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海外で活躍する日本人インタビュー|pas de clais(パドカレ)ホールセール営業アシスタント 湯浅麻里絵さん

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ファッション業界でグローバルにキャリアを積むにはどんなことが必要なのか?自ら海外で切り開いている方からヒントを得る「海外で活躍する日本人インタビュー」。

今回は、2011年に単身で渡米し、ファッション大学として有名なパーソンズのファッションマーケティングを専攻、その後異なる分野のインターンシップをこなし、現在、全米/ヨーロッパに向けて勢いよく販路を拡大し続けている日系企業「 pas de clais (パドカレ)」の営業アシスタントとして活躍する湯浅麻里絵さんが登場。

持ち前の明るさとフットワークの軽さで確実にアメリカで地に足をつけて着々と自分の道を切り開いてきた彼女に、今のキャリアを築くに至った経緯をお聞きしました。

パーソンズ大学在学中からインターン生としてファッション業界へ

−ニューヨークに来てファッション業界に入りたいと思ったきっかけについて教えてください。

昔からファッションが大好きで、高校生の時からずっとアメリカの大学でファッションを勉強をしたかったんです。GAPやアメリカンアパレルなどの外資系アパレルでアルバイトもしていました。でも、親からは「日本の大学をちゃんと卒業してから好きなことをして欲しい」と言われて。大学を卒業後にバンタンのニューヨーク留学コースに行き、それからニューヨークのパーソンズ大学でファッションマーケティングを専攻しました。

−インターンが主流のアメリカですが、湯浅さんが最初に入ったインターンは?

最初は「MEDIUM CONCEPTS(ミディアムコンセプト)」というメンズのショールームで在学中からインターンを始めました。バンタンの前期生がそこで働いてたのですが、ちょうど辞める時だったみたいでちょうど声をかけられました。

実際にインタビュー(=面接)に行ってみると、オーナーは日本語を巧みに操るアメリカ人な感じで(笑)。面接というよりかは、雑談のような感じで「じゃ、来週から」なんて言われて、すぐにホールセールのインターンが決まりました。主にそこでは、複数のメンズブランドを抱えていて、特に日本人バイヤーが多かったので、ブランドバイオグラフィーやシーズンコンセプトを和訳したり、マーケット中の商談の手伝いなどをしました。

−在学中からインターンとは、ニューヨークにいる日本人学生が羨ましがるようなエピソードですね。

その後に「GREG MILLS(グレッグミルズ)」と「Steven Alan(スティーブンアラン)」というショールームを掛け持ちして、半年間PRのインターンシップをしてました。途中で、グレッグミルズが有給インターンになって、卒業後もそのままフルタイムで働くようになりました。スティーブンアランはたまたま友人がすでに働いていたので、なんとなく「PRインターン募集してない?」と聞いたらすぐにPRのトップに繋いでくれてコンタクト先をゲットできたので、何度かメールを送って最終的に面接までたどり着けました。

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日本とニューヨークの面接、自己アピール方法の違い

−それぞれの面接ではどんなこと質問されましたか?

グレッグミルズでは、「何を学校で勉強しているの?」「今、何年生?」「どうしてNYに来たのか?」「僕の会社のこと知ってる?」「なんでこのインターンやりたいのか?」などいろいろなことを聞かれました。ホールセールのインターン経験があったので、今回は別の分野でインターンをしたいということと、プレスの仕事自体に興味があったことを伝えました。募集要項にVOGUEやELLEのエディターと直接やりとりができて、ニューヨーク本場での仕事が経験できるいいチャンスだと書いてあったのでとても魅力的でした。

−日本と異なる土地での面接では、どのようなことを気をつけていますか?

いつも相手が求める人材をイメージして面接に望むようにしています。そして「私は完璧!」って自己暗示をかけるんです(笑)。何事も言ったもんがちの精神で、せっかくの機会に自分をとことんアピールしなきゃと。

というのも、スティーブンアランは予備情報でメンズ、レディースとともに、面接を対応してくれた人が全部こなしていたことを知っていたので。国内だけでなく海外のマガジンにエディトリアルの掲載依頼をしてPRをしたり、毎月のストアイベントやポップアップのコーディネーターをやるなど、一人じゃ回りきらないような仕事量だということは知っていたので、他のインターン先でやっていたこと(PRのノウハウや知識、雑誌のコンタクト先や、海外媒体のマーケティング提案など)が活かせると思い、「私その仕事全部できます!」と自信を持って言い切りました。

そしてその日の夜には、「今日は面接してくれてありがとう。会えて嬉しかったです。」とサンキューメールも送りました。

−面接には事前情報収集も欠かせないということですね。日本でも面接で聞かれることの多い「最後に何か質問ありますか?」という質問についてはどう思いますか?

