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ファッション業界で働く女性の活躍支援団体、WEF公開シンポジウム「グローバルに活躍する-日本が変わる 目線を上げよう-」レポート【前編】

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2015年11月4日(水)、ファッション関連分野で働く女性の活躍支援団体、一般社団法人ウィメンズ・エンパワメント・イン・ファッション(以下、WEF)主催の公開シンポジウムが開催されました。グローバルに活躍する日本女性の代表である、経団連で初の女性役員に就任された、BTジャパン社長の吉田晴乃氏と、一橋大学名誉教授の石倉洋子氏を迎え行われた「グローバルに活躍する-日本が変わる目線を上げよう-」の講演内容をレポートします。

吉田氏は、カナダ、アメリカ、英国の通信テクノロジー大手企業で、営業職として大きな成果を上げ、キャリアアップをされた女性エグゼクティブ。対して石倉氏はフリーランスの立場で経営学者、社会変革リーダーとして自らのキャリアを積まれ、長年に渡りダボス会議(世界経済フォーラム)でも活躍されています。

世界で活躍する日本女性のロールモデルであるお二人だからこそお話しできる、「グローバル化がもたらすこれからの働き方とは?グローバルに活躍するために必要なことは?お二人が考えるワークライフバランスマネジメントについてなど、日本における女性活躍のこれからの可能性を見据えながら、力強く語ってくださいました。

グローバルな時代に必要とされるのは、テクノロジーではなく“人の力”

今回のシンポジウム開催日前週にも中東・アブダビ、その前には米・ニューヨークを訪れ、まさに世界中を駆け巡っていらっしゃる石倉氏は、今全世界で女性に対するフォローの風が吹いていることを、日々肌で感じているそうです。

海外での経験を通して感じられたこれからの働き方に対する考えをお話して下さいました。

「今、世界は刻々と変化しています。今までの働き方は、正社員でなければならない風潮がありました。しかし、これからは必ずしも正社員だけのビジネスではないと思います。

私もフリーランスとして、会社に属さず仕事をしています。おそらく、これからの時代は一人が一つの仕事をするのではなく、幾つもの仕事をするパラレルキャリアやフリーランス、在宅ワークなど様々な働き方が増えていくでしょう。

海外を中心に、新しいビジネスも増えてきています。例えばアメリカで誕生し日本でも展開しているタクシー配車サービス『UBER(ウーバー)』やコミュニティー・マーケットプレイス『Airbnb(エアビーアンドビー)』など新しいアプローチが進んでいます。日本でもよく見かけるようになったシェアバイクのサービスなど、自分のものを所有するよりも、一つのものを他人と共有するようなビジネスが多くなってきました。

このように、世界が刻々と変化している今、何が必要とされるのか?テクノロジーという人もいますが、大切なのはテクノロジーよりも、“人の力”だと感じています。

これからの働き方には、コミュニティー(仲間)が必要で、仲間をつくるには信頼関係がとても重要になってきます。一人では出来ないことも、同じ志を持った人が集まり、力を合わせて大きなプロジェクトを達成する、それが実現出来る時代だと思います」。

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It’s up to you! あなた次第、あなたがどうしたいかを考える

「昔、海外で仕事をし始めた頃に言われた言葉で印象に残っているのが『It’s up to you!』という言葉。女性の社会進出が当たり前ではない頃は、仕事で女性に意見を求めること自体が珍しいことでしたから、何でも教えてくれると思っていました。

『あなた次第』とか『あなたはどうしたいの?』と言われた時、自分がどう思うか、どうしたいか、を明確に持っていなければならないと強く感じました。その代わり、『Ask for help』で聞きたいことはなんでも答えてくれる。まずは自分で考えて、必要なものは何かを考えるようになりましたね。

今の時代は、色々なやり方が出来ると思います。色んな人生があって、色んなキャリアもあり、誰もが存在意義を持っています。自分の今までやってきた事を棚卸しして、自分のユニークさとは何かを知ることが重要だと感じています」。

世界が変化していることを、海外での経験を通してタイムリーに感じていらっしゃる石倉氏。これから社会で必要とされることは、一人ひとりが自分の意見をしっかり持ち発信していくことのようです。

ロールモデルが語る「自分のキャリアパスは自分でつくる」

続いて登壇されたのは、グローバルに活躍する女性エグゼクティブとしてのキャリアパスを、ご自身の力で築いてこられたBTジャパン株式会社代表取締役社長の吉田晴乃氏。

BTジャパンの社長に就任されるまでにご経験されたエピソードを交えてお話しされました。

「私は、2012年からブリティッシュ・テレコムで現在の役職に就いています。2011年の秋、まだ日本に“アベノミクス”も“ウーマノミクス”もなかった頃に、オファーをもらいました。最初はレジュメだけのやり取りでしたので、最終面談で顔を合わせて私が女性だということが分かれば、おそらく落ちると思っていました。

ですが、人事のトップは全くそんな事は気にせず『我々は次のリーダーシップのイメージが明確。そのKPIに当てはまるあなたの性別がたまたま女性だったというだけのこと。何も問題ない』と言いました。非常にセンセーショナルで、その時の感動は忘れられません。私がCEOに就任したことによる世界の反応は大きく、“女性・若さ・外資”という3つの面で、海外にとっても新しいニュースとなったのです。

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今、経済界のトップが女性活用を進めていて、女性の経済外交も広がり始めています。是非、世の中の女性達も管理職を目指して欲しいです。そのためにも、明確な評価システムが日本の企業には必要です。そして、女性は自分のキャリアパスを自分の力で切り開いていかなければなりません

女性の米国商務長官ペニー・プリツカー氏はこう言っています。『世界の消費者マーケットのおよそ18兆ドルのうち、12兆ドルの購買決定者が女性です。それなのに、世界中の企業はなぜトップに女性を置かないのか?』。これまで世界中の企業では、女性がほとんどのマーケットにも関わらず、想像だけで売れるものをつくってきたのです」。

前半では、お二人のご経験を通じてグローバルに活躍するために必要なマインドについてお話していただきました。後半では、WEFの理事のファッションジャーナリスト生駒芳子さんを交えてディスカッション形式の講演が行われます。

レポート後編はこちら。

今回お伺いした主催団体

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WEF(ウィメンズ・エンパワメント・イン・ファッション)

ファッション関連分野で働く女性の活躍支援団体「WEF」では、主要ポストおよび商品企画やMD分野の女性リーダーを増やすとともに、女性個人の成長・成功を助け、企業・産業の成長発展に繋げるために必要な公開シンポジウムやキャリアアップ講座など様々なプログラムを実施しています。

 

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