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プレイヤーから店長へ。トップセールス販売員に聞く接客の心得|H.P.FRANCE BIJOUX椎熊祐美子さん

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さまざまなジュエリーデザイナーによる個性豊かなアイテムを取り扱うH.P.FRANCE BIJOUX(アッシュ・ペー・フランス ビジュー)。需要の高まりにより、ブライダルのリングやドレスも充実し、デザイン性を重視する人々から高い支持を得ています。

表参道ヒルズ内にある、「森」をテーマにしたシックなショップ空間が印象的な表参道店で店長を務める椎熊祐美子さんは同社でトップクラスの売上を誇る敏腕販売員。接客販売の魅力や、お客様をファンにする秘訣についてお伺いしました。

個人売り上げトップを誇るプレイヤーから店長にステップアップ

−これまでのキャリアについてお聞きできますか?

2008年新卒で入社し、この表参道店に配属され販売を行ってきました。2011年ブライダル担当を経て、2016年度から店長として、販売やマネジメントなどの業務を行っています。

−なぜファッション業界に、そしてジュエリー販売のキャリアを進むことになったのでしょうか?

大学では英文学を学んでいて、ジュエリーなどを専門的に勉強していたわけではないのですが、ブライダルやジュエリーにはもともと興味がありました。そこで、H.P.FRANCEのクリエイションに惹かれて応募しましたが、実はブライダル業界にも応募していました。ブライダル以外にアパレルを扱っている会社を受けたのはH.P.FRANCEだけでした。

入社が決まり、ジュエリーに携わりたいということは最初から強く伝えていて、そこで配属されたのがH.P.FRANCE BIJOUXでした。当時は今ほどシェアは大きくありませんでしたが、ブライダルも扱う業態だったので、結果的に興味のあったブライダルにもジュエリーにも携わる場所に配属されたことはとても幸運だったと思います。

−表参道店でブライダルのシェアが大きくなってきたタイミングは?

2011年頃からニーズが高まり、H.P.FRANCE BIJOUXとして扱うブライダルの認知度も上がってきました。その頃に表参道店でドレスやシューズ等ブライダルアイテムの扱いが広がり、ジュエリー以外のシェアも増えてきました。店舗のなかでもいくつか担当があるのですが、特に表参道店はブライダルのシェアが大きいということで、私は5年間ブライダル担当として、多くの知識、経験を得ることができました。また表参道店においては重要なカテゴリーですので、売上の管理についても学ぶことができました。

−プレイヤーから店長へ。業務にも変化があったと思います。

そうですね、基本的な業務は増えましたが、チームの協力があって成り立っています。プレイヤーの頃以上にスタッフの大切さを強く感じるようになりました。店長にはマネジメントがメインのタイプと、プレイヤーの一人として接客も行っていくタイプ、2つあるかと思うのですが、私はどちらかというとプレイヤー型の店長です。なので店頭に立つ時間をとても大切にしています。スタッフのケアも含めて副店長に協力してもらって、2人で上手く分担しています。

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「ジュエリーが豊かにしてくれる瞬間を、お客様と想像し、共有したい」

−プレイヤーである椎熊さんの接客の心得とは?

お客様がモノを買うとき、特にジュエリーには「ストーリー」が必ず背景にあると思うんです。金額や詳細は覚えてなくても、「あのときそういえばご褒美で買ったな」とか、何かそのものを見たときに背景が思い出せるよう、それに伴うようなサービスです。そのために、まずはその方についてもっと知りたいと思うんです。表面上の情報ではなく、その方を知るための様々な情報をできるだけ短時間で知ることが大切だと思っています。お客様との距離を縮めるスピードは早いかもしれません。

−それは大きな強みですね。ジュエリーの世界観や情報を一方的にこちらから伝えるというよりも、まずはお客様のニーズや内面を引き出すことから始めるんですね。

一方的にブランドのことだけを伝えてもお客様が興味を持つわけではないですからね。新人の頃、最初の声のかけ方でいかにそれでお客様にこちらを向いてもらえるかが大切なのだということを当時の上司に教えてもらいました。何も知識がなくても思いが伝わればお客様と心を通わせることができるのだと学びました。

−トップセールスにより海外研修制度の研修生に選ばれたそうですね。

はい。2014年から始まった制度なのですが、初回に実施されたパリ研修のメンバーに選んでもらいました。制度開始当初は全社での売り上げ上位7名が選ばれ、パリのファッションウィークの期間、プラス数日間で実際にショーや展示会場を回りました。弊社が扱っているパリのブランドのショップにリサーチに行ったりできたのも良い経験になりました。

−研修で得たものとは?

