おしゃれは足元から、とよく聞く通り、靴は足元を彩る大事なファッションアイテム。その中でも幅広いデザインが展開され、これだ! という一足を探すのに頭を悩ませてしまうのが「スニーカー」。シンプルなコーディネートのアクセントにしたり、きれいめなテイストに抜け感を持たせたり、全体でルーズにまとめてみたり、取り入れ方はさまざまです。今回は、そんなスニーカーの押さえておきたい代表的なジャンルや、知っておきたい用語、さらに最近トレンドに浮上している「スニーカーブーツ」について紹介します。
【目次】
・スニーカーとは?
・スニーカー文化の変遷
・代表的な5つのスニーカージャンル
・知っておきたいスニーカー用語
▶履き口の高さでこう言い分ける
▶あのスニーカーはこう呼ぶ
▶あらゆる靴のスニーカー化
・2025SSのトレンドに浮上したスニーカーブーツ
スニーカーとは?
ゴム底を使った布製または革製の靴を総称して「スニーカー」と呼んでいます。コツコツと足音が鳴る靴とは対照的に、柔らかいゴム素材を使用しているスニーカーは、足音を立てずそっと忍び寄ることができることから、「人目を忍ぶ・こそこそする」という意味の英語「sneak」が語源となっています。
スニーカー文化の変遷
スニーカーは運動靴の総称で、元々はスポーツの道具に過ぎなかったアイテム。1860年代のアメリカで誕生した後、アスリートが機能性を重視してクロッケーやテニスなど競技用アイテムとして使用していました。次第にシューズブランドがアスリートを起用したプロモーションを行い、大衆の注目がスニーカーに集まるようになったと言われています。さらに、ハリウッドスターがスニーカーを履いたスタイリング広告をきっかけに、競技用としてではなく、街履きとしてスニーカーを取り入れる考え方が浸透していきました。そこから普遍的なファッションアイテムに発展したとされています。
代表的な5つのスニーカージャンル
▶バスケット
バスケットボールの競技用として作られたスニーカー。ソールが厚く、グリップ力などの機能性に優れ、跳んだり走ったりする激しい動きに耐えることができる耐久性の高さが特徴です。カジュアルな印象が強く、ストリートコーデを彷彿とさせるアイテムのひとつ。
▶コート
テニスやバドミントンのコート上で使用するために作られたスニーカー。しなやかで屈曲性があるフラットなソールと、強度の高いレザーがアッパーに施され、ハードな動きにも対応できます。時代に左右されないシンプルなデザインが特徴のため、クリーンで上品な印象を与えます。
▶スケート
スケートボード用に作られたスニーカー。かかとからつま先まで凹凸がなく安定感のある平らなソールと、耐久性が高く傷みにくい頑丈な素材でできているのが特徴で、長持ちしやすいタイプ。スタイリッシュで洗練されたデザインが多く、清潔感もあるため、普段使いにも最適です。
▶ランニング
ランニング用に作られたスニーカー。走りやすさを重視した可動域の広さ、足への衝撃を和らげる高いクッション性と柔軟性が特徴です。デザイン展開もバリエーション豊かで、目を引く派手な配色のスニーカーはランニング用であることが多いです。特徴的なデザインは足元が主役になるため、軽快な印象を与えます。
▶アウトドア
キャンプやハイキングなど、アウトドアシーンで快適に過ごせるよう作られたスニーカー。防水性や撥水性、通気性に優れ、過酷なアウトドア環境に耐えられるような高機能が備わっているのが特徴です。エッジが効いたデザインはアクティブで個性的な雰囲気を漂わせてくれます。
知っておきたいスニーカー用語
履き口の高さでこう言い分ける
▶ローカット
履き口が足のくるぶしより低い位置にあるスニーカー。軽量で自由度が高く、季節を問わず履くことができます。さらに脱ぎ履きがしやすいため、普段使いにぴったりな定番スニーカーのひとつ。
▶ハイカット
履き口がくるぶしよりも高い位置にあるスニーカー。ホールド力が強く、足にフィットするため、安定感のある快適な履き心地です。ボリュームのあるフォルムで存在感があり、ファッションのアクセントにもなります。
▶ミドルカット
履き口はくるぶしが隠れる程度。丈の高さもローカットとハイカットのちょうど中間のスニーカーです。ローカットよりも足首のサポートがあり、ハイカットよりも軽量。程よいボリュームで足元にこなれ感を出してくれるスニーカーです。
あのスニーカーはこう呼ぶ
▶ハイテク
先進的な機能を搭載したスニーカーを指す言葉。最新技術や最新機能を導入して軽さや歩きやすさを追求しており、近未来的なデザインが多いのも特徴です。
▶ローテク
古くから「定番」として展開されているスニーカーを指す言葉。各スニーカーブランドで名作と称されるモデルが多く、ハイテクスニーカーと対極をなす存在です。
▶シューレス
靴紐のないスニーカーを指す言葉。靴紐がない分、見た目もスマートで楽に履くことができ、スリッポンとも呼ばれています。
▶バンド
面ファスナーやゴムバンドでサイズ調整ができるスニーカーを指す言葉。簡単な調節で子ども用から介護用まで幅広く親しまれており、ベルクロスニーカーとも呼ばれています。
▶ダッド
分厚いソールでボリュームのあるスニーカーを指す言葉。いわゆる“厚底”スニーカーのことで、「お父さん」「おじさん」を示す英語「Dad」が語源となり、休日のお父さんが履くような、“絶妙にダサい”雰囲気のスニーカーという意味が由来となっています。
あらゆる靴のスニーカー化
▶バレエスニーカー
フェミニンなバレエシューズとボリュームのあるソールを合わせたスニーカー。甲にあしらったさりげないリボンや、幅広く丸い履き口など、バレエシューズのデザインはそのままに、カジュアルさと女性らしさを兼ね備えています。
▶スニーファー
クラシックなローファーにスニーカーソールを合わせたスニーファー。リラックスできる履き心地ながら品のある印象を与えるため、カジュアルからフォーマルまで合わせやすいデザインになっています。
▶ウェッジスニーカー
主にパンプスに用いられる、“かかと部分が高く、つま先に向かって低くなる三角形のウェッジソール”と合わせたスニーカー。いわゆる“厚底”とも呼ばれており、スタイルアップが叶うデザインになっています。
2025SSのトレンドに浮上したスニーカーブーツ
常にアップデートされ、目まぐるしく変化していくスニーカーのトレンド。中でも2025年春夏は、レースアップシューズが注目されているため、スニーカーとブーツが融合したデザインの「スニーカーブーツ」がトレンドとして浮上しています。
欧米のトレンドと日本のテクノロジーを融合させたハイブリッドシューズブランド「YELLO(イエロ)」での代名詞的商品、ソックスのようにフィット感のあるスニーカーブーツをはじめとし、これまでも多くのブランドから展開されてきたアイテムでもあります。
主に保護力の高さと軽さが特徴のボクシングシューズ・レーシングシューズからインスピレーションを受けてアレンジされた「スニーカーブーツ」。ディオールやステラマッカートニーなどのブランドが発表した最新コレクションでは、薄型のアウトソールに、きゅっとくびれのあるかかとや、ひざ下までのレースアップで形成されたスニーカーブーツなどが登場。ユーズド感のあるデザインでレトロな雰囲気を醸し出しており、伝統と現代的デザインが融合した、新鮮味のあるスニーカーとも言えそうです。
圧倒的な存在感があり、ハイファッション系のデザインを取り入れたスニーカーブーツは、これまでのスタイルを一新してくれること間違いなしです。