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アパレルブランドが手掛ける飲食店・インテリア&ライフスタイルショップ【前編】

お気に入りのアパレルブランドの好きなところを聞かれたら、「世界観」を挙げる人も多いでしょう。袖を通し、ブランドの世界観を全身で感じる瞬間はまさに心躍りますよね。最近ではアウトプットを拡大し、飲食やインテリアなど別分野で世界観を表現するアパレルブランドも増えてきました。思えば「衣食住」の中で「衣」を提供するブランドが「食」や「住」分野へと目を向けるのは自然なこと。いずれもブランドの世界観を色濃く反映することで既存ファンの心を掴み、その上で新規ファンへの間口を開いています。そこで今回は、アパレルブランドが手掛ける飲食店とインテリア&ライフスタイルショップについて、前・後編に分けてご紹介します。

【目次】
Ron Herman Café(Ron Herman)
CAFÉ DIOR by LADURÉE (Dior)
CAFÉ KITSUNÉ(MAISON KITSUNÉ)
Glorious Chain Cafe(DIESEL)
agnès b. SHIBUYA(agnès b. )
BEIGE ALAIN DUCASSE TOKYO(CHANEL)
LE CAFE V(Louis Vuitton)
Ralph’s coffee(RALPH LAUREN)

アパレルブランドが提供する「食」

ラグジュアリーブランドには、以前から来店した顧客(VIP)をシャンパンなどでもてなす習慣があります。これは顧客に対し商品の価値に見合ったおもてなしをするカスタマーサービスの一環ですが、ここ数年はショップ内にカフェを併設するブランドが増えてきました。ブランドの世界観が存分に表現された店内はまさに「映え」。訪れる客が店内で撮影しSNSにアップすることで広告効果も狙え、客側もブランドの世界観に手軽に触れることができます。また、その大半が店舗に併設、または隣接していることにより滞在時間を長くし、食後にショップでの買い物をする可能性が高くなるという期待も。ブランドの世界観を凝縮した空間で飲食体験を販売することは、商品へのリーチを広げることに繋がるのです。


Ron Herman Café 【Ron Herman(ロンハーマン)

カリフォルニア生まれのセレクトショップであるRon Hermanは、オープン当初から衣類のみならずライフスタイルそのものを提案しており、併設されるカフェも人気。実はカフェ以外にもトリートメントサロンを都内で2店舗展開するなど、衣食住に加え美容までをカバーしています。なお、カフェは全国に7店あり、いずれも開放感あるナチュラルなインテリアに。メニューもオーガニックにこだわっているのがRon Hermanらしく、買い物ついでにファミリーで立ち寄れるようなカジュアルな雰囲気が人気を博しています。

CAFÉ DIOR by LADURÉE 【Dior(ディオール)

2021年に誕生し話題をさらったのが、Diorの旗艦店でもあるHouse of Dior Ginza4Fにオープンしたカフェ。特徴的なのはLADURÉEとの協業という点で、LADURÉEはディオールと同じくパリ生まれの老舗パティスリー。ファンタジックな世界観がDiorと共通しており、二つのメゾンの持ち味を存分に活かした空間&メニューが評判です。中でも優雅な空間で味わうアフタヌーンティーが人気で、クリスチャン・ディオール氏本人が愛したデザートからヒントを得たものや、ドレスをオマージュしたスイーツが並びます。

CAFÉ KITSUNÉ 【MAISON KITSUNÉ(メゾン キツネ)

パリと東京に拠点を構えるMAISON KITSUNÉも、アパレルのみならず音楽レーベルやコーヒーショップを展開し多方面からブランドの世界観を発信。こだわりのスペシャリティコーヒーに力を入れるカフェは、東京・青山の1号店を皮切りに今や京都や岡山にも出店し、各種ドリンクはもちろんブランドアイコンであるキツネをモチーフにしたサブレが好評。店内ではCAFÉ KITSUNÉのオリジナルグッズも販売し、マグやトート以外にもパーカーやキャップもラインナップ。シンプルなロゴデザインがモダンで、MAISON KITSUNÉの最初の1枚として手に取りやすい価格帯です。

Glorious Chain Cafe 【DIESEL(ディーゼル)

