“給料重視の派遣社員”、“やりがい重視の正社員”と比較されることの多い「派遣社員」と「正社員」。派遣と正社員、どちらの働き方が合っているのかと考えたときに、双方のなんとなくのイメージしか持っていない、という方も多いのではないでしょうか?
今回は、そんな派遣と正社員の働き方について、人材派遣と人材紹介どちらも手がける株式会社エランのキャリアカウンセラー加藤さんにお話をお伺いしました。ご自身の働き方に疑問を感じているという方はぜひ参考にしてみてください。
今回お話を聞かせてくれた転職コンサルタント
エラン
キャリアカウンセラー 加藤 太一さん
派遣の種類
まず、派遣の種類には大きく分けて以下の通り、「一般派遣」「特定派遣」「紹介予定派遣」の3つがあります。
一般派遣
一般派遣とは、派遣労働者が自身の希望する条件で仕事を選ぶことができる働き方。派遣会社に事前に登録を行った後に派遣業務内容と条件を決め、派遣会社と雇用契約を交わして派遣先企業に契約期間従事します。
特定派遣(※2015年9月に廃止)
派遣元である派遣会社の正社員が派遣先に派遣される形態。2015年の改正により「一般派遣」との区分がなくなり、規定の要件を満たした場合にのみ労働者派遣を「許可」される「許可制」に一本化されます。(※平成30年9月29日までの間は緩和措置がとられ、それ以降は「一般労働者派遣事業」の許可が必要となります)
紹介予定派遣
紹介予定派遣とは、ゆくゆくは派遣先の社員になることを前提に、一定期間(最長6ヶ月)派遣社員として従事した後、派遣労働者と企業が双方合意した場合に「正社員」としてその会社に就職できる形態。
給料や労働時間…「派遣社員」と「正社員」の違い
正社員に比べて派遣は、仕事に求められるスペックのハードルが低いため未経験の方が挑戦しやすく、経験があったとしても経験値によって仕事のレベルも多種多様です。また、企業の中には“派遣では募集しているが転職は募集してない”ケースも多く、派遣の方が仕事の間口が広いです。
一方で、正社員はある程度責任あるポジションに就くことを期待されて採用されるため、長期的な展望を持って従事したいという方にフィットします。
よく比較される双方の給料や労働時間ですが、給料面は時給換算すると正社員よりも派遣の方が高くなります。しかし勤務時間に制限があるため、「残業をしてでも成果を出したい」という方より「勤務や時間にこだわりたい」という方に合っています。販売の派遣だと大体3ヶ月更新で、事務職や企画生産の派遣であれば、ある程度長めの「紹介予定派遣」を求める企業も多いです。
福利厚生もあって、有給休暇もとれて残業も少ない。ワークライフバランスをしっかり保ちたいという人にとって派遣は非常に働きやすい雇用形態なのです。
実は「正社員への近道」?!キャリアアップが叶った成功例
販売以外にファッション業界の派遣には、生産、貿易事務など様々な職種があります。外資系企業ではMDアシスタント、PRアシスタントなど“アシスタントクラス”があるのも特徴です。アシスタントは事務作業も多く、処理やサポートスキルが求められるため、派遣が使われることが多々あります。
一見、「派遣で入ってしまうとそれ以上のキャリアアップは無い?」と思うかもしれませんが、実はある程度の年数を重ねて、企業がフィットする人材だと判断した場合、正社員として声がかかるチャンスもあるのです。
実際にエランでも、販売職からPRになりたいけど正社員では難しいから派遣のPRアシスタントとして入社をして、結果実力が認められてPRの正社員になれたという方がいらっしゃいました。ご本人の実力はもちろん必須ですが、派遣であれば入り口のハードルは低いので、あえて入りやすい道を選び、中に入ってから努力することでキャリアアップの可能性も得ることができます。
販売職で経験はないけどPRやMDを目指したい、という方は、語学力や事務処理能力があれば、派遣でアシスタントから入って努力するという選択肢も視野にいれてみることをおすすめします。
派遣と正社員、どっちが合っているかわからない方はまず相談を
キャリアアップに疎遠なイメージがある派遣ですが、ワークライフバランスを大切にしたいという方はもちろん、入ってから努力をして認めてもらう志のある方にとっても悪い働き方ではありません。
少しでも志を持っている方は、派遣と正社員、どっちが自分に合っているのか、まずは相談してみることをお勧めします。エランのように派遣と紹介を両方やっている人材紹介会社では、転職の相談にきたけど結局派遣の働き方の方が合っているかも…と新たな方向性を発見する方もいらっしゃいます。
派遣と正社員、どちらの可能性もあるのです。迷っているという方はぜひ一度コンサルタントに相談してみてください!