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マストアイテムは5つ! 2023年の春夏トレンド「グランジファッション」とは?

2019年からリバイバルされ、注目を集めているグランジファッション。1990年代に一大ムーブメントとなった音楽ジャンル「グランジ」のアーティストたちの着こなしは、ストリートカルチャーとの親和性も高く、スーパーモデルやセレブリティまでも虜にする魅力を放っています。今回はグランジがファッションとしてリバイバルを果たした経緯、押さえておきたいアイテムなどについて紹介します。

【目次】
グランジファッションとは
グランジファッションの歴史
マストアイテムは5つ
市場価値高騰のヴィンテージTシャツの魅力

グランジファッションとは

グランジは1980年代からアメリカ・シアトルを中心にシーンが形成され、1990年代に爆発的な盛り上がりを見せたオルタナティブロックのジャンルのひとつです。ヘヴィメタルやパンク、ハードコアなど、さまざまなジャンルを飲み込んだ音楽性は、それまでのきらびやかなポップス・ロックとは対象的に、重く、うねるようなグルーヴで若者たちの大きな支持を集めました。それまでアンダーグラウンドであることが前提とされていたバンドの楽曲やアルバムが次々とヒットチャートに送り込まれ、オルタナティブロックが市民権を獲得する礎となりました。代表的なバンドとしてニルヴァーナやパール・ジャム、アリス・イン・チェインズ、サウンドガーデンなどがあげられ、中でもニルヴァーナのギター・ボーカルで、27歳の若さで亡くなったカート・コバーンは、そのカリスマ性からグランジムーブメントのアイコン的な存在とされていました。

カートの着こなしに見られるような、カーディガンやネルシャツにダメージの激しいデニムパンツ、バンドTシャツ、スニーカーなどをルーズに合わせるコーディネートがグランジファッションの典型として広く浸透していました。グランジという名称は、「薄汚い」などを意味する「grungy」を元にアメリカのファッション雑誌が命名したと言われています。


グランジファッションの歴史

グランジファッションはアメリアの若者の普段着をベースとしています。古着をルーズに着込んだバンドが轟音や絶叫を響かせるというスタイルがアーティストの存在を身近に感じさせ、急速に支持を集めたと考えられます。彼らがこのようなファッションに身を包んでいたのは、もともと極貧の環境でバンド活動を行っていたからであり、商業主義に対するアンチテーゼとして、ひたすら音楽に打ち込む姿勢を感じさせるものでもありました。音楽ジャンルとしてのグランジムーブメントは徐々に衰退の一途をたどりますが、グランジによって定着した古着のカジュアル化は、現在のストリートカルチャーにも大きな影響を与えています。マット・ディロンがグランジのバンドマンを演じた1992年の映画『シングルス』や、同時期にグランジファッションを好んで着ていたスーパーモデル、ケイト・モスの存在も認知度を高める一因になりました。

ファッション業界におけるグランジはトレンドを越え、コーディネートを構成する定番要素として息づいています。2010年代からはグランジファッションに影響を受けたデザイナーたちがダメージ加工やビンテージ加工などを取り入れつつ、現代的な解釈を加えたコレクションを発表。ヒッピーやノームコアなどの潮流とも呼応し、2019年のリバイバルへと繋がっていきます。日本でもMARK STYLER株式会社が展開している「jouetie」をはじめとしたカジュアル系のレディースブランドがグランジをモチーフにしたアイテムを発表し、話題となっています。


マストアイテムは5つ

グランジファッションには、欠かせない定番アイテムが存在します。バンドTシャツやネルシャツ、ダメージデニムなど、今回は5つをピックアップ。着こなし方と共に紹介します。

Tシャツ

グランジファッションの基本となっているのがTシャツ。グランジのアーティストたちはお気に入りのバンドがプリントされたものを着用することで自身の趣味嗜好を表現していました。プリントの柄はインパクトのあるものが定番で、バンドTシャツをチョイスする場合はグランジ系の他、華やかなデザインが多い1960〜70年代のアーティストのものもコーディネートにアクセントを加えてくれます。長年着込んで少しくたびれた感じが出ると、よりグランジのテイストを演出できます。

ネルシャツ

Tシャツと同様にトップスで欠かせないのがチェック柄のネルシャツ。アメリカンカジュアルの王道ともいえるアイテムで、グランジのアーティストたちが愛用している写真も数多く見られます。通常はジャストサイズで着るものとされていますが、ルーズさが魅力のグランジファッションでは、使い古してくたくたになったぐらいのものをオーバーサイズ気味に羽織るのが正しい着こなし。腰に巻いてもOKです。あまりに定番ゆえ一時期はコーディネートで敬遠されがちでしたが、ストリートウェアのラグジュアリー化に対する反動からか、カジュアルを演出しやすいアイテムとして再び注目を集めています。

ダメージデニム

カートが愛用していたリーバイスの501など、膝や太もも部分に穴が空いたダメージデニムも、グランジファッションにおける重要な構成要素です。ストレートタイプをゆったり履くのが定番ですが、スキニーでTシャツをインするスタイルもよく見られます。季節感を問わない点でも非常に使い勝手の良いイテムといえるでしょう。ダメージ部分に色とりどりのパッチワークを施すとポップさが増し、着こなしのバリエーションがさらに広がります。

黒シューズ

足元は、エンジニアブーツなどハードめの黒いシューズにすると、ロックテイストを打ち出しやすくなります。ブーツにはスタイルをよく見せる効果もあるため、スキニーのパンツと合わせると、より効果的です。カジュアルなテイストにするならスニーカーをチョイス。特にコンバースのジャックパーセルはカートが生涯愛用していたことでも知られ、「コンバース=オールスター」という概念を大きく変えることとなりました。ローカットのシンプルなルックスは、501などのストレートタイプからワイドタイプ、スキニーなど、どんなボトムとも好相性です。

カーディガン

カーディガンは、カートの代名詞ともいえるアイテム。「くたびれた普段着の若者が激しいロックを奏でる」というグランジの特徴の中でも、カーディガンは特にロックと縁がなさそうな普段着感を演出します。こちらもネルシャツと同様、大きめのサイズでゆったり着ることでグランジのテイストを出すことができます。バンドTシャツ+ネルシャツ+カーディガンという重ね着は、グランジの王道とも言えるコーディネートで、サマーシーズン以外なら、だいたいこれで過ごしても違和感がないという便利さも魅力です。


市場価値高騰のヴィンテージTシャツの魅力

グランジファッションの要であるTシャツは近年、バンドや映画のマーチャンダイズであったものにビンテージ的な価値がついて高値で販売されるという現象が起きています。一般的にバンドTシャツは2000〜5000円程度が相場とされていますが、ツアー限定で販売されたようなプレミア的なものになると1万円を越えることも珍しくありません。グランジのコーディネートにこだわるなら、海外で積極的に買い付けを行っている古着屋を巡り、お気に入りのレアアイテムを見つけるのもおすすめです。

TEXT:伊東孝晃

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