、環境や安全を考慮したさまざまな活動が報告されています。
その他にも、動物素材を使わないポリシーの「ステラ マッカートニー」や、地球環境を配慮したアイテムを展開する「ヴィヴィアン・ウエストウッド」、フェアトレードの専門ブランド「ピープル・ツリー」など、今やブランドにとって社会貢献への活動はあたり前の世の中。
こういった流れから、最近では“いいものを長く大切に着る”ことを「スローファッション」、“良識や道徳にかなって生産・流通される服”を「エシカルファッション」と呼び、ファッション業界の新たなキーワードとしてここ数年注目を集めています。
ここに挙げたものは、ほんの一例。まずは企業がどんな取り組みをしているかを知ることが、社会貢献への第一歩かもしれません。
ファッションを通じて、私たちにできることを考えよう
いらなくなった服はむやみに捨てない
まずは、上記で紹介した店頭の回収サービスを利用してみましょう。「メルカリ」などのフリマアプリや、「USED PRICE」のような査定のできる買取アプリなら、スマホを使って気軽にトライできます。その他にも「ラグタグ」や「ブランディア」のような買取専門店やサイト、不要になったファッションアイテムを寄付できる「FASHION CHARITY PROJECT」、「古着deワクチン」などのサイトもあります。あなたのクローゼットに眠っている商品も、きっと誰かの役に立つはずです。
地球環境や生産者に配慮した商品を選ぶ
自分の好きな商品を買うのもいいですが、ときには商品の背景にある社会貢献について考えながら買い物をしてみましょう。例えば、自然環境に負荷をかけないオーガニック素材やリサイクル素材を使ったものを選んでみたり、フェアトレードのアイテムを検索してみたり。このような“エシカル(道徳的)”な商品を扱うファッションブランドは年々増え、今では魅力的なデザインのものもたくさん販売されています。
消費者のことを考えて生産する
ファッション業界で働くからには、その商品を買う人のことも大切にしなくてはなりません。生産場所を知っているか、安全な素材を使用しているか、品質は守られているか、満足してもらえるサービスをしているかなどを意識し、消費者への思いやりを持って仕事に取り組むと良いかもしれません。
上記以外にも私たちにできることは沢山あると思います。トレンド最先端のファッション業界。その中で働くからこそ、一歩前へ踏み出し、今すぐ社会貢献に取り組んでみてはいかがでしょう。
あなた自身が好きな“ファッション”が、社会の役に立つ。こんなにうれしいことはありませんね!
(Text : Sayaka Seko)











