「内定承諾」はれっきとした契約。企業側も数多くの候補者の中から、選考に選考を重ね、あなたに内定を出しています。しかし、転職がせっかく決まったにも関わらず、現職から強引な引きとめがあった……なんていう経験をされた方もいるのではないでしょうか。
では、引き止めに会うなどして内定承諾後に内定を辞退してしまった場合、どのような事態になりうるのでしょうか?実は、内定承諾後の辞退は業界のタブー!
今回は「内定承諾の意味」について、コンサルタントの方にお話をお聞きしました。
内定を承諾したら、もう後戻りできない?「内定承諾」の意味。
内定承諾=御社に入社するという「契約」をすること
内定承諾とは、転職活動をした結果、転職先の会社から出された内定(雇用条件)を受けることです。
「御社に入社します」というあなたの意思表示であり、雇用契約の成立を意味します。口頭であっても、契約は成立しますので、文書にサインする前でも、契約は成立しています。内定承諾ということは、「御社に入社する」という契約をしたことと同じ意味と考えておくと良いでしょう。
内定承諾後の辞退は契約の不履行となり、損害賠償請求をされるケースも
まず、内定承諾後の内定辞退とはどういう時に起きるのでしょうか?たとえば仕事をしながら転職活動を行っている方の場合は、現職の会社に退職の意思表示をした際に、年俸のアップやプロモーションを提示されるなど、強力な引き留めを受けるといったケースがあります。この現職の出した条件というのが求職者の方の要望にかなりフィットした場合に、「待遇が良くなるなら今の会社に居てもよいかな…」などと考えだしてしまうのです。
「転職して御社の内定を受けると言いましたが、現職から強く引き留められたので、いったんお引き受けした内定ですが辞退したいと思います。」といったように、内定承諾後の辞退をすることになります。
さて、この内定承諾後の辞退という結論にどのような問題が起きるでしょう。
困ったことにこのようなケースは、「契約の不履行」になるため、損害賠償請求の対象となることも。しかし、物事の本質は違うところにあるのです。もし、あなたがこのようなケースに陥ってしまった場合は、次のことを考えてみましょう。
なぜ転職を考えたのか?もう一度考えてみること
そもそも、転職しようと決意した理由は、何だったのか?思い出してみてください。おそらく、現職の会社に対する不満だけではなく、以下のような目的があったのではないでしょうか。
・キャリアアップ
・スキルアップ
・新たな人脈づくり
・顧客満足度の向上
・将来の夢の実現 etc…
上記のことを考えると、現職に引き止められた事実や、同じ場所で待遇がアップするようなことは“今の場所にとどまる理由にならない”のではないでしょうか?
一度承諾した内定は、よほどのことがない限り、辞退せずに初志貫徹することが、将来的にぶれないキャリアプランの構築につながるはずです。意志をしっかり持ち、強く生き抜きたいですね。
今回お話を聞かせてくれた転職コンサルタント
セレンディップ
代表取締役 鈴木 康浩さん