社会人の基本マナー「電話の応対」。前回の記事「今さら聞けない社会人の電話マナー。ビジネスシーンでよくある間違い敬語と言い回し例」では基本のマナーをご紹介しました。今回は、実際に電話をかけるときに気をつけるべきマナーと、シチュエーション別での対応例をご紹介します。
自分から電話をかける際に気をつけるべきマナー
こちらから電話をかける場合、かかってくる電話とは異なり、なるべく相手側の迷惑にならないようにという気遣いが大切です。もっとも重要なポイントは「かける時間帯」。一般的に忙しいとされるタイミングは避け、用件をあらかじめメモしておくなど、話を手短かに済ませられるようにしましょう。
ベストな時間帯は平日の14時〜16時!
一般的な業種の企業の場合、平日の14時〜16時がもっとも電話の応対をしやすい時間帯だとされています。担当者から事前に「◯時にお電話ください」と指定された場合を除き、この時間に電話をかけるのがおすすめです。もし、この時間帯にかけられない場合は、少なくとも下記の「忙しい時間帯」は避けるように気をつけましょう。
- 就業時間外……一般常識的にNG!
- 9時〜10時……始業直後は朝礼やミーティング、メールチェック等で忙しい
- 12時〜13時……昼休みのため担当者が不在の場合が多い
- 17時〜18時……終業前は1日の報告やまとめに追われる時間帯
よくあるシチュエーション別の電話対応例
心の準備もタイミングもばっちりで、話がスムーズにまとまる場合は問題ないのですが、不意の事態に陥ると慣れないうちは焦ってしまうもの。慌てないで済むように、よくあるシチュエーションの対応例を確認しておきましょう。
電話がかかってきたけれど周りがうるさいのでかけ直す場合
騒がしい場所にいるときに応募した企業からの電話が。そんな時の応対例をみていきましょう。
求職者:
はい、◯◯です。
採用担当者:
私、●●商事の△△と申します。この度、一次選考を通過されましたのでその旨お伝えいたします。
求職者:
ありがとうございます!
採用担当者:
それでは、次回面接の日程ですが…
求職者:
大変申し訳ございませんが、ただいま周りが騒がしいため、静かな場所へ移動してから改めてお電話させていただいてもよろしいでしょうか?
採用担当者:
わかりました。
求職者:
10分ほど後で改めさせていただきます。よろしくお願いいたします。
不在着信に折り返す場合のマナーは?
採用担当者からの電話を待っていたとはいえ、全ての時間帯に出られるとは限りません。ここでのポイントはプラスの一言!例文でみていきましょう。
企業窓口:
はい、●●株式会社です。
求職者:
お忙しいところ恐れ入ります。私、◯◯と申します。先ほどお電話をいただいたようなのですが、採用担当の△△様はいらっしゃいますでしょうか。
企業窓口:
△△ですね。少々お待ちください。
求職者:
はい、お願いいたします。
採用担当者:
お電話代わりました、△△です。
求職者:
□□の◯◯と申します。先ほどはお電話に出られず申し訳ございません。お忙しいところ恐れ入りますが、折り返しご連絡させていただきました。
相手のいうことがよく聞き取れなかった場合
電波が悪くて聞き取れないことがあるのが電話でのコミュニケーションの難しいところ。特に転職にまつわる重要な事項は聞いた振りをせず、しっかり確認することが大切です。
採用担当者:
次回の面接日時ですが、△月×日の14時はいかがでしょうか?
求職者:
△月×日の…、申し訳ありません、時間が聞き取れませんでした。
採用担当者:
14時はいかがですか?
求職者:
14時ですね。はい、結構です。では△月×日の午後14時にお伺いいたします。
採用担当者:
お待ちしています。
求職者:
お忙しいところお電話いただきありがとうございました!失礼いたします。
いかがでしたか?慣れない転職活動だと、最初は緊張してしまうことも多いかもしれませんが、「ありがとうございます」や「申し訳ございません」など、クッション言葉を付け加えることで良い印象を残すことができます。
一番重要なのは真摯に受け答える姿勢。多少言い間違いをしても感謝の気持ちを伝えることも必要です!