ブランドの顔として、「普通のおしゃれ」の一歩先を行き、お客様に「ステキ」と思わせるのも販売員の仕事のうち。実際にファッションや洋服が好きで、ヘアメイクにも関心の高い人が多いのではないでしょうか。
しかし今のお客様は、自前のスタイリングをSNSにアップしたり、中には多くのフォロワーを抱えたりしているなど、おしゃれな人もたくさん。そういう意味で販売員に求められるハードルは上がっている、とも言えます。
そこで今回は自分自身をさらにステキに見せるため「色」の力を借りるテクニックを学んでみましょう。似合う色を身につけると、まるでその人自身の魅力が増したかのように印象がいきいき。いつもの着こなしをワンランクアップする助けになります。
似合う色は、その人の「色素」に影響を受ける
生まれつき色が白い人、浅黒い人。瞳の色が黒い人、茶色い人。人間には持って生まれた色素のトーンがあります。女性ならファンデーションの色を選ぶとき、パッと見は印象が似ていても肌に乗せると印象が変わることで、それを実感するのではないでしょうか。この「自分が持つ色素のトーン」を正しく知っておくことが、印象アップのポイントです。
というのも、似合う色を身につけると、いわゆる「顔映り」が良くなります。具体的には肌の透明感が増したように見え、印象がくっきりして内側から輝くように感じられます。逆に似合わない色だと、肌のトラブルが目立ち、全体にくすんだ印象を与える結果に。
細かい判断をするには、「パーソナルカラー」の資格を持った人に見てもらうのが一番ですが、まずは自分が「イエローベース・暖色系」なのか、「ブルーベース・寒色系」なのか分かるだけでも、すぐ洋服選びの参考にできます。自分でかんたんにできる診断方法を試してみましょう。
自分に似合う色の見つけ方は?
オレンジとピンクのトップスがあれば、鏡の前で当ててみましょう。選ぶ際のポイントは、比較するオレンジとピンクをどちらもビビッド、どちらもパステルなど、彩度とトーンを揃えると比較しやすくなります。ちょうどいい色のトップスがない場合は、プリンターで出力した色紙をあてるとよいでしょう。
【用意するもの】
・大きな「オレンジ」「ピンク」の紙
・大きな鏡
最初はそれぞれを胸に当て、印象の違いを感じてみてください。肌のくすみが取れて透明感が出たたように見えるのが、あなたの色素にあった色です。見るときは、以下のチェックポイントに注意しましょう。
◆チェックポイント
・できれば自然光で!
スポットライトなど照明に陰影があったり、明かりそのものに色が付いていたりすると、正確なカラートーンが分かりません。できれば午前中の窓辺など自然光が入る場所でチェックすると違いがよく分かります。
・メイクが濃いときは腕でチェック
そもそも間違った色のファンデーションを塗っていると、肌映りの印象が変わってしまいます。顔だけでチェックするのではなく、腕の内側などあまり日に焼けていない部分に色を乗せてみると、さらに判断しやすくなります。
・くすみ、クマ、赤みの有無も確認
色を変えることで、自分の肌のくすみ、クマ、赤みがどう変化したかに着目してみましょう。目立たなくなった、と感じる色のほうが色素に合っています。
オレンジのほうがキレイな肌に見える人は「イエローベース・暖色系」、ピンクの人は「ブルーベース・寒色系」の色素の持ち主です。
「イエローベース・暖色系」と「ブルーベース・寒色系」の特徴を知る
ベースカラーによっては、こんな特徴があります。
◆イエローベース・暖色系の人の特徴
・肌の色:黄身があり、日に焼けると肌が小麦色に変化するタイプ。
ピンク系のファンデや白いハイライトを入れるとくすんで見えがち
・瞳の色:黄色みのあるブラウン
・白目の色:黄色みがある
・髪の色:黄色みのあるブラウン。黒髪のままだと重く見えがち
・手のひらの色:オレンジまたは黄色みがある
・クマの出方:目の下が青くなる
・くすみの出方:血色が足りなく見える(顔に赤みが出にくい)
・腕の内側にある静脈の色:緑色に見える
◆ブルーベース・寒色系の人の特徴
・肌の色:色白、またはピンク~赤みのあるタイプ。
日に焼けると肌が赤くなり、元に戻るタイプ。
オークル系のファンデを使うとくすんで見えがち
・瞳の色:黒または赤みのある焦げ茶
・白目の色:青みがある
・髪の色:黒または赤みのある焦げ茶。茶髪にすると浮いて見えがち
・手のひらの色:ピンクまたは青みがある
・クマの出方:目の下が茶色くなる
・くすみの出方:顔全体がくすんで見える
・腕の内側にある静脈の色:青色に見える
人によってはイエローベース、ブルーベースの要素が混在しています。より多くの特徴と重なるベースカラーを参考にするとよいでしょう。
それぞれに似合う色を取り入れると、着こなしの印象がアップ
ベースカラーを知ると、どの色を選べば自分が魅力的に見えるのかが分かるようになります。
◆イエローベース・暖色系の人に似合う色の一例
ベースカラー
・アイボリーやクリーム
・焦げ茶やチョコレートブラウン
・ベージュやオリーブ
アクセントカラー
・朱赤やオレンジ
・グリーン
◆ブルーベース・寒色系の人に似合う色の一例
ベースカラー
・ホワイト
・黒やネイビー
・グレー
アクセントカラー
・ピンクやパープル
・ブルー
イエローベースの人は黄みのある色、ブルーベースの人は青みのある色が似うのが基本です。たとえばブルーベースの人が「イエロー」を着たい場合は、タマゴの黄身のようなオレンジ系のイエローではなく、レモンイエローのような青みのあるイエローを選ぶとよいでしょう。
まずは顔まわりへの影響が大きいトップスから、自分のベースカラーを意識して変えていくと、気軽に印象アップが狙えます。覚えておけば、販売員としてお客様に商品をおすすめするときの接客トークとしても使えますよ。