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その一言、セクハラになっていませんか?異性の社員との円満コミュニケーション術


セクハラの話題に事欠かない昨今。異性の部下とコミュニケーションを深めたくても、気軽に声をかける前に「まてまて、この発言はセクハラになるのだろうか……」と、心の中で悩むようなケースも増えているのではないでしょうか。

相手の心情に配慮するのは非常に大切なことです。しかしその一方で、気を使うあまり人間関係そのものが面倒になり、お互いのことに立ち入らないドライな関係がよし、とされるのはやはり寂しいもの。

今回は異性の部下への会話によるコミュニケーションを中心に、ちょっとした声かけの際にセクハラになりやすい・なりづらいポイントについて考えてみましょう。

イケメンなら許されるって、本当?

世の中には「イケメンなら同じことを言っても許されるのでは」という意見もありますが、そういう誤解を生んでいる原因は、明らかに性的なことを言った例は別として、それ以外のセクハラの基準が分かりづらいところ。何がOKで何がNGか分からないと、特定の人が許されているように見えて「容姿のせいだ!」と結論づけてしまいがちです。

大切なのは、イケメンや美人が徳か損かのような、人それぞれ答えの違うことに時間を割くより、男女とも気持ちよく働いて、力を発揮できる環境がどう作れるかに注力すること。そのためには個人差があることは前提にするものの、大まかな性差による受け止め方の違いを頭に入れて接することが必要です。

一つひとつ、実際の例を参考に考えてみましょう。

「きれい」や「素敵」など見た目をほめちゃいけないの?

<ケース1:40代の男性上司(アパレル企画)>

いつもセンスのよい20代の女性部下。流行のエッセンスをふだんから取り入れており、今朝はまだ秋のはじまりなのに、いち早く今年の流行色であるビビッドなピンクのブラウスを身につけていた。感心して「今日もすごく素敵だね」と声をかけたら、なんだか微妙な表情をされてしまった。

ポイント!:ほめるときは、本人の魅力よりも持ち物を

なんのいやらしい意図もなく、よかれと思ってほめたのに……と思いがちですが、「素敵だね」「かわいいね」「きれいだね」などの言い方は、女性としての魅力を判断されたように聞こえてしまうことが原因です。女性として魅力があることは決して悪いことではありませんが、目の前の異性に、勝手に評価の対象にされるのは余計なお世話に思えるもの。

ほめるのはいいことですから、誤解を招かない方法として持ち物やセレクトなどのセンスをほめるほうが素直に喜んでもらえます。

✕ 「今日もすごく素敵だね」
◎ 「今日の着ている服の色、秋らしくていいね」「いち早く流行を取り入れていてさすがだね」

カレシやカノジョ、結婚の話題について触れちゃダメ?

<ケース2:50代の男性上司(アパレル営業)>

もっとコミュニケーションを取るためには、仕事ばかりでもダメだ、と思い、部下たちを誘って食事会へ。お酒も入り、場もあたたまってきたのでつい「彼氏いるのか?」と聞いてみたけれど、「いないとまずいですか?」と今ひとつ話題は盛り上がらず。後になってまずかったかなと反省。

ポイント!:パートナーの有無、結婚の話は向こうがしてくるまで待つのがベター

聞く側にとっては単なる話題なのですが、「いる」と言えば「どんな人?」、「いない」と言えば「なんで?」など、掘りさげるとパーソナルな女性観・男性観を聞く質問である、という点に注意しましょう。また、当人がLGBTである場合、女性だから「彼氏」、男性だから「彼女」と決めつけて話すことも、居心地の悪さを感じさせます。「パートナーの有無」や「結婚願望」については、基本姿勢として自分から話してくれるまで待ちましょう。恋愛を話題に出すなら「好きな性格」など、相手の有無に関わらない質問を。

✕ 「彼氏(彼女)いるの?」
◎ 「どういう性格の人が好き?」

 

<ケース3:60代の男性社長(アパレル卸売)>

バリバリと仕事をこなす、頼りになる30代の既婚女性リーダー。ある案件で意見が異なり、強く意見してきたので、ついふざけた気分で「怖いなぁ。家でご主人を尻に敷いちゃダメだぞ」と言ったら、少し元気がなくなってしまった。

ポイント!:仕事とプライベートを混ぜて話さない

女性と接するうえで気をつける点として、「真剣に仕事に取り組む」ことを求めながらも、「女性らしさ」「家庭的」というダブルスタンダードを要求しないこと。さらに悪いのは、よく知らない「ご主人」の存在までを揶揄したように聞こえてしまうことです。注意するなら、「女性らしさ」を引き合いに出すような表現をやめて、問題の部分のみを注意しましょう。

また、女性上司が男性部下に「そんなんじゃ、彼女できないわよ」などと言うのも同じことです。仕事の姿勢がどうであれ「彼女・妻の有無」とは関係ないため、仕事とプライベートを混ぜて話さないように気をつけましょう。