イタリアンデニムの代名詞とも言えるDIESELが全面プロデュースするのは、アメリカ映画に登場しそうなカフェダイナー。無骨でインダストリアルな店内、照明や食器、カトラリーはホームコレクションライン「DIESEL LIVING」のものを使用していて、DIESELらしさ全開。ボリュミーなハンバーガーを中心にイタリアンからアジアンフードまで多国籍なメニューが並び、しっかりお腹を満たせるのがポイント。オリーブオイルやワインはイタリアのデDIESEL FARMから届いたものを扱うほか、フィットネスクラブのゴールドジム監修のメニューがあるのもDIESELならでは。現在店舗は渋谷と横浜の2店舗で、お土産や来店の記念にカフェダイナー限定のオリジナルグッズを購入する人も多いそう。

agnès b. SHIBUYA 【agnès b.(アニエス べー)

真っ白な外観が目を惹くagnès b.渋谷店の3Fにあるのは、カフェ&イベントスペース。元々デザイナー自身が若手アーティストのサポートに積極的なことから、イベントスペースでは多彩なアート&カルチャーを随時更新しながら発信中。同じフロアにはフランスの家庭料理が楽しめる小さなカフェを併設し、フランス産ビールなどが楽しめます。買い物の合間に立ち寄れる気軽さと一息つけるカフェ空間がいかにもパリっ子の隠れ家のようでagnès b.らしく、足を踏み入れると気分はパリジェンヌ。他にも鹿児島のカフェとコラボし期間限定のポップアップカフェをオープンするなど、カフェ業態へのアプローチの方法もユニークです。

BEIGE ALAIN DUCASSE TOKYO 【CHANEL(シャネル)

ブランドが持つ気品と優雅さをそのまま食空間へとトレースしたのはCHANEL。2023年3月~10月(予定)の期間限定でCHANEL銀座ビルディングの屋上テラスに「Le Jardin de tweed」というカフェをオープンするほか、フレンチの名店ALAIN DUCASSEとコラボしたレストラン「BEIGE ALAIN DUCASSE TOKYO」を展開中。「ツイードの庭」という意味を持つカフェは細部にまでCHANELのアイコンであるツイードを取り入れ、ロゴやカメリアを刻印したチョコレートも話題に。銀座の街並みを見下ろす絶好のロケーションとソムリエがセレクトしたシャンパンを楽しめ、CHANELらしい洗練されたカフェタイムを満喫できます。

LE CAFE V 【Louis Vuitton(ルイ ヴィトン)

東京の銀座、大阪の御堂筋それぞれのLouis Vuittonの旗艦店に併設されているカフェ&レストランは、オープン以来大人気のスポット。Louis Vuittonらしい遊び心が詰まったモダンなインテリアデザインがフォトジェニックで、ラテアートやスイーツのデザインも一見の価値あり。メニューは有名シェフである須賀洋介氏が監修し、スイーツにも産地を厳選したフルーツを取り入れるなど食材へのこだわりが随所に。ハイブランドに相応しい品格を備えたメニューが並びます。なお、Louis Vuittonのカフェは大阪御堂筋店が世界初店舗であり、御堂筋店のカフェの奥にはブランドのアイコンでもあるのトランクを模した隠れ扉があり、その先にはVIPルームが用意されています。

Ralph’s coffee 【RALPH LAUREN(ラルフ ローレン)

ニューヨークをはじめ東京や横浜、名古屋、京都、香港にコーヒーショップを展開するRALPH LAUREN。トラッドなブランドらしくどこかクラシカルなデザインのロゴや、オールドアメリカンを思わせるインテリアが持ち味です。コーヒーは中南米やアフリカで有機栽培された豆を使い、フードメニューもアボカドトーストやサンドウィッチなどアメリカンスタイルの軽食が中心。早くからホームコレクションを擁しブランドイメージが確立しているだけに、カフェのロゴやメニューに至るまでどこをとってもRALPH LAURENらしさ満点。ブランドのマスコットキャラクター「ポロベア」の形を模した「ポロベアクッキー」も人気です。アメリカントラッド好きが好む要素を隅々にまで落とし込んでいるので、ブランドファンは必見です。


アパレルブランドが手掛ける飲食店はどれもさすがの完成度。ラグジュアリー系ブランドのカフェ&レストランは商品価格相応のメニューが並び、ファミリー層にアプローチするブランドはカジュアルにと、メニューの細部にまでターゲット層とのマッチングが考え抜かれています。ブランドのファンならずとも一度は足を運んでみたいと思わせる空間やメニューのビジュアルの良さも相まり、より多くの人にブランドの魅力を伝える役割をしっかり果たしていると言えそうです。

TEXT:横田愛子

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