実は初めてのヨーロッパだったので、そこでの空気に触れ、人々の生活を実際に見て、日常のなかにファッションが根付いていることを実感しました。そこで感じたことや、実際に扱っているブランドのブースなどを展示会で見たりできて、お客様にその世界観をお伝えできるようになったのはすごく大きかったですね。

スランプを打開するのもひとつひとつの接客

−壁にぶつかったときなどに、モチベーションを上げる方法はありますか? 後輩に指導していたり、自身で実践されていることとは?

入社2年目に一番大きな壁にぶつかったとき、そこから抜け出せたのはお客様へのたった一度の接客だったんです。スランプに陥ってしまい、自分なりに模索したり、上司にも相談したりしました。上司とのミーティングから戻ってきたとき、顧客の方がいらしていて、商品を見ながら本当に楽しそうに、嬉しそうにしていらっしゃいました。そのときの自分は自信が持てていなかったのですが、お勧めしたコレクションを気に入り、すごくご満足していただいた姿を見て吹っ切れましたね。いい意味でマニュアルがない会社なので、本当に自由にできるんです。そこで自分らしさをどんどん出してお客様を巻き込んでいけばいいんだって気づいてからは、調子悪いときはあっても今までやってきたことは間違いじゃなかったって思えるようになりました。

−お客様と長いお付き合いをする秘訣って何だと思いますか?

ご来店いただいたお客様にはすべて必ず一筆を添えてthank you letterを送ります。私、字がすごく小さいんですが、それもお客様に覚えていただける秘訣かもしれません(笑)。印象に残るらしく、DMをとっておいてくださる方もいます。一筆書くということは時間を惜しまず大切にしています。

また、自身のキャラクターを見極め、それを前面に出すこともお客様に覚えていただくきっかけになるのかなと思います。私の場合、声のトーンが低めなので落ち着いている人かと見せかけて、しれっとヘンなことを言ってみたり(笑)。店頭ではキラキラしたものを身に付けていますが、思考が男性的なところもあり、趣味もお寺や仏像鑑賞とかなり渋めなので、男性のお客様や、カップル、ご夫婦のお客様とも仲良くなりやすいんですよね。近い距離感で接客できることは強みかと思います。H.P.FRANCEは個々のキャラクターや個性を尊重してくれる会社で、良い意味でマニュアルがありません。自分らしさを最大限にサービスに活かせる環境というのも大きいですね。

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モノが売れないと言われる現代の販売員に必要なスキルとは?

−販売業は人手不足が叫ばれていますが、ご自身が販売という仕事の魅力がどんなところにあると思いますか?

普通の生活で出会うことのできない方に出会えるということですね。自分を仕事の中で成長させてもらえます。そして人と人とのつながりを日々感じることができる仕事って、やっぱり接客業なんじゃないかなと思います。顧客様と長いお付き合いができるのも一つの魅力かなと日々感じています。

−では最後に、モノが売れないといわれる時代に販売員に求められるスキルとはなんだと思いますか?

「モノ消費よりコト消費」ということもいわれていますよね。モノ勝負ではなくて自分のファンを作ることができる人が求められていると思います。お店のファンではなく、自分自身が人を引き付けられないと難しいですよね。世の中はモノで溢れていますし、価格で勝負しているショップも多くあります。そういった目に見えるものの勝負ではなく、目に見えないところをどれだけ満たせる人であるかが大切なのだと思います。その商品が手に入ることによって、生活が楽しくなったり豊かになったり、そういう展開を一緒に想像し、それをお客様と共有できるスタッフが重要なのかなと思います。

−ありがとうございました!

ジュエリーというストーリー性のあるプロダクトを通して人と心を通わせることを大切にしている椎熊さん。モノを売るという行為以上に、心から接客を楽しんでいるその姿に、多くのファンが惹きつけられるのも納得です。これからも、人々の日常を潤すジュエリーの魅力を伝え続けていくのでしょう。

text : Lina Ono(Rhythmoon

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