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「洋服が生まれた向こうの文化背景に、いかに興味を持つかが重要」|SDI・藤枝大嗣代表インタビュー【前編】

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イタリアの「イザイア」「マリネッラ」など、さまざまなブランドのインポートを手がける藤枝大嗣・株式会社エスディーアイ 社長へのインタビュー。

長年のブランドビジネスの経験から、海外ブランドとの信頼関係の築き方、またこの業界に携わる人のためのマインドの持ち方などについてお聞きしました。

商社での経験を積み、独立するまで

−株式会社エスディーアイ(以下、SDI)の成り立ちについてお聞かせください。

SDIという会社の設立は1994年で、今年で22年になります。ただ私はSDIという会社を作る前、1989年に独立をして自分の会社を始めたという経緯があります。28年前というと、平成元年。ちょうどバブルが弾けた頃で、同じ時期にビームスを独立して重松理さんがユナイテッドアローズを立ち上げました。

−独立されるまではどのようなお仕事を?

私は大学出てから、コロネット商会(現・コロネット。コロネット商会は2002年に廃業)に就職しました。同社は当時、「ミラ・ショーン」や「ジバンシイ ジェントルマン」など色んなブランドの輸入元となっていたんです。

私は13年と少し勤務しましたが、桃田有造さんというインポートの業界では有名な関西出身の方が創業社長として手腕を振るわれていました。いわゆる輸入卸の会社です。その頃は三喜商事、サンフレール、近文商事、三崎商事などがあり、それぞれがいろんなブランドを持っていました。「ランバン」は近文商事が持っていたし、コロネットが「ジバンシイ」やっていたり、三喜商事が「クリツィア」やっていたりとか、ほとんどが商社は輸入のブランドの交渉権を得ると、総輸入元になり、問屋が総発売元を担当するという時代でした。

−大学を卒業されてから、ファッション関係の商社に入社しようと思った理由とは?

ちょうどバブルの崩壊で就職が厳しくなりつつある頃だったのですが、実は住宅メーカーや外資系生命保険会社といったところの内定をもらっていたんです。ただし土日に家を訪問していわゆる家の営業販売するとか、それから保険加入の営業をするということが、僕にとって本当にやりたいと思える事ではなかったんです。

そんな話をたまたま大学のスキークラブの先輩でジャーデンマセソンという外資系の商社に就職した方にしたところ、コロネット商会を紹介してもらったんです。コロネット商会という大阪に本社のある会社が総発売元で、調べたらそこが東京支社で2名だけ募集するという話があり、応募したところ採用通知をいただいたのです。

入社後、私は輸入用品部に配属になって、「ジバンシイ」や「ミラ・ショーン」といった紳士事業本部の担当になりました。やはり創業者の桃田有造さんという方の影響が凄く大きく、可愛がってもらい色んな事を教えていただいたことが独立するときのバックボーンになりました。

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築いてきた信頼関係がイザイアとのパートナー契約へ

−藤枝さんが独立するタイミングで、「イザイア」と契約が結ぶことができた経緯とは?

退社するまで私は紳士服の仕入れと、東京地区の営業の責任者をやっていました。当時「アルニス」というフランスのサンジェルマンにあったブランドも担当していたのですが、そこの重衣料関係はナポリの「イザイア」が生産をしていたんです。

そんな関係で「アルニス」の社長が、私が辞めるという話になった時に、「非常に残念だけれども新しいことをやったらどうだ」といって紹介状を出してくださったのです。その後イザイア社を訪問したところ、会うなりイザイアについてはお前を日本のパートナーにすると、当時私36ぐらいだったんですが、最初から信用して下さったのです。

−それはアルニスの社長さんと深い信頼関係が結べていたからこそですね。

結果的にはそういうことでしょうね。先方の商品や仕入れ部門の担当者とミーティングをして、これまで日本で展開する商品をセレクトしたり、百貨店などへのアプローチなどの営業業務などをやってきた実績を評価していただいたようです。契約してからまずは3年間で結果をある程度出さなければならない。ヨーロッパにあるような形態のいわゆるメーカーは営業のスタッフをあまり持っていないんですね。それぞれの地区とかそれぞれの国を営業の方は自分が信じる、ふさわしい方に任せる、エージェントシステムという管理対応です。

潜在的に持っているものを生かせるかどうか、また自分がその仕事を楽しめるかどうか

−信頼関係を築く上で必要なスキルとは何でしょう?

私が考えるに、ファッションというのは語学が堪能で頭が良いだけではダメなんですよ。結構重要なとこだと思うんですが、要するに洋服とかその洋服が生まれた向こうの文化背景とか、そういったものに興味がある方でないと難しい。

裏返すとファッションだけに興味がある方っていうのはまた大勢いるんです。ただしビジネスに対する知識や興味、また語学力とか、そういうものもある一定のレベルで必要で、一つでも欠けていると取引先に不安を与えてしまうと思うんです。私は、コロネット商会にいた間に海外出張に55回ぐらい出ているんですよ。その経験は今の私の元になっているんです。

−海外のビジネスパートナーを信頼させるために重要なのは、語学力と頭の回転のよさ、そしてファッションの感性やその背景に対する興味といった3つの要素なのですね。

決して私が全てに優れているとは思っていないし、もっと優れている方がいっぱいいる。ただしこの業界に入るには、まずそのことに興味があるかどうかがすごく重要で、かといって生活をしていくためには、稼がないと生活は出来ないですね。それは自分自身だけでなくて家族に対してもです。だから何かしらの形で自分の能力を生かして稼いでいくのは当たり前ですが、まず自分が潜在的に持っているものを生かせるかどうか、また自分がその仕事を楽しめたら多分もっといいですよね。

好きなことだとやっぱり我慢も出来るし努力も出来る。そうするといろんなことを吸収して人の上に立とうと、立とうっていうか下の人間を指導していきたいなって気持ちも出たり、それから同業者や同レベルの人がいた時に、負けたくないって気持ちが出てきたり、もっと早く吸収して、もっと何かで表現できないだろうかなど考えを巡らせることができます。

後編へ続く>>

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