「ファッションデザイナー」と一言で言えど、アパレルブランドに勤めるか、セレクトショップに勤めるか、はたまたOEM、ODMメーカーに勤めるかなど、勤務する会社の業態によって、お仕事内容も、求められるスキルも異なってくるそうです。今回は300社以上の企業、1000人以上のデザイナー・ディレクターにお会いされてきたという転職コンサルタントの方に、デザイナーのキャリアアップに必要なことについてお話を伺いました。
若手デザイナーで、初めての転職を考えている方のなかには、たくさん求人情報を探しても、どれに応募すべきか分からない求職者の方も多くいます。デザイナー求人の応募条件には「実務経験者、3〜5年以上」、業務内容には「デザイン出し~仕様書作成、サンプルアップ」などといった曖昧な記載が多く、なんとなく「自分は条件を満たしているのかな?」と感じてしまう方が多いようです。
しかし、デザイナーに求められるスキル、業務内容は企業によって千差万別。デザイナーのお仕事は業態別に大きく以下の3つのタイプに分けられます。
・アパレルブランドのデザイナー
・セレクトショップのオリジナル商品のデザイナー
・OEM、ODMデザイナー
では、具体的にそれぞれどのような事がデザイナーに求められるのでしょうか?見ていきましょう。
アパレルブランドのデザイナーに求められるスキル
- スタイル画力
- テクニカルな商品知識(パタンナーへの指示出し、トワルチェック)
- コミュニケーション力(対チーフデザイナーやパタンナー、MD、生産)
- ブランドコンセプトに合ったセンス
スタイル画を描かないで絵型だけでお仕事する、という会社も増えていますが、やはりスタイル画の美しさは評価されます。絵型、スワッチに加えコンセプトマップもあると更に良いでしょう。また、チームでのお仕事も多いため協調性も求められます。
セレクトショップのオリジナル商品のデザイナーに求められるスキル
- センス
- コミュニケーション力(対ディレクターやMD、バイヤー、ショップ、メーカー等)
- テクニカルな商品知識(メーカー、場合によっては直接工場への指示出し)
買付ブランドとのバランスを考えてスタイリングできるか、バイヤー目線でも企画ができるか、お店目線になれるかどうかなど、高いセンスが求められます。価格帯は低いことも多いですが、近年増えているライフスタイル系の企画デザイナーの仕事では、お店目線になれるかどうかもポイントです。さらに、ファッションだけにとどまらず、インテリア、アート、映画、音楽などの広い視点で物事を見ることができ、それをファッションデザインに昇華できるかも重要なスキルです。
OEM、ODMメーカーのデザイナーに求められるスキル
- テクニカルな商品知識(仕様書作成力、生産までの幅広い知識)
- コミュニケーション力(対クライアント(ブランドや小売)、工場)
- 売れ筋を掴むマーケティング力
OEM、ODMデザイナーの場合は、特にものづくりにおける“テクニカルな知識”が求められます。近年は、海外のパタンナーに直接指示出しする場面も増えており、できるだけ修正の無い的確な指示が求められます。また、営業的な側面も持ち合わせなければならないので、クライアントに対するコミュニケーション力や場合によっては語学力も必要です。
応募する企業によって応募書類や面接のアピールポイントも異なる
業態別に分けると上記のようになりますが、実際にはコレクションブランドやインポートブランドの日本企画、ライセンスブランド、通販等の幅広いタイプがあり、担当するアイテムやポジションによって条件はさらに細分化されます。
求められる条件の優先順位は、企業やブランドによって異なります。つまり、応募企業やブランドによって、マップやデザイン画、仕様書、商品写真などの提出書類や面接でのアピールポイントが異なるため、各企業・ブランドに合った対策を考える必要があります。まずやるべきことは、自己分析をして目標とする会社(デザイナーとして達成できる業務)で必要とされていることが何か?しっかり考えることをおすすめします。
また、Fashion HRの人材紹介会社に相談することも一つの手段。デザイナーご自身のキャリアアップの方向性によって、客観的なアドバイスと共に心強いサポートを受けることができますよ!
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