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ファッションとあわせて楽しみたい!香水のススメ Vol.3「日本生まれの香水」

香水といえば、香水文化の主流であるフランスやイタリアなどヨーロッパのブランドを思い浮かべる人が多いと思いますが、実は「Made in Japan」の香水も数多くあるのをご存じでしょうか? ここでは日本の香りと香水の歴史をはじめ、海外でも注目を集めている『J-Scent』など、日本の四季や気候、日本人の香りの感性などに合わせた香りを作り出している日本生まれのブランド、香水について紹介します。

【目次】
日本の香水の歴史
日本生まれの香水
 J-Scent(ジェイセント)
 BAUM(バウム)
 SHOLAYERED(ショーレイヤード)
 SHIRO(シロ)
 AUX PARADIS(オゥパラディ)
 retaW(リトゥ)
 R fragrance(アールフレグランス)

日本の香水の歴史

日本と香りの出会いは飛鳥時代。仏教の伝来とともにお香が伝わったとされ、平安時代には粉末にした香料を調合して練り合わせた練香「薫物(たきもの)」が広がりました。そして、いい香りを競い合う「香合せ(こうあわせ)」から、香木を焚いて香りを鑑賞する「香道(こうどう)」に発展するなど、古くから独自の香り文化があったようです。その香りは沈香や白檀など植物性の柔らかいものでしたが、江戸末期から明治時代にかけてヨーロッパの香水が伝えられ、新しい香りの文化が普及。明治5年(1872年)以降には“香水(においみず)”として、「白薔薇水」や「オリヂナル香水」、「ムスク香水」など、国産の洋風フレグランスが相次いで発売されました。現在も様々なブランドが「Made in Japan」の香水を手掛け、四季がある日本の気候にあったナチュラルで柔らかな香りが生み出されています。


日本生まれの香水

香りが柔らかく、重ね付けもできる日本生まれの香水たち。近年は新しいフレグランスブランドも続々と登場しています。ここでは様々なこだわりを持ち、注目を集めている日本生まれのブランド、香水について紹介します。

J-Scent(ジェイセント)

世界に誇れる日本の美意識、独特な伝統、文化、そして今を生きる日本人の暮らしに溶け込んできた香りを「和える」ことによって生み出した“メイド・イン・ジャパン・フレグランス”をコンセプトに、香水メーカーのLUZが2017年に立ち上げたブランド『J-Scent』。力士や花街など日本の伝統や文化、誰もが慣れ親しんだ香りを表現し、川端康成の小説『眠れる美女』をモチーフにした官能的な「和肌」、懐かしい夏をイメージした「ラムネ」など、様々な“和の香り”を輩出しています。自社の香水専門工場で資材や香料にもこだわりながら、性別や年代、季節を問わず使用できるよう作られた香水は日本を飛び出し、アメリカをはじめ、歴史ある香水文化を持つイタリアなどでも取り扱う店舗が増えています。

BAUM(バウム)

“樹木との共生”をテーマに掲げる、2020年に誕生したスキンケアブランド『BAUM』。樹木の恵みを余すことなく受け取り、樹木資源を未来につないでいくブランドとして製品の90%以上を自然由来の素材から製造。商品パッケージに使用されている木製パーツは家具の製造工程で発生した小さな木材を再生利用するなど、サステナブルな循環を意識したものが採用されています。フレグランス商品はルームスプレー、キャンドル、そして香水(オーデコロン)があり、香水も樹木由来の天然香料を中心に調香。深いリラックスへと導くシダーウッドオイルなど、様々な樹木エッセンスを絶妙に調合し、森林浴したかのような気持ちをもたらす香りになっています。

SHOLAYERED(ショーレイヤード)

“香りをレイヤードする”という新しいスタイル、楽しみ方を提案している2013年に誕生したフレグランスブランド『SHOLAYERED』。ラインナップのすべてが「Made in Japan」で、丁寧な生産、ジャパニーズクオリティを心がけている商品は、繊細な香りを好む日本人の趣向にマッチ。“さりげなく香り、くせになる”という、軽やかで使いやすい香りが特徴です。そのため、香水初心者にも使いやすいものになっています。また、香水を重ねることが可能なため、独自の香りのレイヤードを作れる点は、香水好きにとって探求心をくすぐられるはず。アルコールやエタノールを一切使わないノンアルコールタイプの香水もあるため、肌が弱い人にもおすすめです。

SHIRO(シロ)

1989年に農産加工物などの製造販売を目的として創業された株式会社ローレルが前身で、2009年に立ち上げたオーガニックコスメの自社ブランド『LAUREL』から2015年に『shiro』、そして2019年に現在の『SHIRO』になった日本生まれのブランド。「サボン」や「ホワイトリリー」、「ホワイトティー」など、清潔感があり優しく寄り添う使いやすい香りで、男女問わず多くの人から人気を得ています。『SHIRO』の香水もレイヤードが可能で、お気に入りの香りにほかの香りを重ねることで一味違った自分だけの香りを楽しむことができます。また、素材にもこだわりがあり、水の代わりに徳島県の木頭柚子と北海道のエゾヨモギの蒸留水を配合し、パフューマーが厳選した香料をより深みのあるものに引き立てています。

AUX PARADIS(オゥパラディ)

日本の空気、日本人の肌、日本人の持つ繊細な香りの感性、日本における香りの在り方を意識したオリジナル製品を手掛けるコスメブランド。できる限りナチュラルな素材にこだわり、香水も産地のわかる香料を使用。アルコールには、合成香料では表現しきれない天然香料の香りの複雑さや自然な香りを際立たせるよう、“ビンの中で熟成が進み香りがまろやかになる”という特徴を持つサトウキビを原料とした醸造アルコールが使われています。ローズ、シトロン、フルール、サボンの4つの香りから始まった香水は上品で軽やかな香り立ちのため、2種類を重ね付けすることも可能。コンセプトのひとつ、“環境に優しい香水を”ということを実現するために、日本では珍しい量り売りも行っています。

retaW(リトゥ)

“香りに包まれたライフスタイル”を提案する東京発のフレグランスレーベルとして2009年に設立。スキンケア医学の考え方に基づき開発されたボディートリートメント製品をはじめ、キャンドル、ファブリックスプレーやルームスプレーなど、香りにこだわった様々なフレグランス用品を手掛けています。香水もその中のひとつ。パチュリとバニラ、ユリ、シャンパンとベルガモットなど、独創的で洗練された調香の様々な香りを楽しむことができます。香水はスプレータイプのほか、持ち運びしやすく、肌になじませて使うスティックタイプ、チューブタイプのソリッドパフューム(練香水)もあるため、気軽に使うことができます。

R fragrance(アールフレグランス)

日本の豊かさを表現し、心を満たす香りを提案する調香師でクリエイターの村井千尋さんが2017年に立ち上げた『R fragrance』。ブランド名の“R”は、「RIN(凛)」、「RICH(贅沢で豊かな香りであること)」、「RARE(希少性の高い香りであること)」の頭文字を取ってつけられています。日本の美意識のひとつである“侘び寂び”をテーマにした「ブラック ウード」をはじめ、日本各地の渓谷などに自生する和欄の一種である春欄と川の蒼、山間の美しいグリーンの調和を表現した「ノーブル オーキッド」、絞り染めの技法の一種で着物の上にしか咲かない幻の花“辻が花”という日本の伝統文化からインスピレーションを受けた「辻が花」など、日本ならではの文化や情景を香りで表現しています。

TEXT:金子 裕希

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