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『マリー・ローランサンとモード』

社交界に属する優美な女性たちの「女性性」を引き出すパステル調の淡い色と優美なフォルムが特徴の肖像画で、瞬く間に人気画家に駆け上がったフランスの画家、マリー・ローランサン。男性服の素材やスポーツウェアを女性服に取り入れ、時代のファッションを作り上げたシャネル。美術とファッションの境界を交差するように生きた二人の活躍を軸に、ポール・ポワレ、ジャン・コクトー、マン・レイ、そして美しいバイアスカットを駆使したマドレーヌ・ヴィオネなど、時代を彩った人々との関係にも触れながら、モダンとクラシックが絶妙に融合するふたつの世界大戦間の1920代パリの芸術界を俯瞰できる展覧会『マリー・ローランサンとモード』が2月14日(火)から4月9日(日)にかけて、東京・Bunkamura ザ・ミュージアムで開催されます。

ともに1883年に生まれ、美術とファッションという異なる分野に身を置きながら、互いに独自のスタイルを貫き、大戦後の自由な時代を生きる女性たちの代表ともいえる存在だったローランサンとシャネル。本展では、時代とともにありながら、時代を超えた存在となったに二人の創作の今日的な意味とその真価を、オランジュリー美術館やマリー・ローランサン美術館など国内外のコレクションから、約90点のラインナップで紹介します。

『第1章 狂騒の時代のパリ』

『第1章 狂騒の時代のパリ』では、戦争の惨禍を忘れるかのうように生きる喜びを謳歌し、かつて平和と繁栄を享受していた戦前の古き「良き時代」への回顧を願いながら、一方で過去と決別し新たな歴史の創造へと向かった「狂騒の時代」が軸に。《マドモアゼル・シャネルの肖像》などローランサンが描いた社交界の女性たちの肖像から、オートクチュールに身を包み、時代のファッションを作り上げた女性たちの姿を垣間見ることがでるでしょう。

『第2章 越境するアート』

『第2章 越境するアート』では、1920年代のパリを語るうえで欠かせない「越境」をキーワードに展開。当時のパリには、スペインからピカソ、アメリカからはマン・レイら、世界中から多くの若者が集まり、故国の伝統とパリの国際性を融合させた独自でありながら普遍性を備えた表現を生み出すなど、その才能を開花させてきました。そして美術、音楽、文学、そしてファッションなど、別々の発展を遂げてきた表現もジャンルの垣根を“越境”。その代表的なもののひとつが、セルゲイ・ディアギレフ率いるロシア・バレエ「バレエ・リュス」で、その活動にローランサンとシャネルも参加。同バレエ団の作品『牝鹿』でローランサンが衣装と舞台装置を担当するなど、表現の幅を広げました。ここでは、コクトー、ピカソ、シャネルによる当時の流行を詰め込んだ海辺のバレエ『青列車』の集合写真も見ることができます。

『第3章 モダンガールの変遷』

そして『第3章 モダンガールの変遷』では、1920年代に登場した新しい女性たち“モダンガール”から、1910~1930年代のファッションの変化を見ることができます。版画技法を駆使したポショワール画から、ハイ・ウェストのドレスによってコルセットから女性を解放したことでモードの改革者と位置づけられたポール・ポワレのファッションを知ることができるほか、1910~1920年代に流行した帽子ファッションを垣間見られるシャネルの帽子、「リトル・ブラック・ドレス」など時代を代表するスタイルを生み出したシャネルの《デイ・ドレス》などを展示。さらに、美しいバイアスカットを駆使したドレスで注目されたマドレーヌ・ヴィオネの《イブニング・ドレス》からは、1930年代に復活した復古調のロングドレスや装飾、フェミニンへの回帰をうかがうことができます。また、ローランサンが描いた、帽子、スカーフ、ネックレス、リボンなどをまとったファッショナブルな人物たちからも当時のファッションや、20世紀の女性に欠かせないファッションアイテムだった「帽子」について知ることができるでしょう。

『エピローグ ローランサンの色彩』

『エピローグ ローランサンの色彩』では、モード界の鬼才と称され、1983年から30年以上にわたりシャネルのデザイナーを務めたカール・ラガーフェルドをピックアップ。ローランサンの色使いから着想を得たという2011年の春夏オートクチュール・コレクションでは、画家初期の色調である「ピンク、消え入るような淡いグレー、そしてもっと抑えた筆致で、更に黒の点も加わった」ものを発表。ココ・シャネルのクリエイティブな遺産を受け継いだ現代のファッションに、女性性を追求した華やかかつシックなローランサンの色彩、世界観をよみがえらせています。

現代ファッション界にも影響を与えたマリー・ローランサンを再発見し、1910~1930年代のファッションを紐解く展覧会を訪れてみてください。

TEXT:金子裕希


【INFORMATION】

『マリー・ローラーサンとモード』

会場:Bunkamura ザ・ミュージアム

会期:2023年2月14日(火)~2023年4月9日(日) ※休館日:3月7日(火)

時間:10:00~18:00 ※入館は17:30まで 

夜間開館:毎週金・土曜日は21:00まで ※入館は20:30まで

公式サイト:https://www.bunkamura.co.jp/museum/exhibition/23_laurencin/

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