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【ニット編】素材の種類について知っておきたい|アパレル業界マテリアル辞典

ファッション業界で働く上で求められるファッションアイテムの「素材=マテリアル」の知識。今回は、冬のシーズンによく使われることの多いマテリアル、ニットの素材についてピックアップしました。誰かに聞かれてからググるのではちょっと遅いかも?自信があるという方もおさらいがてら、チェックしてみてくださいね。

知っておきたい!ファッション・アパレル業界マテリアル辞典【ニット編】

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ニットに使われる「動物繊維」とは?

秋冬シーズンによく登場するカシミヤ、ウール、アンゴラ、アルパカなどなど。これらはすべて「動物繊維」と呼ばれる素材です。「動物繊維」とは、ネーミング通り動物からとれる繊維。動物といっても幅広く、羊や山羊といった哺乳類の体毛だけではなく、蚕などの昆虫類も含まれます。

動物性たんぱく質や油分を含んだ「動物繊維」は保温性に非常に優れているため、冬の防寒具として古くから重宝されてきました。動物繊維を使った毛織物は、約5000年前からつくられていたとも言われており、その歴史は古く、長年人の生活に密着してきた素材なのです。

下記で「動物繊維」のなかからニットアイテムによく使われる素材をピックアップしてご紹介していきます。

カシミヤ

高級ラグジュアリーブランドのニットアイテムに非常に多く使われているカシミヤは、トレンドに敏感な層から年配層まで幅広く愛されています。ですが、たんぱく質を多く含むカシミヤは虫に弱く、柔らかな肌触りの反面、型崩れしやすいというデメリットも。収納時には汚れの定着やそれらをエサとする虫害を防ぐためにブラッシングでケアをし、防虫剤と一緒に収納しましょう。

【特徴】ラグジュアリーな光沢感と滑らかな肌ざわりが楽しめるカシミヤですが、ヒマラヤ原産のカシミヤヤギ1頭からとれる柔毛は約150〜200g。その希少さから“繊維の宝石”とも言われています。複雑な組織が何層にも重なっているため、非常に多機能な繊維で、軽量なのに抜群の保温性を誇ります。

 

アンゴラ/モヘア

レディースのニットアイテムのなかでも格段フワフワな素材感で毎年人気のアンゴラ/モヘア。ふわっとした質感を出すため、緩めに編むスタイルが多いことから着用時は引っ掛けに要注意です。また、1日着用したら湿気を取り、2~3日着用をせずに衣類を休めると毛の光沢等が回復します。翌年のシミを防ぐためにも、着用時期が終わればクリーニングに出すようにしてください。

【特徴】フワフワな素材感のアンゴラ/モヘアはアンゴラヤギ、アンゴラウサギの体毛から作られています。アンゴラは一般的ウールや化学繊維と混合して使用されることが多く、軽さもあるためコートやセーターなどの重衣料に使われることも。発色が良いのも特徴で、アンゴラ100%のニットアイテムにパステルなどカラーバリエーションが多いのも人気の理由です。

 

アルパカ

セーターによく使われるアルパカ素材は、きめ細かな毛が特徴で、水や油、臭いを吸着しにくいという繊維の性質があります。そのため、着用後にはホコリを落とし、平置きで陰干しするのがおすすめ。万が一、シミがついた場合には、擦らないように当て布などをして水でシミを抜きをし、クリーニングに出すと良いでしょう。

【特徴】セーターによく使われるアルパカ素材は、南米のペルーやボリビア高地に主に生息するアルパカの体毛から作られています。油分を多く含み、撥水性に富んでいるため汚れにくく、丈夫で毛玉になりにくいのが特徴です。アルパカでもベビーアルパカは非常にしなやかな肌触りで、なかでも最高級品といわれるヴィキューナは「幻」と言われる最高品質の素材です。

 

シルク

非常に細い繊維のため肌触りがよく地肌に着用してもチクチクしないことから、年齢層幅広く愛用されているシルク。身に纏うと肌を紫外線から守ってくれる素材ですが、紫外線を吸収することで黄ばんで染みになりやすいデメリットもあります。保管する時は、直射日光や蛍光灯の当たらない場所で、湿気にも気をつけると長持ちします。

【特徴】蚕(かいこ)が吐き出す繊維からできるシルクは、艶っぽく光沢があり、まるでパールのようだと言われています。天然繊維で長繊維(連続した長さを持つ糸)はシルクだけで、紡績(繊維を糸の状態にすること)も必要ありません。デリケートな素材のため、ピリングやアクセサリーなどによる引っ掛けには要注意です。

 

メリノウール

オーストラリアで最高級とされるメリノ羊からとれるメリノウール。手洗いやおしゃれ着洗いで着まわせるので登山などにもおすすめです。ただ、他の素材と比べて毛玉ができやすく、水に濡れると縮んで硬くなりフェルト状になってしまうことがあるため洗濯では注意が必要です。また、保水力が高いため乾くのに時間のかかる素材です。

