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路面店とテナント店、アパレル販売員の働き方の違い

アパレル販売員への転職を検討する際、気になるのが配属先。アパレルの実店舗は、路面店とテナント店に分類され、転職や異動の際にどちらの形態に配属されるかで働き方も異なってきます。今回は、この2種類の店舗における運営方法や来店客の傾向などの違いについて比較し、身につけておきたい知識や注意点などを紹介します。

【目次】
路面店とテナント店の違い
接客ルールに違いはある?
身につけておきたい知識とは
独自のルールがあるテナント店
服装規定について
様々な刺激を受けるテナント店、接客力が身につく路面店

路面店とテナント店の違い

路面店は、ブランドやメーカーが大きな通り沿いの店舗を借りて単独で出店しているショップ。規模によって役割も異なり、ブランドイメージを全面に押し出す直営店の中でも、都市部で販売拠点となる大規模なものを旗艦店(フラッグショップ)と呼びます。旗艦とは、もともと海軍などで指揮官が乗船する司令旗を掲げた船のこと。アパレルにおいてもブランドの象徴・となるメージを打ち出し、さまざまな形態の店舗を束ねるポジションと言えます。立地によっては観光スポットのようになることもあり、充実したコレクションが並んでいます。

テナント店は、商業施設に入居する店舗のこと。百貨店やショッピングモール、ファションビルなどが当てはまります。路面店よりも小規模なものがほとんどですが、大型の店舗はキーテナントやアンカーストアと呼ばれ、路面店の直営店に匹敵する機能を持ちます。入居する施設によって店の展開に変化が見られるのが特徴です。


接客ルールに違いはある?

人目に触れやすい路面店は顧客への訴求力・購入率が高い傾向にあります。専門的な知識を持つお客様も多いのでブランドの詳細を熟知し、ハイレベルなニーズに応えられるスキルが必要となってきます。接客にじっくり時間を割けるので客単価が高くなり、顧客との信頼関係を築きやすい環境であるといえるでしょう。

テナント店の場合、学生から主婦、年配の方まで、幅広い層を対象としていることから路面店よりも来店の傾向が予想しにくくなります。一見のフリーのお客様も多いのでトーク内容も路面店よりライトにして、ブランドの概要を伝えることに比重を置いたほうが良いでしょう。


身につけておきたい知識とは

路面店はショッピングセンターなど入居施設の影響を受けないことから制約が少なく、商品レイアウトの変更も独自のタイミングで行えます。そのため店頭ディスプレイが短いスパンで変わることも珍しくありません。ディスプレイ変更の際にはマネキンを移動させたり、着替えさせたりと体力が求められます。また、ディスプレイの変更が多いということはそれだけトレンドの移り変わりに敏感である必要があると言えるでしょう。ブランドのコンセプトを店全体で感じられるようにすることで、テナント店やECショップにはないショッピング体験を提供できます。

テナント店ではスタッフの対応が入居施設のイメージに直結するため、接客ノウハウに関する研修が行われることがあります。百貨店では計算・漢字などのテストが行われることもあり、接客に必要な一般常識を身につけているかが試されます。これらはアルバイト雇用においても同様。社員食堂や医務室といった設備が豊富で従業員向けのセールが行われるなどメリットが多い反面、売り上げの減少が続けば入居契約を解除される可能性もあります。


独自のルールがあるテナント店

テナント店の大きな特徴として、自社だけでなく入居施設のルールに沿って営業することが求められます。営業時間は基本的に入居施設に準じたものとなり、路面店よりも長時間の営業になることも。また、経営方針や店づくりに関しても施設の意思が介入することがあり、商品ラインナップや外観の色合い、看板やポスターといった細かいところまで指示が及ぶ場合があります。施設で展開している会員カードへの入会勧誘なども、テナント店の仕事の一つです。イベントも施設全体で定められたものに時期を合わせ、サマーシーズンなどはほとんどセールで終わることも。ほかにもフロアからバックルームへの移動時にお客様に向けて礼をする、お客様と同じエレベーターを使用しない、食事やお手洗いに行く際は従業員にしか分からない言葉で伝達する…といったルールは、多くの施設で取り入れられています。また、こういった施設ではお客様とトラブルがあった場合、施設運営者に報告する義務があります。この連携を行うことで施設のカスタマーセンターから的確な指示を仰ぐことができ、解決までの道のりがスムーズになります。


服装規定について

基本的には自社ブランドの服やアイテムを身につけることがほとんどです。ラグジュアリーブランドなど価格帯が高めのブランドではスーツやジャケット着用を条件にすることも。そのほか、ブランドや配属先によって服装規定は異なります。路面店の場合、自社のルール内やブランドイメージに適したものであれば服装やメイクに特に制約はありません。しかし、テナント店の場合は、ある程度の基準が設けられています。メイクは基本的に清潔感のあるナチュラル系を求められますが、薄すぎるメイクやノーメイクはNG。シャドウやチークは控えめにして、リップもビビッドすぎる色は避けましょう。髪も色が明るすぎたりメッシュを入れていたりするとお客様にとっつきにくい印象を与えてしまいます。ネイルの内容も施設によって指定されることがあり、過度な装飾や派手な色は避けておくのが無難です。


様々な刺激を受けるテナント店、接客力が身につく路面店

ブランドの顔とも言える路面店は、自社製品への愛着の深さが働きがいに影響し、テナント店のスタッフが、より高い専門性を求めて路面店への異動を目指すケースも多く見られます。しかし、その分、接客スキルや売上目標も高く設定されており、知識量も多大に求められます。そのため、大手のアパレル企業やブランドに就職してスキルを身につけてから、後に独立開業する経営者の割合が多いと言われています。

テナント店では、入居施設の規定に合わさざるを得ない状況が多々あり、自由度の制限はありますが、他ブランドとの交流を図れるなど、外部からの刺激を得やすい環境であることが魅力。広告展開や販促イベントも施設主導で行われ、路面店より少ない労力で集客が行えます。アパレルキャリアのスタート地点とする人も多く、先に述べた入居施設のルールを遵守することで、自然と接客の基礎を身につけることもできるでしょう。

TEXT:伊東孝晃

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