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ファッション業界の生産管理のリアルとは?アパレル生産管理職の仕事内容・給料事情 − Fashion HR 職種別インタビュー

生産管理

ファッション・アパレル業界の「生産管理」というと、どんな仕事を想像しますか?生産管理といってもその仕事内容はかなり幅の広いもの。今回は、国内アパレル企業で生産管理として働くSさんに、ファッション業界の生産管理職の仕事内容について、お話をお伺いしました。

デザインが上がってから納品までのプロセスを担う生産管理の仕事

―生産管理のお仕事とはどのようなお仕事をされているのでしょうか?仕事内容を教えてください。

勤めている会社では「企画生産」と「生産管理」というポジションで役割が分かれています。企画生産はデザインを決めることが仕事で、生産管理は企画側からデザインが上がったらそのデザインが商品になるまでのプロセスを担う仕事です。

デザインが上がったらまず工場を決めて、素材を確保してサンプル発注をします。サンプルが上がってくる前に、一着あたりにかかる生地の価格や、ボタンやファスナーなどの付属品単価、工賃を出して、一着あたりにかかるコスト出しを行います。サンプルが上がったら展示会の準備をして、展示会が終わればオーダー数を見て実際の商品の生産に入ります。

−展示会から実際にお店に納品されるまでどういうプロセスを踏むのですか?

展示会の一ヶ月半くらい前に企画側から上がったデザインに合わせて、生地や付属品の手配をして、工場に送りサンプルをつくります。下代を元に上代会議で上代を決めて、営業が展示会中のオーダーをデータ入力できるフォームをつくるところも生産管理が行っています。僕らはマスター入力と呼び、システムに商品データ、納期、カラーなどの情報を入力します。

展示会中は生地を仮押さえしておくので、着数が決まったら用尺を出します。展示会が終わったらオーダーに必要な生地と付属品を発注して、工場に素材を送り生産に入ります。

−複数の工場とやりとりするんですね。

そうですね。工場によってはボトムしかやらないところや、ニットしかやらないところがあったり、納期も工場のキャパシティーによって様変わりします。工場の特性に合わせて、最もに適した工場に送り込むことも納期を守る上で重要です。

アパレルの基礎を学べる一方、“納期どおりが当たり前”の厳しい世界

―Sさんは生産管理のお仕事をされてどのくらいですか?

4年が経ったところです。国内大手アパレルより規模が小さい会社なので、生産管理の仕事以外にもカタログ作成に携わったり、営業的なことをしたり、細かい雑務も行います。アパレルでの経験を積むために色々な環境に連れて行ってもらっていて、面白いですよ。

−昔からアパレルの生産管理を目指していたんですか?

いえ(笑)。4大を卒業して、アパレルで働きたかったんですが、販売職以外の仕事で専門的な知識を得たいと思い、あえて専門的な現場を選びました。大学の専攻も全くファッション系では無かったんですけど、どうしても挑戦してみたくて、修行のつもりで今の会社に入ったんです。

−実際に働いて感じる生産管理のメリット・デメリットとは?

メリットは、やっぱり狙っていた通りアパレルの基礎知識を学ぶことができることですね。もし次に販売職に就くことがあっても、ここの縫製がこうなっていて、この生地はこういう特徴があって…ということを専門学校などにいかなくても現場で知ることができました。あとは、パーツや工賃など服にかかる原価を把握できるので、ブランドの本質を見極められるところも良いと思います。

デメリットの部分は、営業職や販売職だと、数字でやりがいを感じることができますが、生産管理は納期通りにあがることが当たり前の世界です。当たり前のことを滞りなく進めていく仕事なのでやりがいを感じる部分は少ないのかもしれません。やっぱり納期通りに行くことはなかなかないですし、工場によっては大きいロットを優先することもあるので、コントロールが必要です。

生産管理_

−生産管理にはどんなスキルが求められますか?

まずは効率の良さですね。今の会社では、年4回の展示会で布帛を160種類、ニット200種類くらいを管理するので、スケジュール管理能力と臨機応変な対応力も求められます。あと、仕入先の伝票処理や一ヶ月ごとに生地と付属品の棚卸をするので数字に強い人が向いていると思います。生産管理は「仕掛かり」といって、まだ納品されていないけど工場にある生地や付属品の在庫も管理します。納品後には、きちんと数量分が納品されているかのチェックまで行います。

生産管理の給料事情は?キャリアアップの可能性は?

−お給料事情はどうなんでしょうか。

新卒で入社したんですが、入社時は手取り17万円で、今は手取り19万円です。一般的にみて、生産管理の給料は全体的にあまり良くないかもしれません…。一人暮らしなので厳しいは厳しいですが、将来のキャリアアップに向けた修行のつもりなのでなんとかやっていけてます。

−確かに、基礎が学べる生産管理の経験はキャリアアップで活かされそうです。

基礎の知識があれば販売職でも差別化できますし、企画生産へのステップも踏めます。営業職から生産管理は難しいかもしれませんが、生産管理から営業にはなれます。それだけ活かせる知識が得られるので、キャリアの可能性が沢山ある職種だと思います。

−最後にファッション業界についてご意見があればお聞かせください。

服が出来ていく工程を目の当たりにしていると、やっぱりコレクションブランドの真似ごとばかりしているブランドが多かったり、適していない価格設定をしているブランドも沢山目にします。そんな中でも、僕らのようなつくる側が絶対にやりたくないと思うような凄いこだわりを貫いているブランドもあります。そういうプライドを持って働く人たちがより良い環境で働けるような業界になってほしいです。

−ご活躍を楽しみにしています。ありがとうございました!

 

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