実際にファッション業界で働き始めると普段聞きなれない用語に出会うこともしばしば。特にアルファベットで省略された用語などはなかなか使い慣れるまでに時間がかかってしまう方も多くいます。
今回は、Fashion HRがチョイスするアルファベットだらけの「ファッションビジネス基礎用語」をお届けします。ご存知の人もおさらいしてみてはいかがでしょう!
【ビジネスモデル/マネジメントに関する用語】
・SPA
「Speciality store retailer of Private label apparel」(スペシャリティーストアリテイラーオブプライベートレーベルアパレル)の略称。
企画から生産、販売、在庫管理まで垂直統合したビジネスモデルを指します。日本では「製造小売業」とも言い、GAPやH&M、ZARAやユニクロなどが代表的な企業。顧客ニーズに迅速に対応できることから無駄が減るうえ、リーズナブルな価格で製造できる、ロスを極小化するビジネスモデルと言われています。
・KGI
「Key goal Indicator」(キー・ゴール・インジケーター)の略称。
日本語では重要目標達成指標となり、企業の経営戦略やビジネス戦略を達成するための成果指標のことです。“goal”とあるように、企業全体の大きな目標、方向性の決定を指します。この明確なゴール(結果)に向けて進むべきプロセスをKPIで設定します。
・KPI
「Key performance Indicator」(キー・パフォーマンス・インジケーター)の略称。
KGIを達成するために設定する中間指標で、日本語では重要業績評価指標となります。例えば「1年後までにECの売上げ30%アップ」をKGIに設定した場合、「SNSからの流入数や拡散数を○月までに○倍にする」などの目標を設定し、具体的なアクションを立案していきます。KPIは売り上げの増減を左右する各種指標になります。
【職種に関する用語】
・CRM
「Customer Relationship Management」(カスタマー・リレーションシップ・マネジメント)の略称。
顧客の情報や取引、関係を管理・分析し、個々に合った対応をすることで売上や利益を向上させるマネジメント手法です。日本語では「顧客関係管理」「顧客管理」となり、顧客のニーズをくみ取り長期価値を最適化することは、one to oneの顧客戦略が求められる現状で実用不可欠だと言われています。
・HR
「Human Resources」(ヒューマン・リソーシズ)の略称。
直訳すると「人材資源」となり、いわゆる企業の人事部を意味します。人事部は採用から配置、教育など、人材に関する業務を行う部署です。当サイト「Fashion HR」にも使用していますが、人的資源に関する事業領域を「HR業界」と表現します。
【生産管理に関する用語】
・ODM
「Original design Manufacturing」(オリジナル・デザイン・マニュファクチャリング)の略称。
委託元(ブランドなど)からの依頼で、他社がブランドネームの商品のデザインから生産までを請け負うことを指します。ODMでの経験を活かし、自社ブランドを立ち上げる企業も少なくありません。
・OEM
「Original equipment Manufacturing」(オリジナル・エクイップメント・マニュファクチャリング)の略称。
委託元(ブランドなど)で販売されるアイテムを生産すること、または生産するメーカのことを指します。アパレル業界において、自社生産でアイテムを作っている企業は少数で、ほとんどが生産のみを他社に委託します。
・QC
「Quality Control」(クオリティー・コントロール)の略称。
日本語にすると品質管理です。商品は、出荷・納品前に必ず検品する必要がありますが、アパレル業界では製品の伸縮やキズなどの確認に加え、残針や皮膚障害の検査などが製造物責任法(PL法)で義務付けられています。その他、品質管理の部署名、または不良品を指す場合もあります。
・SKU
「stock keeping unit」(ストック・キーピング・ユニット)の略称。
在庫管理を行う際の、最小単位のことを指します。ファッションアイテムは、Tシャツ・スカート・パンツなどの品目ごとに品番が割り当てられますが、同じ品番のアイテムをサイズと色で細分化して管理する必要があります。例えば4サイズ(S/M/L/XL)、3色展開の商品は、12SKUで在庫管理されます。
【販売員etcに関する用語】
・BIN
「Bargain-In」(バーゲン・イン)の略称。
先シーズンの商品を値引きにて販売すること。
・BOT
「Bargain-Out」(バーゲン・アウト)の略称。
店頭以外の催事場などで2シーズン以上前(企業によって異なる)の在庫を値引きにて販売すること。
・AT
「Amount per Transaction」(アマウント・パー・トランザクション)の敬称。
一人当たりの単価、客単価のことを意味します。1会計あたりの平均売上げを指します。
・AUR
「Average Unit Retail」(アベレージ・ユニット・リテール)の敬称。
一点あたりの単価を意味します。売れた商品の平均価格で、どの価格帯の商品がよく売れるのかを可視化することができます。
・UPT
「Unit per Transaction」(ユニット・パー・トランザクション)の略称。
販売時のセット率のこと。つまり、一人が1会計あたり平均して何個の商品を購入しているかの指標です。