あれは絶対質問しなきゃだめですよね。私は実を言うと、この質問がすごく苦手なんです。本当は「何もありません」って答えたくなるんですが、グレッグミルズで本格的に働き始めてインターン採用の面接をする立場になった時、ある面接希望者から「この会社で働いていて幸せと思ったことはありますか?」って、いきなり逆面接みたいに質問されたことがあるんです(笑)。

その時は、「小さい会社だから全て1から10まで自分の判断でできることが嬉しい」って答えました。候補者の積極性は、日本とは大きく違うところですね。

−給料交渉はどのようにしたのでしょう?

グレッグミルズにいる時に、転機が訪れたんです。当時営業をメインで担当をしていた方が辞めることになって、私ともう一人のプレスインターンとして雇われていた子が営業部門に異動することになりました。私はいつの間にか完全にプレスの仕事を全部1人でこなすようになっていて、労働日数も増えてきていたので直属のボスに相談したあとに「有給にして欲しい」と社長に直接交渉しました。

日本と海外。面接での内容は同じでも緊張するのは日本?

−何事も意見をあげるということが大切なんですね。日本と海外の面接の違いは?

1番の大きな違いは、日本の面接はとても硬いということ。だからすぐに緊張してしまうのだと思いますが、アメリカはとてもフランクなので笑いながら話すことができるし、すごくカジュアルです。質問の内容は日本とさほど変わらないと思いますが。

−現在の仕事について教えてください。

パドカレで働くきっかけは、ちょうどもう1回ホールセールをやってみたいと考えていた頃、もともと知り合いだった今の私の上司から「誰か営業できる子いない?」と相談されたんです。その場で「私がやります!」と即答しました(笑)。知り合いと言ってもしばらく会っていなかったので、その間私が何をしてたか知りたかったんだと思うのですが、「すぐに面接においで」と呼ばれました。

この仕事のやりがいは、知らないことを吸収して学んでいくことです。基本的なノウハウは1から上司に教えてもらいましたし、「営業の極意とは」ということも日本から社長が来るたびに手取り足とり教えてもらいました。「あれよくなかったよ」とか「それはやってはだめ」と、言われるのではなく、自分の見本となる人がいて、その人の背中をみながら見よう見まねでやれる環境にいることがなによりありがたい。

会社や周りの評価やお客さんともだんだんコミュニケーションが円滑になって結果それが数字に現れるんですよね。日々、自分の成長を実感できるのでとても楽しいです。
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※「pas de clais(パドカレ)」ニューヨーク ソーホー店

海外に出てファッション業界で活躍したい人にメッセージ

−最後に、海外のファッション業界で活躍したいという人たちにメッセージを。

とりあえず、、出てこい(笑)!細かいことは考えずに、航空チケットを買って思い切って海外に来てみることですね。こっちに着いたら英語の勉強は必須ですが。

私が思うに、日本での就労経験がある人は、飲み込みが早かったり自分の持っているコネクションを活かして道を切り開いていくのがうまいですね。周りの友人達も、チャンスをつかむ瞬発力が早い人ばかりです。皆やる気が溢れていて、常にチャンスを狙っているような感じです(笑)。ニューヨークの日本人コミュニティーはとても狭いので、知り合いを作りやすくて、いろんな情報も入ってきやすいです。人の意見をよく聞いて、価値観が変わることもたくさんありますし、とにかく何事もやってみることが1番大事だと思います。

−力強いメッセージ、ありがとうございました!

お話を聞いてるだけでも、どこかポジティブなエネルギーをもらえるような気がしてくる湯浅さん。チャレンジ精神旺盛な彼女は行動が最大の武器であり、チャンスを実現する能力を備えていると感じます。「まずやってみる」という単純な一言ですが、彼女のこの言葉は、自分で経験してきたからこその言葉。もしあなたが、グローバルにファッション業界で働きたいと考えているなら、この言葉をひとつ信じてみてはいかがでしょう。

Text:Haruka Sagoya /Edit:Mio Takahashi(Fashion HR)

 

 

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