✕ 「怖いなぁ。家でご主人を尻に敷いちゃダメだぞ」
◎ 「怖いなぁ。熱心なのは分かるけど、けんか腰に聞こえるような言い方はよくないぞ」

 

<ケース4:50代の男性上司(アパレル事務)>

先日、同じ部署の女性社員がおめでたで産休に入ることに。同期の既婚女性が業務を引き継いでくれているので、ねぎらうついでに「●●さんは子供の予定はあるの? きみまで産休に入っちゃうと困るからさ」と言うと、苦笑いされて返事がなかったので、まずいことを言ったかもと思った。

ポイント!:妊娠の話はとくにデリケート。本当に必要があるときだけに

まず前提として、妊娠は自分で選択することができない事柄なので、予定を聞かれても困る人がほとんど。さらに不妊で苦しんでいたり、婦人系の病気を抱えていたりするケースもある非常にデリケートな話題です。長期で行う重要なプロジェクトのメンバーに抜擢するなど、よほどの場合にのみ聞くのはやむを得ませんが、それでも伝え方には細心の注意を。とくに重要でないなら、触れないほうが無難です。

✕ 「●●さんは子供の予定はあるの? きみまで産休に入っちゃうと困るからさ」
◎ 「休暇が必要なときは協力するから、早めに相談してくれるとありがたいな」

女らしさ、男らしさってもう古い?

<ケース5:30代の女性店長(ショップスタッフ)>

入荷があったので、男女1名ずつ部下を連れてストックルームへ。大量の段ボールを運ぶ際、女性のほうがさっさと運ぶのに対し、男性のほうが慣れていないのかふらふらとして頼りない。「男なんだから、しっかり持って」と言ったのだが、後日別なスタッフから「●●くん、傷ついたみたいですよ」と言われた。

ポイント!:“女は”“男は”は、仕事の現場で言わなくていい

それぞれが、理想の女性像・男性像を持つことは自由ですが、それを部下に求めるのはお門違いです。力の強い女性もいれば、力が弱い男性もいていいのです。性別に対する価値観を押しつけないように気をつけましょう。

✕ 「男なんだから、しっかり持って」
◎ 「落とすと危ないから、しっかり持って」

 

<ケース6:50代の男性上司(アパレル営業)>

はるばる出張でいらした得意先の接待の席に、女性課長、新人男性を1名ずつ連れて同席。新人男性がお客様にビールを注ごうとしたところ「女性に入れてもらったほうが美味しいから」と言われ、以後、女性課長がお客様にビールを注いでいた。何か言うべきだったのか、とモヤモヤしている。

ポイント!:やんわりと、平等に扱うことが大切

女性社員にだけ「お客様にお酒を注ぐ」役割が生まれるのはNG。相手が得意先である場合、事を荒立てないように、ということが優先されますが、そういうときに上司がフォローしないと「この人も女性がお酒を注ぐべき、という考え方なんだ」と部下に判断されても仕方ありません。そういうときに女性本人が「私は注ぎません!」とは主張しにくいことを考えると、上司または新人男性からの助けが必要です。笑顔を交えながら「うちの社員は、あなたにみんなお酒を注ぎたいんですよ」と上司本人が注ぐ、など深刻なムードにならないように助けを差し伸べましょう。「女性の役割だ」という決めつけが生まれるのが問題なのであって、注ぐ人のなかに女性もいれば男性もいる、となれば八方丸く収まります。

✕ (何もしない)
◎ 「いやいや、ぜひ僕からのお酒も飲んでください」(と男性陣も注ぐ機会を作る)

下ネタは百害あって一利なし!

お酒の席などで下ネタを話題に盛り上がる人がいますが、同性同士だと面白い話も、異性間だと受け止められない、など内容にある性差が大きいのが下ネタ。こと男性グループが下ネタで盛り上がる中、女性が居心地の悪い思いをしている、という構図は珍しくありません。

また、下ネタが笑えるかどうかには個人差があり、同性同士だとしても不快に感じるケースがあります。こんなことも開示できる面白い人、さっぱりした人、と評価されたい狙いがあるのかもしれませんが、職場内での話題としては不快な思いをさせるリスクが高いことを認識しておきましょう。

「笑ってるからOK」じゃない!

「相手が不快に思っていることを気づかなかった」という言葉が、セクハラをした人からよく聞かれます。それはいちいち「セクハラです!」と相手に訴えることが「面倒なやつ」と思われて、仕事がしにくくなるのを避けて、愛想笑いで乗り切っているだけ。相手が笑い顔をしているか否か、を判断基準にしないで、そもそもの発言内容に気をつけましょう。

 

セクハラが話題になってから「息苦しい社会になった」というムードも少なからずあるのではないでしょうか。しかし、2018年4月に日経新聞が働く女性1,000人を対象に行った調査では、6割超の女性が「(セクハラを)我慢した」と回答、その主な理由を「仕事に悪影響を及ぼすから」と答えています。

男女とも言葉の使い方に配慮すれば、性別の差でイヤな思いをすることがお互いに減るはず。仕事の現場では「人」対「人」の精神で、気持ちよく働きましょう!

 

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