【特徴】メリノウールは保温性に優れていて、通気性もよく、比較的匂いも少ないため、デイリーからアウトドアまで様々なシーンで愛用されています。吸収した汗を気体状にして放出することで体を冷やして夏でも涼しく感じられ、クリンプと呼ばれる繊維の縮れ部分で熱を外に逃がしにくくするので高い保温力も感じられるので、1年を通して人気の素材です。

 

ラムウール

軽く、肌触りもよいラムウール。実はお手入れも簡単で、汗などの湿気を逃がすように、週に1回、1~2時間ほど風通しのよい日陰で干すのが良いでしょう。色あせや変色を防ぐために、直射日光は避けてください。ただ、水で洗うと縮んで固くなりやすいため、着用期間を過ぎればクリーニングに出すのがおすすめです。

【特徴】ラムウールは生後5〜7ヶ月前後までの仔羊から刈り取られます。そのため、ウールよりも繊維が細く柔らかいことから、使い心地の良い素材と言えます。チクチク感も少ないため、アンゴラ素材と混合したマフラーなど、直接肌に触れる顔まわりなどのアイテムに使われることも多いようです。

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さらに覚えておきたい!ニットアイテムに関する用語集

チャンキーニット

「ずんぐり=チャンキー」という意味を持つチャンキーニットは、ローゲージで極太の毛糸で編むニットのこと。極太な糸のため大きなスティックを使用したり、アームニッティング(腕編み)で作られるほど。ざっくりニットやマフラーなどのファッションアイテム以外にも、ブランケットやクッションカバーなどのインテリアアイテムに使用されることも多いです。 

カットアウトニット

カットアウトとは、衣服のある部分をくりぬいたり、切り取ったりしてデザイン上のアクセントにする手法です。トップスやシューズ、水着などに施されていることが多く、2021-22年秋冬はニットでも人気のデザインとなっています。特に今シーズンは、脇腹や腰などの意外な部分の肌見せで、シンプルなフォルムを印象的に変化させているのが特徴と言えます。

3Dニット

無縫製で編み上げる日本発の最先端技術を駆使して生まれたニットウェア。一着まるごと縫い目なく編み上げることで、立体的なシルエットや美しいとドレープ感を生み出すごとができます。また、90年代頃に世界的に流行した、個性的でカラフルな“立体編み”が特徴のニットウェアのことも「3Dニット」と表現されますが、まったく別のものを指します。

ハイゲージ/ローゲージ

ゲージとは、ニットの網目の細かさを表す単位のこと。一定寸法中の網目の数が12ゲージ以上をハイゲージ、5ゲージ以下をローゲージと言います。ざっくり言えばインナーや一枚で着る網目の細かいニットはハイゲージ、アウターや羽織で着る網目の大きいニットをローゲージと言います。

グラニーニット

グラニーとは「おばあちゃん」の意。まさしくおばあちゃんが着ているような“ちょいダサ?風”のレトロな雰囲気のニットは、今年もトレンドの台頭に。主にグラニースタイルを取り入れているのがグッチやクロエ、ロエベなど。どこか懐かしい、そして新しさもあるようなニット柄にボウタイブラウスやプリーツスカートを合わせるコーディネートを提案しています。

ケーブルニット

針金などで縄のように編むニットや、ケーブル編みを胸や袖などに施したセーターのことを指します。英国で古くから着用されているフィッシャーマンニットの網模様もケーブル編み。1枚で存在感があることから冬のメインアイテムとして人気がある。※下記の画像にあるような柄もケーブル編み。

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フィッシャーマンニット

別名アランニットと呼ばれるフィッシャーマンニット(またはフィッシャーマンズニット)。その名の通り、今から500年以上前にアイルランドやスコットランドの過酷な海で働く漁師たちが愛用したとされる防寒用の手編みセーター。凹凸のある太い縄編みとボリューム満点なデザインは、ファッションアイテムとしての人気が高く、カジュアルブランドを中心に生産されています。

エルボーパッチ

エルボー(肘)+パッチ(あて布)で「肘あて」の意味を持つエルボーパッチは、もともと紳士服のジャケットやセーターの補修や補強としてつけられるものでした。今ではほとんどが装飾として付けられており、デザインの定番になっています。有名ブランドが出しているエルボーパッチと言えば、マルジェラのニット!

カウチンセーター

カナダ・バンクーバー島に暮らすインディアン、カウチン人によってつくられたというカウチンセーター。アイボリーやグレー、ブラックを中心とした脱脂していない毛糸で編まれたセーターの中央には、鹿やイーグルなどといった動物の模様がデザインされています。アウターとして着られるほど防寒性に富んでおり、歴史は古いながらも、様々なバリエーションが生まれ続けています。

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